冷蔵庫は毎日使う生活必需品のひとつであり、購入後の満足度を大きく左右する家電です。そのため、性能やデザインだけでなく、製品ごとの注意点や弱点も事前に把握しておくことが重要です。中でも「日立冷蔵庫 デメリット」と検索している方は、購入を検討している中で不安や疑問を感じているのではないでしょうか。

日立の冷蔵庫は、「まるごとチルド」や「特鮮氷温ルーム」などの独自技術で高い評価を受けている一方で、他メーカーと比較して価格が高めになりやすい傾向があることが指摘されています。また、多機能ゆえに使いこなせないと感じることがある点や、故障時の修理費が高額になる傾向があるという報告もあります。

さらに、製氷機まわりのトラブルが多いという報告があるほか、設置スペースに制限があるモデルも存在しているため、住環境との相性も慎重に見極める必要があります。加えて、電子パネルの反応が鈍いと感じることがある、初期設定や説明書がわかりづらいと感じる場合がある、一部のモデルで音が気になるケースが報告されているといった使用面での注意点も見逃せません。

そのほかにも、部品の取り寄せに時間がかかることがある、アフターサービスに地域差がある可能性があるなど、長期的な使用に関わる懸念点も存在しています。

この記事では、そうした日立冷蔵庫に関するデメリットを丁寧に整理し、検討中の方が後悔しない選択をするための参考情報を提供します。購入前に知っておくべきポイントをしっかり確認して、自分のライフスタイルに合った冷蔵庫選びに役立ててください。

  • 日立冷蔵庫の価格やコストパフォーマンスの傾向
  • 多機能なモデルの使い勝手や操作の難しさ
  • 故障時の修理費用やサポート対応の注意点
  • 設置条件や製氷機・パネルなどの具体的な不具合例

日立冷蔵庫 デメリットを購入前に把握する

日立冷蔵庫 デメリットを購入前に把握する

おうち家電ラボ・イメージ

  • 他メーカーと比較して価格が高めになりやすい傾向がある
  • 多機能ゆえに使いこなせないと感じることがある
  • 故障時の修理費が高額になる傾向がある
  • 製氷機まわりのトラブルが多いという報告がある
  • 設置スペースに制限があるモデルも存在している

他メーカーと比較して価格が高めになりやすい傾向がある

他メーカーと比較して価格が高めになりやすい傾向がある

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日立の冷蔵庫は、同クラスの他社製品と比較すると価格が高めに設定されている傾向があります。購入前にその理由や背景を把握しておかないと、「思ったより高かった」「価格に見合わない」と感じることもあるでしょう。

まず、価格面で注目したいのは、日立が独自の冷却技術や保存機能に力を入れていることです。「まるごとチルド」や「特鮮氷温ルーム」などは、食材の鮮度保持に役立つ独自技術として知られています。これらの機能は一定の評価を得ている一方で、全てのユーザーにとって必ずしも必要とは限りません。結果として、使用頻度の低い機能に対してもコストを支払うことになり、「割高に感じる」という声につながっていると考えられます。

さらに、モデルチェンジによって機能の一部が簡略化されるケースがあるにもかかわらず、価格が下がらない点も見逃せません。例えば、高級感のあるガラスドアが一般的な鋼板ドアに変更されたにもかかわらず、価格帯がほとんど変わらないといったケースが報告されています。

また、同価格帯の他メーカー製品と比較した際に、独自の魅力的な機能を打ち出している例もあります。パナソニックであれば「パーシャル機能」、三菱電機では「切れちゃう瞬冷凍」など、ユーザーにとって明確に価値を感じられる機能を搭載していることが多く、コストパフォーマンスの面で優位に感じられることもあるようです。

以下に、代表的な冷蔵庫モデルの価格帯を他メーカーと比較してまとめました。

メーカーモデル名容量主な特徴価格帯(目安)
日立R-HXC54T約540Lまるごとチルド約26万円
日立R-HXC62X約617L特鮮氷温ルーム約39万円
三菱電機MR-MX57H約570L切れちゃう瞬冷凍約30万円
パナソニックNR-F609WPX約600Lパーシャル、AIエコナビなど約34万円
東芝GR-U600FZ約600L速鮮チルド、抗菌脱臭約31万円

