日立冷蔵庫 製氷機 フィルター いらない」と検索している方の中には、「本当にフィルターは必要なのか?」「外しても問題なく使えるのでは?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。たしかに、フィルターの交換は手間がかかるうえにコストも発生するため、省略できるならそれに越したことはないと思うのは自然なことです。

しかし、実際にフィルターなしで使用した場合、氷の味や見た目、水質、さらには冷蔵庫内部の衛生状態にどのような影響が出るのかを正しく理解しておく必要があります。

この記事では、「フィルターなしでも使用できるのかを検証する」ことから始まり、「フィルターを使わない場合の水質への影響とは」どのようなものか、そして「氷のニオイや味に差が出る原因について」も詳しく解説していきます。

また、「定期的な掃除でフィルター代用は可能か」といった疑問や、「メーカーが推奨する正しい使用方法とは」どのようなものかも明らかにしつつ、「衛生面で気をつけたい重要なポイント」や「フィルターを外すと起こるトラブルとは」何かといったリスクも丁寧に取り上げます。

さらに、「長期間使用するとどうなるかを解説」し、「他社の浄水器や対策グッズは使えるか」についての代替策にも触れていきます。そして最後に、「安全に使い続けるための具体的な注意事項」を整理し、フィルターを使う・使わないそれぞれの判断材料を提供します。

読み終えたときに、あなたの冷蔵庫の使い方にとって最適な選択ができるよう、事実と根拠に基づいて分かりやすくお伝えします。

  • フィルターを外しても製氷は可能だがリスクがあること
  • 水質や氷の味・見た目への影響があること
  • 定期清掃ではフィルターの役割を完全に補えないこと
  • メーカーが推奨する使用法や代替手段の注意点

日立冷蔵庫 製氷機にフィルターはいらないのか?

日立冷蔵庫 製氷機にフィルターはいらないのか?

おうち家電ラボ・イメージ

  • フィルターなしでも使用できるのかを検証する
  • フィルターを使わない場合の水質への影響とは
  • 氷のニオイや味に差が出る原因について
  • 定期的な掃除でフィルター代用は可能か
  • メーカーが推奨する正しい使用方法とは

フィルターなしでも使用できるのかを検証する

フィルターなしでも使用できるのかを検証する

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日立冷蔵庫の自動製氷機は、浄水フィルターを取り外しても機能自体は停止しません。つまり、物理的にはフィルターなしでも氷を作ることが可能です。しかし、製氷機能が動くことと、安心・安全に使えることは別問題です。

まず、フィルターの有無が氷の品質や冷蔵庫内部の状態にどのような影響を与えるのかを明確にする必要があります。フィルターは水道水に含まれる塩素や鉄サビ、微細なゴミなどを除去するために設置されています。これがない状態では、これらの物質が直接製氷システムに流れ込み、氷の味や見た目、さらには冷蔵庫の寿命にも影響するおそれがあります。

もちろん、短期間の使用であれば目立った問題が起きない場合もあるでしょう。ですが、見えないところで不純物の蓄積は少しずつ進行していきます。実際、給水パイプの詰まりやポンプの故障につながる例も報告されています。見た目にはわからなくても、内部のトラブルリスクは確実に増すと考えられます。

また、メーカーである日立もフィルターの使用を推奨しています。これは単に味の問題だけでなく、長期的な衛生状態や機器の保護も含めた判断です。自己判断での運用は、結果的に修理費用や冷蔵庫の寿命に大きな影響を与える可能性があります。

以下に、フィルターあり・なしでの使用を比較した表を掲載します。

項目フィルターありフィルターなし
氷の味・ニオイ雑味が少なく、ニオイ移りしにくいカルキ臭や雑味が出やすい
衛生面安定して衛生的雑菌の繁殖リスクが高まる
故障リスク低い(不純物除去による予防効果)詰まりや機器故障のリスクが増加
見た目(氷の透明度)透明感が出やすい白く濁る場合が多い
メンテナンスの手間週1回の掃除と3~4年ごとの交換掃除頻度が増える(衛生維持のため)

このように、たとえ氷ができたとしても、その裏でさまざまなリスクが潜んでいます。結果として、「フィルターなしでも使える」というのはあくまで一時的・非常用の選択肢であり、日常的に使うには不向きであることがわかります。

