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毎日使う日立の洗濯機から不快な臭いがすると、洗濯自体が憂鬱になります。洗濯槽の奥深く、ビートウォッシュやビッグドラムといった人気モデル、あるいはドラム式特有の悩みかもしれません。乾燥機能を使った時の生乾き臭や、時には下水のようなドブ臭、さらには危険な焦げ臭いニオイまで、その原因は様々です。
この記事では、なぜ洗濯槽が臭ってしまうのか、その根本原因を探り、槽洗浄の適切な頻度から、各モデルや状況に応じた具体的な対策、そして万が一の焦げ臭い時の対処法や、購入後の返品の可能性に至るまで、日立洗濯機の臭いに関するあらゆる疑問に、分かりやすくお答えします。

- 日立洗濯機の臭いの主な原因
- ビートウォッシュやビッグドラム特有の対策
- 乾燥時や下水臭への対処法
- 焦げ臭い時の危険性と返品の可能性
日立洗濯機が臭い?考えられる原因と基本的な対策

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- なぜ洗濯槽は臭くなってしまうのか?
- 槽洗浄を行うべき適切な頻度とは?
- ビートウォッシュ特有のニオイ対策
- ビッグドラムの悪臭を解消する方法
- ドラム式洗濯機のニオイを改善する手順
なぜ洗濯槽は臭くなってしまうのか?

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洗濯槽から発生する不快な臭いは、決して一つの原因だけではありません。多くの場合、複数の要因が複雑に絡み合って、あの嫌な臭いを生み出しています。その主な原因を理解することが、効果的な対策への第一歩となります。
臭いの最大の原因は、洗濯槽の裏側などに発生・繁殖するカビです。洗濯槽は、洗濯による水分と適度な温度が保たれやすく、カビにとっては非常に居心地の良い環境なのです。
特に黒カビは、洗濯物に残る黒いカス(通称「ピロピロわかめ」)としても現れ、アレルギーの原因となる可能性も指摘されています。このカビの栄養源となるのが、洗剤の溶け残りや衣類の汚れが結合した「洗剤カス」や「石鹸カス」です。
洗剤や柔軟剤を多く使いすぎると、溶け残った成分が蓄積し、カビのエサとなります。水道水中のミネラル分と結合してできる石鹸カスは、さらに頑固な汚れとして付着します。
衣類に付着した皮脂、汗、食べこぼしといった有機的な汚れも、洗濯で完全に落ちきらずに残ると、カビや雑菌の栄養となります。これらの汚れをエサにして、「モラクセラ菌」などの雑菌が繁殖し、生乾き臭や雑巾のような臭いを発生させるのです。
以下に、洗濯槽の臭いの主な原因をリストアップします。
- カビの発生と繁殖:洗濯槽裏側の湿気と温度が原因。
- 洗剤カスと石鹸カスの蓄積:洗剤の過剰使用や溶け残りがカビのエサに。
- 皮脂汚れやたんぱく質汚れの残留:衣類からの有機汚れが栄養源。
- 雑菌の繁殖:カビや汚れをエサに、モラクセラ菌などが臭いを発生。
興味深いことに、「洗剤の使いすぎ」がカビの原因とされる一方で、「洗剤が少なすぎても汚れが落ちきらずカビの原因になる」とも言われています。これは、使用者にとって「適量」を見極めるのが難しいことを示しています。特に濃縮液体洗剤は、少量で効果があるため、つい多めに入れてしまいがちです。
洗濯機の構造も汚れの蓄積に関係します。縦型洗濯機では、ステンレス槽の外側や底面の裏、パルセーターの裏側などが汚れやすいポイントです。一方、ドラム式洗濯機では、ドアのゴムパッキン、洗剤投入ケース、排水フィルター、乾燥フィルターとその経路が、ホコリや水分、洗剤カスが溜まりやすく、カビの温床となりやすい箇所なのです。
洗濯機タイプ | 特に汚れやすい箇所 |
---|---|
縦型洗濯機 | ステンレス槽の外側、外槽の内側、底面裏、パルセーター裏 |
ドラム式洗濯機 | ドアパッキン、洗剤投入ケース、排水フィルター、乾燥フィルター/経路 |
これらの原因と構造を理解し、ご自身の使い方を見直すことが、臭い対策の基本となります。
槽洗浄を行うべき適切な頻度とは?