このように比較してみると、日立冷蔵庫は同容量帯であってもやや高めに感じられることがわかります。高価格だからこそ、搭載されている機能が自身のライフスタイルに合っているかどうかを見極めることが大切です。ただ価格が高いというだけではなく、それに見合った価値があるかどうかを慎重に判断する必要があります。

多機能ゆえに使いこなせないと感じることがある

多機能ゆえに使いこなせないと感じることがある

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日立冷蔵庫は、多くの独自技術や便利な機能を搭載している点が大きな魅力です。しかしその一方で、「機能が多すぎて使いこなせない」「どこに何の設定があるのかわからない」といった声も少なくありません。

代表的な機能には「まるごとチルド」や「特鮮氷温ルーム」、「デリシャス冷凍」などがありますが、これらの名称から具体的な効果や使い方をすぐにイメージするのは難しいという人も多いようです。加えて、スマートフォン連携や冷蔵庫カメラのような最新機能もあり、便利な反面、初期設定や操作に戸惑うこともあります。

特に高齢者や機械操作に不慣れなユーザーにとっては、説明書を読んでも十分に理解できなかったり、使いこなせないまま一部の機能を放置してしまうといったケースが起きやすくなります。実際、冷蔵庫カメラのように庫内の様子をスマホで確認できる機能も、正しく設定されていなかったり、撮影範囲の制限から十分に活用されていないという指摘があります。

また、機能が豊富なぶん、操作ボタンの数や設定項目も増えるため、直感的に使えるシンプルな家電を好む人にとってはストレスになることがあります。製氷モードの切り替えや冷凍室の温度設定、チルドルームの選択など、日常的に細かい操作を求められると感じる人もいるでしょう。

このように、機能そのものの質は高くても、「誰にとっても使いやすい」とは限りません。必要な機能をきちんと使いこなせるかどうかは、冷蔵庫選びにおける重要な視点の一つです。

購入前に公式サイトや販売店で、具体的な使い方を確認したり、実際の操作画面を試してみると、自分にとっての使いやすさが見えてきます。また、必要のない機能をあえて省いたシンプルモデルを選ぶという判断も十分に有効です。多機能であることが必ずしも優れているとは限らないという点を意識し、自分の生活スタイルに合ったモデルを選ぶことが大切です。

故障時の修理費が高額になる傾向がある

故障時の修理費が高額になる傾向がある

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日立の冷蔵庫は高機能で品質も評価されていますが、いざ故障した際の修理費用が高額になりやすいという声が多く聞かれます。特に長期使用を想定して購入する方にとっては、これは見逃せないデメリットです。

多くの家庭で冷蔵庫は10年以上使うことが想定されますが、冷却性能を維持するための部品や電子制御部品が故障すると、想像以上の修理費が発生することがあります。コンプレッサーのような中核部品の修理には10万円以上かかる場合があり、制御基板や冷却ファンの交換でも数万円単位の請求になることがあります。しかも、これらの部品の一部は1年保証しか適用されないこともあるため、保証期間を過ぎてからの故障には特に注意が必要です。

また、修理の際には部品代以外にも出張料や点検費用が加算されます。診断のみで修理を見送った場合でも、出張診断料として約5,800円(税込)が発生します。これにより、「軽微な不具合だから様子を見る」という選択肢が取りにくく、ユーザーにとってはコスト面での負担が重く感じられるのです。

下記に、日立公式サイトなどで示されている主な修理費用の目安をまとめた表を掲載します。実際の請求額は機種や地域、故障の程度によって異なりますが、参考として活用してください。

症状・故障箇所修理料金目安(税込)備考
コンプレッサー113,000~133,000円5年保証対象の場合あり
制御基板46,000~51,000円電子制御部品(保証対象外のこともある)
霜取り関連機構31,000~36,000円動作不良や異音の原因になることも
冷却ファン33,000~35,000円冷却回路の一部
真空ポンプ30,000~33,000円チルド機能に関与する部品
センサー・内部異常など25,000~28,000円部品によって差あり
出張診断料5,830円修理に至らなくても発生

こうした費用を見て分かる通り、突発的なトラブルに対してはある程度の予算確保が必要です。特に保証期間が終了したタイミングでの故障は、経済的なダメージも大きくなりやすいでしょう。