フィルターを使わない場合の水質への影響とは

フィルターを使わない場合の水質への影響とは

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日立冷蔵庫の自動製氷機でフィルターを使わない場合、水道水の水質がそのまま氷に反映されることになります。安全基準を満たした日本の水道水であっても、そのまま氷にするにはいくつかの問題が生じやすいことを理解しておく必要があります。

主な問題は、残留塩素と微細な不純物です。水道水には塩素(カルキ)が含まれており、これは水を衛生的に保つために欠かせない成分です。ただし、製氷に使用すると、氷にカルキ特有のニオイが残ることがあります。これがいわゆる「カルキ臭」と呼ばれるもので、飲み物に入れた際に気になる人も少なくありません。

さらに、フィルターがないと水道管から流れてくるサビや砂、微細なゴミがそのまま製氷機内に入り込みます。こうした物質は氷の透明度を下げる原因にもなりますし、製氷皿や給水経路の内部に沈着することで、機械のトラブルにつながる可能性もあります。

一方で、塩素には雑菌の繁殖を防ぐ役割もあります。そのため、水質が衛生的に保たれるという側面もあるのは事実です。とはいえ、これはあくまで塩素が水中にある場合の話であり、氷として保存される間に効果が薄れる可能性も否定できません。

また、地域によっては水の硬度が高く、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれているケースもあります。こうした成分は氷の味に雑味を加えるだけでなく、内部にスケール(石灰成分)として蓄積されるリスクを高めます。

このように、フィルターを使わないことで直接的に氷の味や見た目、さらに冷蔵庫内部の清潔さや耐久性にまで影響が及ぶことになります。単に「水だから大丈夫」と思わずに、水質に与える影響を正しく認識しておくことが大切です。

氷のニオイや味に差が出る原因について

氷のニオイや味に差が出る原因について

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氷のニオイや味が気になる場合、その原因は水そのものにあることが少なくありません。とくに日立冷蔵庫の自動製氷機でフィルターを使わない場合、水道水中の成分がダイレクトに氷に反映されるため、味やニオイの差を強く感じやすくなります。

水道水に含まれる代表的なニオイの原因は、残留塩素、いわゆる「カルキ臭」です。これは日本の水道水に必ず含まれており、雑菌の繁殖を抑えるために必要な成分ではありますが、製氷においては風味を損ねる要因となります。フィルターにはこの塩素を吸着・除去する働きがあるため、フィルターを通した水のほうが氷の味がスッキリしやすくなる傾向があります。

また、製氷機に供給される水にミネラル分や微細な不純物が含まれていると、それが氷の雑味や白く濁る原因になります。特に水の硬度が高い地域では、ミネラル(カルシウムやマグネシウム)が多く含まれており、味だけでなく、製氷機内部のスケール(石灰成分)の付着にもつながることがあるため注意が必要です。

一方で、氷のニオイには水だけでなく冷凍庫内の環境も関係してきます。氷は周囲のニオイを吸収しやすい性質を持っており、冷凍庫内に保存されている食品の強いニオイが移ってしまうことがあります。これはフィルターの有無にかかわらず発生するため、定期的な冷凍庫内の掃除やニオイ移り防止の工夫も求められます。

以下に、氷のニオイや味に影響する主な原因をまとめた表を掲載します。

氷に影響する原因説明内容
残留塩素(カルキ)水道水特有のニオイのもと。フィルターで除去されると味がスッキリする傾向あり。
ミネラル分水の硬度によっては味に雑味が出ることも。硬水は機器へのダメージも引き起こしやすい。
微細な不純物サビやゴミが氷の見た目や味に影響。透明度も落ちやすい。
冷凍庫内のニオイ移り他の食品のニオイが氷に吸着する可能性あり。密閉保存や庫内清掃が効果的。
フィルターの劣化・未使用除去機能がない、または機能が低下していると、ニオイや雑味が増える要因に。

このように氷のニオイや味に関わる要因は複数あり、それぞれに対策を講じる必要があります。とくにフィルターの有無は味やニオイの感じ方に大きな影響を与えるため、注意深く運用することが望ましいでしょう。

定期的な掃除でフィルター代用は可能か

定期的な掃除でフィルター代用は可能か

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製氷機のフィルターを使わずに、掃除だけで水質や機械の状態を保てるのかという疑問を持つ方は少なくありません。結論から言えば、定期的な掃除は非常に重要ですが、フィルターの機能を完全に代替することはできません。