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洗濯槽を清潔に保ち、不快な臭いを防ぐためには、定期的な「槽洗浄」が欠かせません。では、一体どのくらいの頻度で行うのが最適なのでしょうか。その答えは、お使いの洗濯機やご家庭の状況によって異なりますが、基本的な考え方と効果的な方法を知っておくことが重要です。
一般的には、多くの洗濯機メーカーが1ヶ月に1回の槽洗浄を推奨しています。少なくとも2ヶ月に1回は実施することが望ましいとされています。もし洗濯物に黒いカスが付着しているのを見つけたら、それはカビが繁殖しているサインですから、推奨頻度に関わらず、すぐに槽洗浄を行いましょう。
日立の洗濯機をお使いの場合、特に「自動おそうじ」機能が搭載されているモデルであれば、この頻度を少し延ばすことが可能です。この機能は、毎回のお洗濯後に洗濯槽の裏側などを自動で洗い流してくれるため、汚れの蓄積を抑制する効果があります。
日立の公式情報によると、「自動おそうじ」機能を使っている場合は3~4ヶ月に1回、使っていない場合は1~2ヶ月に1回の槽洗浄が目安とされています。しかし、この機能はあくまで補助的なものです。これだけに頼らず、定期的な手動での槽洗浄を併用することが、洗濯槽を本当に清潔に保つための鍵となります。
また、ご家庭の状況によっても頻度は調整する必要があります。以下のリストを参考に、ご自身の状況に合わせて頻度を調整しましょう。
- 洗濯頻度・量:洗濯回数が少ない家庭は湿気がこもりやすく、多い家庭は汚れが蓄積しやすい。
- 使用洗剤の種類:粉末洗剤や香りの強い柔軟剤は残留しやすい。
- 住環境:梅雨時期や湿気の多い場所ではカビが繁殖しやすい。
槽洗浄に使うクリーナーには、「塩素系」と「酸素系」があります。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。
クリーナー種類 | 主成分 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|
塩素系 | 次亜塩素酸ナトリウム | 強力な殺菌・漂白力、短時間、メーカー推奨多 | 塩素臭(換気必須)、酸性タイプと混合厳禁 |
酸素系 | 過炭酸ナトリウム | 発泡力で汚れを剥がす、刺激臭少、効果が見える | 時間がかかる、ドラム式は注意、日立は非推奨 |
ここで非常に重要なのが、日立は公式に「酸素系漂白剤の使用を禁止している」という点です。泡が多量に発生し、故障や水漏れの原因になる可能性があるためです。
日立製洗濯機には、メーカー純正の塩素系クリーナー(SK-1500やSK-750)か、市販の塩素系クリーナーを使用するのが最も安全で確実です。必ず取扱説明書を確認し、適切なクリーナーと方法で、定期的な槽洗浄を実践しましょう。
ビートウォッシュ特有のニオイ対策

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日立の人気縦型洗濯機「ビートウォッシュ」は、その高い洗浄力で多くの家庭で愛用されています。しかし、その一方で、「ビートウォッシュ特有のニオイ」に悩む声も聞かれます。このニオイは、ビートウォッシュの構造的な特徴と深く関わっている可能性があります。
ビートウォッシュは、「ナイアガラ洗浄」に代表されるように、強力な水流を生み出すための独自の仕組みを持っています。この仕組みが高い洗浄力を実現する一方で、構造的に水や洗剤が行き届きにくい、あるいは汚れが溜まりやすい「デッドスペース」を生み出している可能性が指摘されています。具体的には、以下の箇所が挙げられます。
- ステンレス槽の外側(洗濯槽の裏側)
- 外槽の内側(ステンレス槽を覆うプラスチック槽の内壁)
- ステンレス槽の底面の裏側
- パルセーター(回転翼)の裏側や取り付け部分