そのため、購入時には家電量販店などが提供する延長保証への加入も検討することをおすすめします。保証内容には上限金額や対象部品の制限があるため、しっかりと内容を確認しておくと安心です。予想外の出費を防ぐためにも、冷蔵庫本体の価格だけでなく、こうした維持費・修理費も踏まえて総合的に判断することが重要です。

製氷機まわりのトラブルが多いという報告がある

製氷機まわりのトラブルが多いという報告がある

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日立冷蔵庫を使っているユーザーからは、製氷機まわりのトラブルに関する指摘が特に目立ちます。自動製氷機能を便利に感じる人が多い一方で、不具合や故障の頻度が高いと感じている方も少なくありません。

具体的には、「氷ができない」「製氷皿が回らない」「氷が板状に固まってしまう」「製氷時に異音がする」「水漏れが起こる」といったトラブルが報告されています。また、操作パネルにエラーコード(例:「F0 03」)が表示されることもあり、内部のセンサーやモーターの不具合が疑われるケースもあります。

一見すると故障のように見える問題でも、実際には給水タンクのセットミスや、タンク・フィルターの汚れなど、ユーザー側で対処できる事例もあります。とはいえ、複数のユーザーが同様の不具合を経験していることから、日立の自動製氷機構に構造上の弱点がある可能性も否定できません。

こうした問題に対しては、定期的な掃除が有効です。日立製冷蔵庫には「製氷おそうじ」モードが搭載されている機種もあり、内部の洗浄を簡単に行えるようになっています。しかしながら、清掃だけでは解決できない故障の場合には修理対応が必要となり、時間とコストがかかるのが実情です。

なお、製氷機に関するトラブルは使用開始から比較的早い段階で発生することもあれば、数年使ってから現れる場合もあります。原因が一律でないため、個体差や使用環境の影響もあると考えられます。

このように、自動製氷機能は便利な反面、故障時のリスクを伴うことを理解しておく必要があります。製氷機能を頻繁に使う家庭であれば、事前にレビューやトラブル事例を確認し、メンテナンスのしやすさも含めて機種選びをすると良いでしょう。一方、製氷機をあまり使わない家庭であれば、あえて製氷機能のないシンプルなモデルを選ぶのも一つの選択肢です。

設置スペースに制限があるモデルも存在している

設置スペースに制限があるモデルも存在している

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日立の冷蔵庫には、大容量で高機能なモデルが数多くラインナップされていますが、その一部には設置スペースに関して注意が必要な製品も存在します。購入後に「サイズが入らない」「搬入経路が通らない」といった問題が起きることを避けるためにも、事前の確認は必須です。

特に注意したいのは、日立の一部の大型モデルが、一般的な冷蔵庫と異なる寸法バランスを採用している点です。たとえば、幅を広くとる代わりに奥行きを抑えた“薄型”設計のモデルがあります。これにより、壁への圧迫感が軽減され、奥行きの浅いキッチンスペースでも使いやすくなるメリットがあります。しかし、幅が85cm〜88cmと非常に広い製品もあり、一般的な冷蔵庫置き場の幅(約70〜75cm)では収まらないケースがあるため、注意が必要です。

さらに、冷蔵庫は本体サイズだけでなく、放熱スペースやドアの開閉スペースも含めて確保しなければなりません。日立では、上部5cm以上、左右に0.5cm以上の隙間を設けることを推奨しています。ドアが両開きの場合は、左右の壁との距離が近いと開けにくくなることもあります。こうした細かな条件を見落としてしまうと、「設置はできたけれど、ドアが開かない」といった問題に直面することも考えられます。

以下に、代表的な日立製冷蔵庫のサイズと、設置時に必要なスペースの目安を一覧にまとめました。購入前の確認資料としてご活用ください。

モデル名本体サイズ(幅×奥行×高さ)設置に必要な幅(目安)特徴
R-GXCC67V約880×654×1833mm約900mm以上幅広・薄型大容量設計
R-HXC62X約685×738×1833mm約705mm以上奥行き深めのスリム設計
R-HWC49T約600×699×1835mm約620mm以上幅スリムで設置しやすい
R-H32NV約540×655×1735mm約560mm以上一人暮らし向け小型タイプ

こうして見ると、モデルごとにサイズ感や設置条件がかなり異なることが分かります。冷蔵庫の容量だけで製品を選ぶのではなく、設置場所の広さ・形状、さらには搬入経路(玄関・廊下・ドアの幅など)までチェックしておくことが重要です。

