三菱冷蔵庫の自動製氷機を使っている方の中には、「専用のフィルターは本当に必要なのか」「もっと安い代用品でも問題ないのでは?」と疑問を持つ方も少なくありません。特に「三菱冷蔵庫 製氷機 フィルター 代用」と検索している方は、純正品と比べて安価な製品や、手元にある浄水器のパーツなどで代用できるかどうかを検討しているのではないでしょうか。

しかし、安易な選択にはリスクも潜んでいます。例えば、氷の味や臭いに影響は出るのか、フィルターがないと起こる衛生上の問題があるのかといった不安は見逃せません。また、価格が安い製品に潜むリスクとは何か、そもそも浄水器のパーツを使っても大丈夫なのかという点も重要な判断材料です。

さらに、ネットで買える代用品の実態を探ることで、思わぬトラブルの予防にもつながります。故障や不具合につながる恐れはないか、性能や安全性は純正品と同じか、保証が無効になるケースを確認しようといった視点も欠かせません。そして、サイズや素材が合っているか見極めることや、長期間の使用で起こるかもしれない問題まで、慎重な検討が必要です。

本記事では、こうした不安や疑問に対して丁寧に解説しながら、製氷機フィルターを代用する際の注意点や選び方のポイントをわかりやすくお伝えします。安心して氷を使い続けるために、ぜひ参考にしてみてください。

  • 代用フィルター使用時の氷の味や臭いの変化
  • フィルター未使用による衛生面と故障リスク
  • ネットで買える代用品の品質や適合性の違い
  • 純正品と代用品の性能・安全性・保証面の差

三菱冷蔵庫のフィルター代用は本当に可能か?

三菱冷蔵庫のフィルター代用は本当に可能か?

おうち家電ラボ・イメージ

  • 氷の味や臭いに影響は出るのか
  • フィルターがないと起こる衛生上の問題
  • 価格が安い製品に潜むリスクとは
  • 浄水器のパーツを使っても大丈夫?
  • ネットで買える代用品の実態を探る

氷の味や臭いに影響は出るのか

氷の味や臭いに影響は出るのか

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氷の味や臭いは、使う水や冷蔵庫の状態によって想像以上に変わります。とくに三菱冷蔵庫の自動製氷機で「フィルターなし」または「代用品」を使用する場合、その影響は無視できません。見た目には透明な氷でも、実際に口に含んだときに「水道水っぽい」「独特のにおいがする」と感じた経験がある方もいるかもしれません。

なぜこうした変化が起こるのでしょうか。その大きな原因の一つが「カルキ(塩素成分)」です。水道水には殺菌のために塩素が含まれており、そのまま製氷に使うと、氷に独特の臭気や苦みが残る場合があります。三菱純正の製氷機フィルターは、このカルキや微細な不純物を取り除くために活性炭などのろ材を使っています。一方で、非純正の互換フィルターや代用品では、こうした除去性能が十分でない製品も存在します。

さらに、水道水に含まれる金属イオンや細かなごみなども、氷の見た目や口当たりに悪影響を与える可能性があります。透明度が落ちて白く濁ったり、氷の中に小さな浮遊物が見えたりすることもあります。これらは味の変化と同時に、見た目の清潔感にも関わる問題です。

以下は、フィルターの種類や状態と氷の品質の関係をまとめた一覧です。

使用するフィルターの状態味の変化臭いの変化見た目の変化備考
純正フィルター(正常)ほぼ無味無臭臭いなし透明に近い最も安定した品質
純正フィルター(劣化)わずかに苦みカルキ臭が残るやや濁る交換推奨タイミング
非純正フィルター(高品質)気にならないやや残る場合あり白っぽいことも性能差が製品により異なる
非純正フィルター(粗悪品)味が悪い強い臭いがする白濁・浮遊物あり使用は慎重に
フィルターなし苦みが出るカルキ臭が強い濁り・異物混入衛生面も不安定

このように、氷の品質はフィルターの有無だけでなく、その種類や状態によって大きく左右されます。とくに家族や来客に氷を出す機会がある家庭では、目に見えない品質の違いが印象に直結することもあるため、安易な代用品使用は慎重に検討すべきです。

フィルターがないと起こる衛生上の問題

フィルターがないと起こる衛生上の問題

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製氷機から作られる氷を清潔に保つためには、フィルターの存在がとても重要です。とくに三菱冷蔵庫の製氷機は、内部で水をろ過しながら氷を生成する仕組みのため、フィルターがなければ雑菌や微粒子が直接製氷経路に入り込むリスクが高まります。

本来、フィルターは水道水中の微細なゴミやカルキなどを除去する役割だけでなく、製氷ユニット内の環境を清潔に保つ補助的な機能も果たしています。しかし、このフィルターが存在しない、または長期間交換されずに機能が著しく低下していると、内部にカビやヌメリといった汚れが発生しやすくなります。

その理由の一つが、給水タンクやその周辺が常に湿っており、細菌にとって繁殖しやすい環境になっている点です。湿度と温度が適切に保たれている製氷機内では、ちょっとした汚れでも数日で広がる可能性があります。特にタンクやパイプ、フィルターまわりの部品は、放っておくとピンク色のぬめり(ロドトルラ菌など)が発生することもあります。

加えて、雑菌やカビが繁殖してしまうと、最終的にそれらが氷へと混入するリスクも無視できません。肉眼では見えなくても、氷に付着していた雑菌が飲み物に溶け出し、体内に入る可能性があると考えると、不衛生な氷を使うことの怖さが実感できるはずです。