掃除の役割は、給水タンクや配管、製氷皿などに付着した汚れや雑菌を取り除くことです。これは衛生面の維持において欠かせない工程であり、怠ればカビやヌメリ、雑菌の繁殖といった問題が発生します。特に塩素を含まない水(ミネラルウォーターや浄水器の水)を使う場合は、3日に1回の清掃が推奨されているほどです。

しかし、掃除では「水に含まれている成分」を除去することはできません。水道水には目に見えないサビや砂、小さなゴミなどが含まれており、これらは掃除では取り除けません。浄水フィルターは、これらの物質を水が製氷皿に届く前に捕捉するために設けられているのです。つまり、掃除は「結果への対処」、フィルターは「原因の予防」という役割を持っています。

一方で、掃除の頻度が高ければフィルターがなくてもある程度は清潔さを保てますが、これはあくまで短期的な視点です。長期間にわたりフィルターなしで使い続けると、内部の細い配管などに不純物が蓄積していき、やがて詰まりや機器の不調に繋がる可能性があります。これを掃除だけで未然に防ぐのは非常に難しいのが現実です。

こうしたことから、掃除はフィルターと並行して行うべきものであり、どちらか一方では不十分です。フィルターの交換を先延ばしにしたり、取り外したままで運用することは、製氷機にとって望ましい使い方とは言えません。掃除とフィルターの役割を理解し、両方を適切に行うことが、冷蔵庫を長持ちさせる上で重要なポイントになります。

メーカーが推奨する正しい使用方法とは

メーカーが推奨する正しい使用方法とは

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日立の自動製氷機を正しく、そして長期間にわたって安心して使用するには、メーカーが示す推奨方法に従うことが基本です。独自の判断で使い方を変えてしまうと、氷の品質が低下するだけでなく、冷蔵庫自体のトラブルや故障リスクも高まる可能性があります。

日立が最も重視しているのは、「指定された浄水フィルターを正しく使用すること」です。冷蔵庫には専用の型番(例:RJK-30など)に合ったフィルターが搭載されており、水道水に含まれる塩素や不純物をろ過する役割を担っています。これを使わずに運転すると、氷に雑味が出たり、内部に不純物が溜まって詰まりの原因になります。

さらに、フィルターには交換目安があります。一般的な使用(1日1L程度の給水)であれば、約3~4年が交換の目安とされています。ただし、使用頻度が高い場合や氷の味やニオイが気になるようになった場合は、それよりも早い交換が必要です。使用状況に応じたタイミングで交換することが、製氷機能を健全に保つためのカギとなります。

水の種類についても、基本的には水道水の使用が推奨されています。これは水道水に含まれる塩素が、給水タンクや配管内の雑菌繁殖をある程度防いでくれるためです。一方で、ミネラルウォーターや浄水器を通した水など、塩素が除去された水を使用する場合は注意が必要です。このような水は衛生面でのリスクが高まるため、「3日に1回」の頻度での清掃が強く求められます。

以下に、メーカーが推奨する主要な使用ルールと注意点を一覧表にまとめました。

推奨項目内容
使用フィルター対応型番の純正フィルター(例:RJK-30)を使用
フィルター交換時期標準使用で3~4年、使用量が多ければ1~2年が目安
使用する水の種類基本は水道水(塩素による殺菌効果を期待)
ミネラルウォーターなどを使う際の条件軟水(硬度100mg/L以下)に限る。清掃は3日に1回が推奨
清掃頻度水道水使用時:週1回/非水道水使用時:3日に1回
使用禁止の飲料ジュース、お茶、炭酸、スポーツドリンクなどは絶対に使用不可

このように、製氷機を安全に使い続けるためには、水選び・フィルター管理・定期清掃の3点をセットで考えることが大切です。特に、メーカーが設定したルールは長年の製品テストに基づいたものであり、信頼性があります。安易にアレンジせず、正しい方法で使い続けることが、結果的に冷蔵庫の寿命や製氷の快適さを大きく左右します。

日立冷蔵庫 製氷機はフィルターなしで安全か?