特に、買い替えの場合は旧モデルのサイズ感を基準に判断しがちですが、新しい冷蔵庫はデザインの変化により幅や奥行きが微妙に異なることがあるため、慎重な比較が求められます。事前にメジャーで正確に測る、設置後の使用イメージをシミュレーションするなどの準備をしておくと、設置トラブルを防ぐことができます。

日立冷蔵庫 デメリットに注意して選ぶ方法

  • 電子パネルの反応が鈍いと感じることがある
  • 初期設定や説明書がわかりづらいと感じる場合がある
  • 一部のモデルで音が気になるケースが報告されている
  • 部品の取り寄せに時間がかかることがある
  • アフターサービスに地域差がある可能性がある

電子パネルの反応が鈍いと感じることがある

電子パネルの反応が鈍いと感じることがある

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日立冷蔵庫の多くには、操作性を高めるためにタッチ式の電子パネルが採用されています。このスタイリッシュな操作部は、見た目にも高級感があり、直感的な操作ができる点でメリットがあります。しかし一方で、「反応が鈍い」「意図しない操作が反映される」といった声もあり、必ずしも全てのユーザーが快適に使えているとは限りません。

このような不具合として報告されているのは、ボタンを押してもすぐに反応しない、表示が切り替わらない、あるいは押したつもりのボタンとは違う動作が実行されてしまうといった現象です。中にはパネルがまったく反応しなくなるケースもあるとされており、これにより冷蔵庫の温度設定やモード変更ができず、不便を感じることがあります。

原因としては、パネル自体の物理的な劣化や初期不良、制御基板の不具合などが考えられます。また、静電容量方式のタッチセンサーは、手が濡れていたり油が付いていたりするとうまく反応しないこともあります。加えて、まれに外部の電波干渉(例えばラジオ塔や無線機器)により誤作動するという報告もあります。

このような問題が起こると、修理や部品交換が必要になりますが、制御基板やパネルの交換には数万円程度の費用がかかる可能性があるため注意が必要です。また、購入から1年を超えていると保証が適用されない場合もあります。

ユーザー側でできる予防策としては、パネル部分を常に清潔に保つこと、操作時には乾いた手で行うこと、過度に強く押さないことなどが挙げられます。それでも症状が改善しない場合には、早めにメーカーや販売店に相談することが推奨されます。

このように、タッチパネルの便利さと引き換えに、反応の鈍さや不具合のリスクがあるという点は知っておくべきポイントです。特に高齢の方や、複雑な操作が苦手な方にとっては、従来のボタン式のほうが扱いやすい場合もあるため、自分や家族の使い方に合った操作性を重視してモデルを選ぶことが大切です。

初期設定や説明書がわかりづらいと感じる場合がある

初期設定や説明書がわかりづらいと感じる場合がある

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日立の冷蔵庫は、多機能で高性能なモデルが多く、食品保存に関する細やかな技術が搭載されています。しかしその反面、初期設定の手順や取扱説明書の内容が分かりづらいと感じるユーザーも一定数存在しています。とくに機能が多い上位モデルほど、操作や設定の複雑さが増し、家電に不慣れな人にとってはハードルが高くなりがちです。

たとえば、「まるごとチルド」「特鮮氷温ルーム」「冷蔵庫カメラ」などの機能は、名称を見ただけでは具体的な役割や使用場面がイメージしにくく、実際に使ってみて初めて理解できるというケースも少なくありません。説明書自体は公式サイトからダウンロードできたり、スマートフォンアプリで閲覧可能だったりとアクセスしやすい仕組みにはなっていますが、その内容が機能ごとに分かれていて全体像がつかみにくいという声もあります。

また、冷蔵庫は設置直後に「水平設置」や「放熱スペースの確保」など、性能を発揮するために重要な初期設定があります。これらの注意点が説明書に記載されていても、目立たない位置に書かれていたり、簡略に表現されていたりすると見逃してしまうことがあり、それが「冷えが悪い」「異音がする」といった問題の原因となることもあります。