- 水流を押し上げる部分や部品の隙間
これらの箇所に、溶け残った洗剤カス、皮脂汚れ、そして水分が滞留しやすく、カビや雑菌が繁殖する温床となりやすいのです。実際に、専門業者による分解洗浄の報告では、ヘドロ状の汚れや湿気を含んだホコリ、黒カビがびっしりと付着している様子が確認されています。
このビートウォッシュ特有のニオイに対処するには、いくつかの方法があります。最も根本的な解決策は、専門業者による分解洗浄です。洗濯槽やパルセーターを取り外し、普段は手の届かない部分を高圧洗浄機などで徹底的に清掃してもらうことで、長年蓄積した汚れを一掃できます。
日常的なメンテナンスとしては、定期的な槽洗浄が不可欠です。日立純正の洗濯槽クリーナー(SK-1500など)や衣類用の塩素系漂白剤を使用し、取扱説明書に従って槽洗浄コースを実行しましょう。特に分解清掃後は、取りきれなかった微細な汚れが浮き出る可能性があるため、1~2回追加で槽洗浄を行うことが推奨されています。
比較的新しいモデルに搭載されている「自動おそうじ」機能も、ニオイ対策に有効です。毎回の洗濯後に洗濯槽の裏側を自動で洗浄し、カビの発生を抑制します。
工場出荷時にはオフになっている場合もあるため、設定を確認し、積極的に活用しましょう。ただし、この機能はあくまで抑制するものであり、これだけに頼らず、手動の槽洗浄も併用することが重要です。
洗剤や柔軟剤の使用量を見直すことも一つの手です。柔軟剤はカビのエサになりやすいため、量を減らす、あるいは一時的に使用を控えてみるのも良いでしょう。洗濯物は溜め込まず、洗濯後はフタを開けて内部を乾燥させる、といった基本的な使い方も忘れてはいけません。
ビートウォッシュの構造は複雑で、ご自身での分解は非常に困難です。日常的なケアと、必要に応じた専門家の力を借りることが、快適な洗濯を続けるための鍵となります。
ビッグドラムの悪臭を解消する方法

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日立の大容量ドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」は、高機能で人気ですが、「洗濯物が臭い」「悪臭がする」といった悩みも聞かれます。これらの臭いは、ビッグドラムの機能や構造に関連する複数の原因が考えられます。
ビッグドラムから発生する臭いには、いくつかのパターンがあります。
- 洗えていない臭い・生乾き臭:Tシャツやタオルなどが、洗濯しても汚れや菌が落ちきらず、雑巾のような臭いが残る。
- 複雑な混合臭:「ポテチと濡れた犬」のような、表現しづらい強烈な悪臭。
- 糸くず・ホコリ残り:洗濯後に衣類やドアパッキンにゴミが残り、カビや雑菌の温床になる。
- 下水臭:乾燥時に排水トラップの封水が切れ、下水の臭いが逆流する。
日立独自の「ナイアガラ洗浄」は高い洗浄力を誇りますが、一部ではすすぎ不足やゴミ残りの原因になっているのではないかという声もあります。また、ヒートリサイクル乾燥方式などでは、乾燥時の熱風が排水トラップの封水を蒸発させ、下水臭の原因となることがあります。
これらの悪臭を解消するためには、以下の多角的な対策が必要です。
- 洗濯槽の徹底洗浄:メーカー推奨のドラム式用クリーナー(SK-750など)で定期的に槽洗浄を行います。
- フィルターのこまめな清掃:糸くずフィルター(排水フィルター)と乾燥フィルターは、目詰まりが悪臭の原因となるため、こまめに掃除します。
- 乾燥経路の清掃:可能であれば、乾燥フィルター奥のダクトも専用ブラシで掃除します。
- 洗剤・柔軟剤の見直し:適量を守り、すすぎ回数を増やす設定も試します。
- 洗濯コースの見直し:低温乾燥コースや、すすぎ回数の調整を試みます。
- 排水トラップの管理:乾燥時も水道の蛇口は開け、乾燥後は封水を確認し、必要なら水を補充します。