  • 衛生面で気をつけたい重要なポイント
  • フィルターを外すと起こるトラブルとは
  • 長期間使用するとどうなるかを解説
  • 他社の浄水器や対策グッズは使えるか
  • 安全に使い続けるための具体的な注意事項

衛生面で気をつけたい重要なポイント

衛生面で気をつけたい重要なポイント

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製氷機は水を扱う設備であるため、使用する上で衛生面の管理が極めて重要です。見た目には清潔に見える場合でも、給水タンクや配管の内部は湿度が高く、雑菌やカビが繁殖しやすい環境が整っていることを忘れてはいけません。

特に注意すべきなのは、「ヌメリ」と「黒ずみ」の発生です。これはバイオフィルムと呼ばれる雑菌の集合体で、目に見えるようになる頃にはすでに内部での繁殖が進んでいる可能性があります。ヌメリが発生すると、氷に異臭がつくことがあり、健康上も気になる要因となります。

また、塩素を含まない水(ミネラルウォーターや浄水器の水)を使っている場合は、さらに注意が必要です。こうした水は殺菌効果がないため、タンクやパイプに雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、通常の水道水使用時よりも頻繁な掃除が必要です。具体的には、3日に1回の清掃が求められます。忙しい生活の中でこの頻度を守るのは手間に感じるかもしれませんが、衛生管理のためには欠かせません。

清掃時には、タンクやパーツを水洗いするだけでなく、汚れがひどい場合は中性洗剤の使用も検討しましょう。ただし、洗剤はしっかりとすすぐ必要があります。洗い残しがあると、逆に氷に味やニオイが移ってしまうことがあるため注意が必要です。

また、製氷皿や貯氷ケースの清掃も忘れずに行いましょう。これらの部品は氷に直接触れるため、汚れが溜まっているとすぐに氷に影響します。取り外しが可能なモデルでは、年に1〜2回程度、丁寧に水洗いすることが推奨されています。

一方で、定期清掃を怠ると、氷にカビ臭がついたり、水垢がパイプに蓄積して機器不良を起こすリスクもあります。つまり、衛生管理の重要性は味やニオイの問題にとどまらず、冷蔵庫自体の健全な運転にも直結しているのです。

このように、自動製氷機の衛生管理にはこまめな清掃が不可欠です。とくに水道水以外の水を使う場合は、使用者が「フィルター代わりの清掃作業員」としての意識を持つことが求められます。手間はかかりますが、それによって毎日安心して使える氷を確保できると考えれば、非常に価値のある作業といえるでしょう。

フィルターを外すと起こるトラブルとは

フィルターを外すと起こるトラブルとは

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日立冷蔵庫の製氷機からフィルターを外して使用した場合、最も注意しなければならないのは「詰まり」や「故障」といった機械的なトラブルです。これらは徐々に進行する性質を持っており、ある日突然、氷ができなくなるという形で表面化します。

まず、フィルターの役割を改めて整理すると、それは水道水に含まれる微細なゴミやサビ、カルキ(塩素)などの不純物をろ過し、製氷機内部にそれらを通さないようにする“関所”のようなものです。これがないと、これらの不純物がそのまま給水パイプや製氷皿に入り込み、徐々に内部に蓄積されていきます。

特に問題になるのは、目に見えないほど細い給水経路や製氷皿の給水口部分です。不純物やミネラルがここに付着すると、水の流れが悪くなり、結果として氷の製造に時間がかかる、氷が小さくなる、氷の数が減るなどの症状が出始めます。さらに進行すれば、水が全く供給されず製氷できなくなるケースもあります。

加えて、これらの詰まりがポンプなどの関連部品に負荷をかけることで、モーターやセンサーなどの故障につながる可能性もあります。こうなると修理が必要となり、数千円から場合によっては1万円以上の費用がかかることも考えられます。

以下の表に、フィルターを外して使用した場合に起こり得るトラブルとその原因・症状をまとめました。

トラブル内容主な原因具体的な症状
給水経路の詰まりサビ・砂・ゴミなどがパイプに蓄積氷の量が減る/製氷に時間がかかる
製氷皿の目詰まり不純物やミネラルが固着氷が小さくなる/氷の形がいびつになる
給水ポンプの負荷増加水の流れが悪くなりポンプに負荷がかかる動作音が大きくなる/製氷動作が途中で止まる
モーター・センサーの故障関連部品の連続稼働による消耗製氷が全く行われない/エラー表示が出る