以下の表は、説明書に関してよくあるユーザーの疑問や混乱しやすい点を整理したものです。

よくある疑問・指摘内容説明対応策・アドバイス
機能の名称が分かりにくい専門用語や独自名称が多い公式サイトの動画やイラスト解説を活用する
冷蔵庫カメラの撮影範囲が分からない奥の棚は写らないことがある食材の配置を工夫する
設置後に冷えない放熱スペースや水平設置が不十分設置環境を再確認し、必要に応じて調整する
初期設定でランプが点滅して不安になる初回起動時の仕様であることも説明書内の「正常動作と異常動作の区別」を確認
操作方法が散らばっていて把握しづらい機能別に説明が分割されているよく使う機能に付箋を貼る、要点をメモする

このように、説明書や初期設定が分かりづらいと感じる背景には、「情報はあるが整理されていない」「実体験を通じてしか理解しにくい」といった要因があります。多機能モデルほど内容が複雑になりがちですので、購入前にあらかじめ公式サイトから説明書をダウンロードして確認しておくと安心です。

特に操作に不安がある方は、店頭で実機の操作感を試す、購入時に設置スタッフに初期設定をお願いするなど、実際の利用場面を想定した準備が有効です。どれだけ高性能でも使いこなせなければ宝の持ち腐れになってしまうため、「自分にとって扱いやすい冷蔵庫かどうか」を見極めるポイントとして、説明書の分かりやすさにも目を向けておくことが重要です。

一部のモデルで音が気になるケースが報告されている

一部のモデルで音が気になるケースが報告されている

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日立の冷蔵庫は静音性にも配慮されている製品が多いものの、使用環境やモデルによっては運転音が気になるという報告もあります。特にキッチンとリビングが一体化している間取りや、寝室の近くに設置している場合など、静音性は非常に重要な選定ポイントとなります。

よく挙げられる音の種類には、「ブーン」というコンプレッサーの作動音や、「ガコン」という製氷時の氷の落下音、「ジリジリ」「カタカタ」といった冷却ファンや霜取り時の駆動音があります。これらの音の多くは正常動作の範囲内とされているものの、使用する人によっては「思っていたよりも大きい」と感じることもあるようです。

また、スペック上は静音性が高いとされているモデルでも、実際の設置環境によって音の感じ方に差が出ます。たとえば、床の材質が硬い場合や、壁に近接しすぎている場合、振動音が増幅されることがあります。このため、設置場所の条件によっては、スペック通りの静音性が実現されないこともあります。

さらに一部のユーザーからは、旧モデルでは搭載されていた製氷室の防音パッドが最近のモデルでは省略されているという指摘もあり、コストダウンの影響で静音性能が低下している可能性も考えられます。

このような状況に対処するには、以下のような工夫が役立ちます。

  • 冷蔵庫を水平かつ安定した場所に設置する
  • 壁や家具との間に十分な距離を確保する
  • 防振・防音マットを使用して床からの振動音を抑える
  • 庫内の詰め込みすぎを避けて冷却効率を確保する

日立公式サイトでも、異音が気になるときのチェックポイントを案内しています。中には「ポコポコ」「ジュー」など一見異常に思える音でも、冷媒が流れる際に生じる正常な作動音である場合もあります。

いずれにしても、音の感じ方には個人差があり、特に音に敏感な方は慎重に検討する必要があります。購入前には、製品レビューを確認したり、可能であれば展示品の動作音を確認するなど、使用環境を想定したチェックをしておくと失敗が少なくなるでしょう。

部品の取り寄せに時間がかかることがある

部品の取り寄せに時間がかかることがある

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日立の冷蔵庫は部品の精度や品質に定評がある一方で、修理の際に必要となる部品の取り寄せに時間がかかることがあります。特に製品の使用年数が長くなっている場合や、マイナーな部品の交換が必要なケースでは、修理完了までに2週間以上かかる可能性もあります。

部品がすぐに入手できない背景には、いくつかの事情があります。まず、メーカーが修理用の部品を保有する期間には制限があり、日立では通常、製造終了から9年間とされています。これを過ぎた製品の場合、部品の在庫がすでに廃止されていたり、特注対応となるケースもあり、納期が不確定になることがあります。

さらに、部品の在庫があっても、地域によっては配送までに時間を要することがあります。たとえば、都市部であれば数日で届くケースが多い一方で、地方や離島では配送センターからの移送に日数がかかり、修理までに1週間〜10日以上かかることも珍しくありません。また、繁忙期(特に夏場)には修理依頼が集中し、部品の取り寄せと技術者の訪問予約が両方遅延する可能性もあります。