- 洗濯物の量の調整:詰め込みすぎは洗浄・乾燥不良の原因になります。
特に排水トラップの問題は、ビッグドラム特有の注意点です。水道の蛇口を開けておくこと、乾燥後に封水を確認することは、下水臭を防ぐために非常に重要です。これらの対策を試しても改善しない場合は、専門業者による点検や清掃も検討しましょう。
対策項目 | 具体的なアクション | 頻度/タイミング |
---|---|---|
槽洗浄 | メーカー推奨クリーナーで洗浄 | 1~4ヶ月に1回 |
糸くずフィルター清掃 | ゴミを取り除き水洗い | 1~2週間に1回 |
乾燥フィルター清掃 | ホコリを取り除く | 乾燥ごと |
排水トラップ管理 | 水栓を開ける、封水補充 | 乾燥時・乾燥後 |
洗剤量 | 適量を守る | 毎回の洗濯時 |
ドラム式洗濯機のニオイを改善する手順

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ドラム式洗濯機は、節水性が高く衣類に優しいというメリットがある一方で、その構造上、特有のニオイが発生しやすいという側面も持っています。日立製に限らず、ドラム式洗濯機のニオイを改善するためには、原因となりやすい箇所を特定し、正しい手順で清掃することが重要です。
ドラム式洗濯機で特にニオイの原因となりやすいのは、主に以下の3箇所です。これらの箇所を定期的に清掃することで、ニオイを大幅に改善できます。
- ドアパッキン:
- 役割:洗濯物の出し入れ口にあるゴム製の部品。
- 問題点:複雑な溝やひだに、ホコリ、髪の毛、洗剤カス、水分が溜まりやすく、カビの温床となる。
- 清掃手順:
- ゴミの除去:ブラシや布で挟まっているゴミを取り除く。
- 水拭き:固く絞った雑巾で、溝やひだを丁寧に拭く。
- カビ取り:カビがある場合は、泡タイプの塩素系漂白剤を塗布し、指定時間放置。
- 徹底した拭き取り:漂白剤が残らないよう、何度も水拭きする。(残留はゴム劣化の原因)
- 頻度:1~2ヶ月に1回。
- 洗剤投入ケース:
- 役割:洗剤や柔軟剤を入れるケース。
- 問題点:ケースやその奥に、洗剤カスが固化したり、ヌメリやカビが発生したりする。
- 清掃手順:
- 取り外し:取扱説明書に従い、ケースを本体から外す。
- つけ置き洗い:ぬるま湯につけて汚れを浮かす。
- こすり洗い:歯ブラシなどで隅々まで洗う。
- 本体側の清掃:ケースを外した奥の部分も拭き掃除する。
- 乾燥:よく乾かしてから元に戻す。(湿気はカビの原因)
- 頻度:1ヶ月に1回程度。
- 排水フィルター(糸くずフィルター):
- 役割:洗濯中に出る糸くずやゴミをキャッチする。
- 問題点:詰まると排水不良や悪臭の原因となる。
- 清掃手順:
- 準備:水がこぼれる可能性があるので、受け皿を用意する。
- 取り外し:取扱説明書に従い、フィルターを外す。
- ゴミ除去:溜まったゴミを取り除き、フィルターを水洗いする。
- 本体側の清掃:フィルター取り付け部も掃除する。
- 取り付け:よく乾かしてから確実に取り付ける。(水漏れ注意)
- 頻度:1~2週間に1回。
これらの箇所別清掃に加えて、日常的な予防策も非常に重要です。洗濯が終わったらすぐに洗濯物を取り出し、ドアを少し開けて内部を乾燥させましょう。脱いだ衣類を洗濯槽に入れっぱなしにせず、通気性の良いカゴに入れる習慣も大切です。そして、洗剤や柔軟剤は必ず適量を守りましょう。これらの定期的な清掃と日常の心がけを組み合わせることで、ドラム式洗濯機特有のニオイを大幅に改善し、快適な洗濯環境を保つことができます。
日立洗濯機の臭いを解消する具体的なモデル・状況別対策
- 乾燥機能を使うと臭う時の対処法
- ドラム式から下水のようなニオイがする原因
- 急にドブ臭くなった場合のチェックポイント
- 洗濯機から焦げ臭いニオイがしたら?
- 購入後にニオイで返品はできるのか?