こうしたトラブルは、フィルターを使っていれば予防できるものが多く、つまりはフィルターを取り外すこと自体が、冷蔵庫にとって“防御機能を失う”ことに等しい行為だと言えます。

短期間では目立った問題が出ないかもしれませんが、時間が経つにつれて内部の状態は確実に悪化していきます。氷ができているからと安心せず、機器内部に見えない負担がかかっていることを意識して使用することが求められます。

長期間使用するとどうなるかを解説

長期間使用するとどうなるかを解説

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製氷機のフィルターを使わずに長期間使用し続けた場合、見過ごされがちなトラブルが徐々に積み重なっていきます。最初は「氷が作れるなら大丈夫」と思うかもしれませんが、水に含まれる不純物やミネラル分が内部に蓄積していくことで、やがて大きな問題へとつながるリスクがあります。

例えば、フィルターを通さずに水を供給すると、鉄サビや砂のような物質、また水中のミネラル成分(特に硬水の場合はカルシウムやマグネシウム)が、製氷機の内部に直接入り込みます。これが毎日積み重なることで、給水経路の詰まりや製氷皿周辺の固着が発生しやすくなります。これらは清掃だけでは完全に取り除くことが難しく、結果として部品の交換や修理が必要になるケースもあるのです。

さらに、内部に蓄積した汚れやスケールは目視で確認できない場所に発生するため、気づいたときにはすでに氷の味や形に違和感を感じる状態になっていることもあります。たとえば氷が白く濁る、味に雑味がある、あるいは時間が経つにつれて氷の生成スピードが落ちるといった症状が見られることがあります。

衛生面でも問題が出やすくなります。とくに塩素を含まない水を併用している場合は、雑菌やカビが繁殖しやすくなり、タンクやパイプ内にヌメリが発生するリスクが高まります。これを放置してしまうと、氷に異臭がついたり、健康に悪影響を及ぼす恐れも否定できません。

また、長期的にフィルターを使わずに運用したことで発生した不具合は、保証対象外になる可能性があります。これは取扱説明書に記載された推奨使用法に従っていないとみなされるためです。たとえ一時的にコストを削減できたとしても、数年後に冷蔵庫自体の寿命を縮めてしまうようなトラブルに発展すれば、むしろ出費は大きくなるでしょう。

このように、フィルターを外したまま数ヶ月~数年と使い続けることは、氷の品質だけでなく冷蔵庫全体の寿命や衛生状態にも大きな影響を与える可能性があります。目に見えない劣化ほど、取り返しのつかない事態になりやすい点を踏まえて、長期的視点での使用を考える必要があります。

他社の浄水器や対策グッズは使えるか

他社の浄水器や対策グッズは使えるか

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日立冷蔵庫の製氷機において、純正フィルターの代わりに他社製の浄水器や対策グッズを使用することは、コスト面や利便性を考えると魅力的に感じられるかもしれません。ただし、これにはいくつかの注意点があり、使い方を誤るとむしろ手間やリスクが増えてしまう場合があります。

まず、他社製の浄水器を通した水を給水タンクに入れるケースについて考えてみましょう。ポット型や蛇口直結型の浄水器を使えば、塩素や不純物を効果的に除去できることが期待されます。ですが、ここで見落としがちなのが「塩素の除去が衛生面に与える影響」です。塩素が除去された水は、給水タンクや配管内で雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、日立ではこのような水を使う場合には「3日に1回程度の清掃」を強く推奨しています。清掃を怠ると、氷に異臭がついたり、タンク内にカビやヌメリが発生するリスクが高まるため注意が必要です。

また、市販のミネラルウォーターを使用する際も同様に注意が求められます。硬度の高い硬水を使うと、カルシウムやマグネシウムが冷蔵庫内部に付着しやすくなり、詰まりやスケールの原因になります。したがって、使用できるのは「硬度100mg/L以下の軟水」に限られます。ミネラルウォーターの成分表示をしっかり確認することが重要です。

さらに、互換フィルターと呼ばれる非純正の交換フィルターも選択肢に入るかもしれません。これらは価格が安く、ネット通販などでも手軽に購入できる反面、品質やろ過性能にはばらつきがあるのが実情です。すべての互換フィルターが日立の製品仕様に適合するわけではなく、耐久性や除去能力が不明確な場合もあるため、選定には十分な注意が必要です。