以下は、修理に必要な部品ごとの取り寄せにかかる時間や傾向をまとめた表です。状況により異なるため、あくまで目安としてご覧ください。

部品の種類入手までの目安日数備考
コンプレッサー約5〜10日在庫がない場合は取り寄せで長期化しやすい
制御基板約4〜7日特定モデル専用のものはさらに時間が必要
冷却ファン約3〜5日一般的な部品だが、機種により差あり
真空ポンプ約7〜14日対応できるサービス拠点が限られることも
製氷皿・給水タンク関連約2〜5日需要が多く比較的流通は安定している
表示パネルやタッチ部品約5〜10日一部取り寄せ不可のケースもあり注意

これらを踏まえると、冷蔵庫に不具合が生じた場合、すぐに使える代替手段(予備の冷蔵庫やクーラーボックスなど)を用意しておくことも一案です。また、製品購入時には延長保証の内容を確認し、「部品の配送が遅延した場合の対応」についても理解しておくと、万が一の際に慌てずに対処できるでしょう。

いずれにしても、修理時に時間がかかる可能性を想定し、普段からメンテナンスを怠らず、故障の兆候が見られた段階で早めに相談・依頼することが、トラブルの長期化を防ぐポイントになります。

アフターサービスに地域差がある可能性がある

アフターサービスに地域差がある可能性がある

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日立の冷蔵庫に関するアフターサービスは、全国に設置されたサービス拠点を通じて提供されています。ただし、実際にユーザーが受けるサポートの質や対応のスピードには地域によって差があるという報告もあります。これは、サービス体制が一律ではなく、一部が委託業者に任されていることが関係していると考えられます。

たとえば、都市部では日立の直営スタッフが修理に対応する機会が多く、訪問までの時間も比較的短い傾向があります。予約がスムーズに取れれば、2〜3日以内に修理担当が来訪するケースもあるようです。一方で、地方や郊外の地域では、提携会社や委託された技術者が対応することが多く、訪問までに1〜2週間程度かかるという声もあります。

また、技術者のスキルや経験にもバラつきが見られることがあります。的確な診断がすぐにできない、修理後も再発する、といった不満が寄せられることもあり、サービスの品質に対する信頼感が地域によって左右されているようです。さらに、修理に必要な部品がその場にない場合、追加の訪問が必要になり、結果的に対応期間が長引くことにもつながります。

購入した店舗が提供する延長保証や独自サポートも、地域差を左右する要因の一つです。家電量販店や地域密着型の電器店では、メーカーとは別に修理受付や手配を行っていることがあり、こうしたルートを通じて依頼した方がスムーズに進むケースもあります。

アフターサービスの品質は、冷蔵庫の長期利用において非常に重要な要素です。保証書に書かれた電話番号だけでなく、「どの拠点が対応するのか」「委託業者なのか」「訪問までの平均日数はどのくらいか」といった実情を購入前に確認しておくことは、満足度の高い製品選びにつながります。

もし可能であれば、SNSやレビューサイトなどで自分の住む地域におけるサポート体験談を調べてみると、より現実的な判断材料になるかもしれません。高価な家電である冷蔵庫だからこそ、万が一のときに頼れる体制が整っているかどうかも、しっかりと検討すべきポイントです。

購入前に知っておきたい日立冷蔵庫 デメリットを総括

記事をまとめました。

  • 同容量帯の他社製品と比較して価格がやや高い傾向がある
  • 独自機能が多く、人によってはオーバースペックに感じられる
  • 一部機能の操作が複雑で、使いこなすのが難しいとされる
  • モデルによっては高機能でもコストパフォーマンスに疑問が残る
  • 故障時の修理費用が非常に高額になる可能性がある
  • 製氷機に関するトラブルやエラー表示の報告が多い
  • 使用環境によっては冷蔵庫の動作音が気になることがある
  • 幅広設計のモデルがあり、設置スペースに制約が生じやすい
  • ドアの開閉スペースや放熱スペースの確保が必要になる
  • タッチパネルの操作性に不満を感じるユーザーがいる
  • 初期設定の手順や説明書の内容がわかりづらいという声がある
  • 一部の機能名が直感的でなく理解しづらいとの指摘がある
  • 部品の取り寄せに日数がかかり、修理が長引くケースがある
  • 製造終了後の部品保有期間が限られており長期使用に不安がある
  • 地域によってアフターサービスの対応スピードに差がある