乾燥機能を使うと臭う時の対処法

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洗濯から乾燥まで一台でこなせる日立の洗濯乾燥機は非常に便利ですが、乾燥機能を使った際に「なんだか臭う…」と感じることがあります。この臭いには、いくつかの原因が考えられ、それぞれに適した対処法が存在します。
まず考えられるのは、新品特有の臭いです。購入直後の洗濯機は、内部の部品に使われている潤滑油やゴム、接着剤などが乾燥時の熱によって気化し、機械的な臭いを発生させることがあります。これは故障ではなく、通常は数回から十数回、乾燥運転を行ううちに自然と薄れていきます。気になる場合は、以下の対策を試してみてください。
- 空運転:洗濯物を入れずに乾燥運転のみを数回繰り返す。
- 換気:乾燥中は部屋の換気を十分に行う。
- メーカー推奨の槽洗浄:取扱説明書を確認し、初期の槽洗浄を行う。
次に多いのが、乾燥フィルターの目詰まりです。乾燥時には多くの糸くずやホコリが発生し、これらがフィルターに溜まります。清掃を怠ると、湿ったホコリがカビや雑菌の温床となり、生乾き臭やカビ臭の原因となります。乾燥運転後は毎回、必ず乾燥フィルターのホコリを取り除く習慣をつけましょう。
さらに、乾燥フィルターを通り抜けたホコリが、内部の乾燥経路(ダクト)に蓄積することもあります。ここに溜まったホコリが湿気を含むと、乾燥のたびに温風に乗って悪臭を放ちます。市販の専用ブラシで手の届く範囲を掃除することも可能ですが、内部の部品を傷つけないよう注意が必要です。根本的な解決には、専門業者による分解清掃が必要な場合もあります。
洗濯物自体の汚れ残りや、洗濯槽自体のカビ・汚れも、乾燥時の熱によって臭いを増幅させることがあります。洗剤の適量使用や、定期的な槽洗浄を心がけましょう。
そして、特に日立のビッグドラム(ヒートリサイクル式や空冷除湿方式)で見られるのが、排水トラップの乾燥による下水臭の逆流です。乾燥時の熱風が排水トラップの封水(下水の臭いを防ぐ水)を蒸発させてしまうことが原因です。これを防ぐには、乾燥運転時も必ず水道の蛇口を開けておくことが基本です。
機種によっては乾燥後に自動で注水する機能がありますが、これが働かない場合や、封水が減っている場合は、手動でコップ1杯程度の水を排水口に注ぎ、封水を補充しましょう。一部の機種では、乾燥方式を「水冷除湿」に切り替えることで、下水臭の逆流を抑制できる場合もあります。取扱説明書を確認し、設定変更を検討してみてください。
これらの原因を理解し、フィルター清掃、槽洗浄、排水トラップの管理といった基本的なメンテナンスを徹底することが、乾燥時の臭いを防ぐための鍵となります。
ドラム式から下水のようなニオイがする原因

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ドラム式洗濯機から、まるで排水口の奥から上がってくるような、不快な下水のニオイがすることがあります。これは洗濯機本体の故障というより、多くの場合、排水システムやその周辺環境に原因があります。この問題を解決するためには、まず原因を正しく理解することが大切です。
最も一般的な原因は、排水口に設置されている「排水トラップ」の異常、特に「封水切れ」です。排水トラップは、排水管の途中にS字やP字、椀(わん)型などのカーブを設け、そこに常に「封水」と呼ばれる水を溜めておくことで、下水管からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ役割をしています。この封水が何らかの理由でなくなってしまうと、下水の臭いがダイレクトに室内に上がってきてしまいます。
封水が切れる主な原因は以下の通りです。
- 長期間の不使用:封水が自然蒸発する。
- 乾燥機能の使用:熱風によって封水が蒸発する(特に空冷除湿・ヒートリサイクル式)。
- サイホン現象:大量排水時に封水が吸い出される。
- 毛細管現象:髪の毛などを伝って封水が流れ出る。
- 排水トラップ自体の問題:設置不良、破損、椀のズレなど。
次に考えられるのは、「排水ホース」の問題です。ホース内部に洗剤カスや糸くず、カビなどがヘドロ状に蓄積して悪臭を放ったり、ホースが折れ曲がったりたるんだりして汚水が滞留し、臭いの原因となっていることがあります。
さらに、「排水口自体」の汚れや詰まりも原因となります。排水トラップの部品や排水口周辺に髪の毛や糸くず、石鹸カスなどが溜まり、腐敗したりカビが繁殖したりして、強烈なドブのような臭いを発生させるのです。
これらの下水臭に対処するには、まず排水トラップを確認し、封水が切れていればコップ1~2杯の水を注いで補充します。乾燥機能使用後に臭う場合は、乾燥後も封水が残っているか確認し、水道の蛇口が開いているか、自動注水機能が働いているかを確認しましょう。
次に、排水ホースを取り外して内部を清掃、または劣化していれば交換します。そして、排水口と排水トラップの部品を分解し、ブラシやパイプクリーナーを使って徹底的に掃除します。これらの作業を行う際は、ゴム手袋を着用し、換気を十分に行いましょう。もし排水トラップ自体に問題がある場合は、専門の水道業者に相談することが必要です。
原因 | 確認・対処法 |
---|---|
排水トラップの封水切れ | 内部を確認し、水を補充する。乾燥時の水栓開閉を確認。 |
排水ホースの汚れ/詰まり | 取り外して清掃または交換する。適切な設置を確認。 |
排水口の汚れ/詰まり | 部品を分解し、ブラシやパイプクリーナーで清掃する。 |
急にドブ臭くなった場合のチェックポイント

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昨日までは何ともなかったのに、洗濯機から急にドブのような強烈な臭いがする場合、それは何らかのトラブルが発生したサインかもしれません。ゆっくりと悪化するカビ臭とは異なり、「急な」臭いは、排水系統のトラブルや、洗濯槽内の急激な変化を示唆していることが多いです。慌てずに、以下のチェックポイントを順に確認してみましょう。
真っ先に確認すべきは、排水口と排水トラップです。ここが原因である可能性が最も高いです。
- 部品のズレ・破損:排水トラップのフタや内部の椀(わん)がズレていませんか? ズレていると下水臭が直接上がってきます。
- 封水の有無:排水トラップに水は溜まっていますか? 乾燥機能の長時間使用や、数日家を空けた後などは、封水が蒸発してなくなっている可能性があります。
- ゴミの急な詰まり:大きなゴミやヘドロが急に詰まっていませんか? これが水の流れを妨げ、腐敗臭の原因になります。
次に、排水ホースを確認します。
- 折れ曲がり・潰れ:ホースが家具などに圧迫されて、排水の流れが悪くなっていませんか?