下記の表に、各代替手段のメリット・デメリットを整理しました。

代替手段メリットデメリット・注意点
ポット型・蛇口型浄水器の水塩素・不純物を高精度で除去可能塩素がないため雑菌繁殖しやすく、3日に1回の清掃が必須
ミネラルウォーター味にクセが少なく、すぐ使える軟水でなければ使用不可。硬水は内部にスケールが溜まる恐れ
互換フィルター(非純正品)安価で手に入りやすいろ過性能や耐久性に差があり、品質保証がない場合もある
製氷機専用洗浄剤内部の汚れを効率よく洗浄できる定期清掃の補助であり、フィルター機能の代替にはならない

このように、他社製品や代替手段を使うことは不可能ではありませんが、それぞれにリスクや手間が伴います。とくに塩素を取り除く手段を使う場合は、衛生面の維持を完全にユーザー自身が管理する必要があります。純正フィルターは、こうした面倒な要素を最小限に抑えつつ、冷蔵庫本体に最適化された設計で作られているため、手間を省きたい人にとってはやはり安全な選択肢と言えるでしょう。

安全に使い続けるための具体的な注意事項

安全に使い続けるための具体的な注意事項

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日立冷蔵庫の製氷機能を安全に、かつ快適に長く使い続けるには、日々のメンテナンスや使用方法への理解が不可欠です。単に「氷が出るから問題ない」と考えるのではなく、見えない部分への配慮が大切です。

まず第一に意識したいのは、メーカーが推奨する使用条件を守ることです。具体的には、純正の浄水フィルターを使用し、定められた期間で交換することが基本となります。フィルターは3~4年ごとが交換目安ですが、水の使用量が多いご家庭では1~2年程度での交換も検討すべきです。また、氷にニオイがついたりフィルターに黒ずみが見られる場合は、目安に関わらず早めの交換をおすすめします。

さらに、水道水の使用が基本とされていますが、軟水のミネラルウォーターや浄水器の水を使いたいという方もいるでしょう。その際は、3日に1回の清掃を徹底することが前提となります。塩素が含まれていない水は雑菌が繁殖しやすく、衛生管理のハードルが上がります。この頻度を守れない方には、水道水+純正フィルターの組み合わせが最も現実的で安全な方法です。

また、定期的な清掃も不可欠です。給水タンク、フィルター設置部、製氷皿、貯氷ケースは、それぞれ決まった頻度での手入れが推奨されています。たとえば、水道水を使用している場合でも、週に1回のタンク清掃は必要ですし、製氷皿は年に1~2回を目安に取り外して洗浄することが望ましいとされています。さらに、多くの機種には「製氷おそうじ」機能が搭載されているため、これも定期的に活用しましょう。

安全面においても、異常に気づいたら早めに対処することが大切です。氷ができるスピードが遅い、サイズが小さい、色が濁っている、異臭がするなど、普段と違う点が見られたら、まずは清掃やフィルター交換を検討しましょう。改善しない場合は、無理せずメーカーや販売店に相談することが重要です。

このように、安全に使い続けるためには、使用ルールを守ることと日常的なメンテナンスを怠らないことが基本です。問題が発生してから対応するのではなく、「予防」の視点で管理していくことが、快適で安心な製氷ライフにつながります。

日立冷蔵庫の製氷機にフィルターは不要なのかを総括

記事をまとめました。

  • フィルターを外しても製氷機自体は稼働する
  • フィルターなしでは氷の味やニオイに影響が出やすい
  • 水道水中の不純物が氷に含まれやすくなる
  • 残留塩素によりカルキ臭が氷に残ることがある
  • フィルターは氷の透明度にも関係する
  • 不純物が内部に蓄積すると詰まりの原因となる
  • フィルターなしでは機械トラブルのリスクが増す
  • 掃除だけではフィルターの役割を完全に代用できない
  • 塩素を含まない水を使う場合は清掃頻度が高くなる
  • ミネラル分が多い水はスケールの原因になる
  • 日立は純正フィルターの使用と水道水を推奨している
  • 互換フィルターは安価だが品質にばらつきがある
  • 製氷機専用洗浄剤は補助的な役割で代替にはならない
  • 長期間フィルターなしで使うと故障や衛生問題が起こりやすい
  • 安全な使用にはフィルター管理と定期清掃の両立が必要