- 内部の詰まり:毛布などを洗った後の大量の糸くずや、ポケットに入っていたティッシュなどが詰まっていませんか?
洗濯槽内部も見てみましょう。
- 異物の残留:洗濯物と一緒に洗った雑巾などが、取り残されていませんか? 湿ったまま放置されると急激に臭います。
- 最近の洗濯状況:泥汚れのひどいものや、普段と違う洗剤を使ったりしませんでしたか?
- 長期間不使用後の再開:旅行後など、久しぶりに使うと雑菌が急繁殖していることがあります。
糸くずフィルター(排水フィルター)もチェックポイントです。
- ゴミの満杯:フィルターがゴミでいっぱいになっていませんか? 排水不良を引き起こし、臭いの原因となります。
最後に、洗濯機周辺も確認します。
- 洗濯パンの汚水:洗濯パンの排水口が詰まり、汚水が溜まっていませんか?
- 他の水回り:浴室や洗面台など、他の場所でも同じ臭いがしませんか? 家全体の排水系統の問題かもしれません。
「急に」臭くなった場合、排水トラップの封水切れや急な詰まりが原因であることが多いです。まずは、排水トラップに水を注いでみて、臭いが収まるか試してみましょう。それでも改善しない場合は、排水口や排水ホース、洗濯槽の清掃を行います。
パイプクリーナーや洗濯槽クリーナーを使った本格的な清掃が必要です。もし、ご自身での対処が難しい場合や、原因が特定できない場合は、無理をせず専門の水道業者や洗濯機修理業者に相談することが賢明です。
洗濯機から焦げ臭いニオイがしたら?

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洗濯機から、普段とは明らかに違う「焦げ臭い」ニオイがした場合、それは非常に危険なサインです。単なる不快な臭いとは異なり、洗濯機内部で深刻な異常が発生している可能性が高く、最悪の場合、火災や感電事故につながる恐れがあります。絶対に見過ごさず、直ちに適切な対処を行う必要があります。
焦げ臭いニオイの原因として考えられるのは、主に以下の通りです。
- モーターの異常・過熱:経年劣化や故障による発熱。
- ベルトの劣化・摩耗・空回り:ゴムが摩擦熱で焦げる。
- 内部基板の故障・ショート:部品や配線が溶ける、焦げる。
- 異物の混入と摩擦熱:硬貨やヘアピンなどが挟まり、摩擦で発熱・発火。
- ヒーター線の異常(乾燥機能付き):ホコリ付着による燃焼やヒーター故障。
- 電源コード・プラグの異常発熱:接触不良などによる発熱。
もし洗濯機から焦げ臭いニオイがしたら、以下の対処法を必ず、そして直ちに実行してください。これは火災などを防ぐための絶対的な手順です。
- 直ちに使用を中止する:たとえまだ動いていても、すぐに運転を停止し、電源をオフにしてください。
- 電源プラグをコンセントから抜く:感電や火災のリスクを避けるため、必ず電源プラグを抜いてください。
- 換気を行う:室内に臭いや煙がこもらないよう、窓を開けるなどして十分に換気してください。
焦げ臭いニオイが発生した場合、その原因は内部の深刻なトラブルである可能性が極めて高いです。絶対に自分で分解したり、内部を触ったりしないでください。感電やさらなる故障、怪我のリスクがあります。
行うべきことは、お買い上げの販売店、または日立の修理相談窓口に連絡し、点検・修理を依頼することです。メーカー保証期間内であれば、まずは購入店や日立のサポートセンターに相談しましょう。保証期間が過ぎている場合は、信頼できる家電修理の専門業者に相談します。
その際、洗濯機の型番や購入時期、そして「いつから、どのような焦げ臭いニオイがするか」といった状況を詳しく伝えることが重要です。「少し様子を見よう」という判断は絶対に避け、専門家による診断を仰いでください。これは、他の臭いとは危険度が全く異なる、緊急性の高いトラブルであることを強く認識する必要があります。
購入後にニオイで返品はできるのか?

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新品の日立製洗濯機を購入したのに、気になるニオイがする。あるいは、使っているうちに取れない悪臭に悩まされ、「返品したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、家電製品、特に「ニオイ」を理由とした返品は、一般的に簡単ではありません。
まず、家電量販店の返品・交換ポリシーを見てみると、多くの店舗では、顧客都合による返品は「未開封・未使用」であることが条件であり、期間も商品到着後8日以内などと限られています。一方で、「初期不良」と判断されれば、より長い期間(例えば30日以内)での返品・交換に応じてくれる可能性が高まります。
問題は、「ニオイ」がこの「初期不良」として客観的に認められるかどうかです。購入直後の機械油やゴムの臭いは「新品特有の臭い」として、ある程度は許容範囲と見なされることが多く、使用とともに軽減していくと説明されるのが一般的です。
日立のメーカー側のスタンスとしては、公式オンラインストアでは、リファービッシュ品(再生品)に関して「汚れなどの外観や臭いなどは保証対象外」と明記している例もあり、「ニオイ」に対する厳しい姿勢がうかがえます。ただし、焦げ臭いなどの「異臭」は、危険を伴う可能性があるため、直ちに点検を依頼するよう案内しています。
過去のユーザー体験談を見ると、可能性はゼロではありません。価格.comの掲示板には、日立製洗濯機の乾燥時の下水臭がひどく、サービスマンが原因を特定できなかったものの、購入した販売店に強く訴え、返品・返金が認められたという事例があります。
また、SNSでは、保証期間が過ぎていても、メーカー側が製品の構造的な問題を認識していたために返金されたケースや、販売店の判断で他メーカー品に交換してもらえたという報告も見られます。
これらの事例からわかるように、返品を実現するためには、そのニオイが単なる主観的な不快感ではなく、「製品の基本的な機能を著しく損なっている」または「実質的に使用不可能である」といった客観的な不具合であることを、具体的に示す必要があります。以下のリストのような点を記録し、具体的に訴えることが重要です。
- いつから、どのようなニオイが発生しているか。
- どのような対策(槽洗浄、フィルター清掃など)を試したが改善しなかったか。
- 洗濯物にニオイが付着し、着用できないなど、生活への支障度合い。
メーカーのサービスマンによる点検を受け、その際の診断結果や見解を書面でもらっておくのも有効でしょう。
もし、販売店やメーカーとの交渉で解決しない場合は、第三者機関である以下の窓口に相談することもできます。
- 家電製品PLセンター:家電製品の事故や品質に関する相談、紛争解決をサポート。
- 国民生活センター・消費生活センター:商品やサービスに関する苦情や問い合わせに対応。
諦める前に、これらの窓口に相談してみる価値はあります。
日立洗濯機の臭い、ドラム式・乾燥時の原因と対策を総括
記事をまとめました。
- 日立洗濯機の臭いはカビが主原因
- 洗剤カスや皮脂汚れも栄養源
- 雑菌繁殖が生乾き臭を発生
- 洗濯槽裏側はカビの温床
- 縦型は底面裏も汚れやすい
- ドラム式はドアパッキンに注意
- 洗剤投入ケースもカビやすい
- 排水フィルターはこまめに清掃
- 乾燥フィルターのホコリは臭う
- ビートウォッシュは構造的に注意
- ビッグドラムは排水トラップが鍵
- 乾燥時は封水切れに注意
- 下水臭は排水トラップを確認
- 焦げ臭い時は即使用中止
- 返品は初期不良認定が鍵