さらに問題なのは、カビやスライム状の汚れが配管内で詰まりを引き起こすことです。これにより製氷が遅くなったり、異音がする、氷がうまく剥がれないといった故障の前兆が現れることもあります。機械のトラブルだけでなく、健康への影響という観点からも、フィルターの使用と定期的なメンテナンスは欠かせません。

このように考えると、フィルターを使わないという選択肢には、コスト削減以上に大きなリスクが伴うことが分かります。家庭で安心して氷を使うためにも、最低限の衛生管理は常に意識しておく必要があります。

価格が安い製品に潜むリスクとは

価格が安い製品に潜むリスクとは

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製氷機フィルターを交換する際、「価格が安いから」という理由で互換品や代用品を選ぶ方も少なくありません。確かに、純正品に比べて数百円から購入できる互換フィルターは魅力的に感じるでしょう。しかし、その安さの裏には見落としがちなリスクが潜んでいるのも事実です。

まず、最も多い問題が「寸法や形状のわずかな違い」です。一見似ているようでも、取り付け部分のサイズがわずかに違えば、タンクにうまくフィットしなかったり、隙間ができて水漏れが発生したりすることがあります。これにより、給水タンク内の水が正しくフィルターを通らずに製氷機に流れ込み、本来の浄水機能が果たされなくなる恐れがあります。

また、安価な互換品は、ろ材の品質や量にも大きな差があります。活性炭の質が低い、あるいは使用されているポリエステルや不織布の層が不十分である場合、カルキや不純物を十分に除去できないことがあります。すると、氷の味や臭いが改善されないだけでなく、フィルターを通った水の中に微細な汚れが残ったまま製氷機へと流れ込み、衛生面のトラブルを引き起こす可能性も否定できません。

さらに、安全性についても懸念が残ります。純正フィルターは食品衛生法に基づいて、安全性の高い素材を使用しています。一方で、安価な製品ではそのような基準に準拠しているかが不明な場合も多く、万が一、有害な物質が水に溶け出すようなことがあれば健康被害に繋がる恐れもあります。

以下に、純正品と安価な代用品における主な違いを比較した表を示します。

比較項目純正フィルター安価な互換品
価格帯約1,000〜1,500円約300〜800円
寸法精度高い製品によってばらつきあり
ろ材の質高品質な活性炭使用質・量ともに不明な場合あり
安全性食品衛生法に準拠表記なし・保証なしが多い
メーカー保証適用されやすい保証対象外となる可能性大

このように、価格だけを基準に選んでしまうと、結果的に氷の品質を損ない、製氷機の故障リスクを高めることになりかねません。少しの出費を惜しんだことで、数万円規模の修理費用がかかる可能性もあります。コストだけでなく、長期的な安全性や冷蔵庫本体への影響まで見据えた判断が大切です。

浄水器のパーツを使っても大丈夫?

浄水器のパーツを使っても大丈夫?

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家庭用のポット型浄水器や蛇口に取り付ける浄水カートリッジは、手軽に水の味を良くする便利なアイテムです。そのため、「このフィルターを三菱冷蔵庫の製氷機でも使えないか?」と考える人もいるかもしれません。しかし、構造や用途の違いから、この使い方は基本的におすすめできません。

まず大きな違いは、設計された用途です。市販の浄水器カートリッジは、開放系で水を通すことを前提に作られています。一方、冷蔵庫の製氷機フィルターは密閉された給水タンク内に設置され、限られたスペースで一定の流速と圧力で水が流れるよう設計されています。したがって、家庭用浄水器のカートリッジを製氷機に物理的に組み込もうとすると、サイズや形状が合わず、無理な加工が必要になったり、水が正しく流れなくなったりする可能性があります。

また、たとえ一見うまく装着できたとしても、安全性の面で問題が生じることがあります。浄水器用のカートリッジは高温・湿気の影響を受けにくい環境での使用が前提です。それに対して、冷蔵庫内では温度変化があり、部品が凍結・解凍を繰り返すことになります。こうした環境変化に耐えられない素材を使っている場合、内部で破損し、異物が氷に混ざる危険性もあります。

もし「浄水器を使って水をろ過してから、製氷タンクに注ぐ」という方法であれば、それは一つの選択肢ではあります。実際にカルキ臭を減らすためにこの方法を取り入れている家庭もあります。ただし、その場合でも冷蔵庫内のフィルター機能は無効化されるわけではなく、タンクから氷になるまでの間に菌や不純物が入り込むリスクは残ります。

このように、浄水器のカートリッジはそのまま製氷機用として流用するのに適していません。冷蔵庫メーカーも、指定のフィルターを使う前提で設計しているため、無理な代用は避けるべきです。製氷機の仕組みや環境に合った製品を正しく使用することが、故障や衛生トラブルを防ぐための基本になります。

ネットで買える代用品の実態を探る

ネットで買える代用品の実態を探る

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現在では、三菱冷蔵庫の製氷機フィルターに対応する代用品が多数ネット通販で販売されています。特にAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手サイトでは、「純正品互換」や「対応型番あり」と記載された商品が手頃な価格で手に入り、レビュー数も多い傾向にあります。しかし、それらの代用品が本当に安心して使えるかどうかは、見た目や価格だけでは判断が難しいのが実情です。

まず注目すべきなのは、商品の説明に記載された「対応型番」と「サイズ情報」です。製氷機フィルターは製品ごとに微妙に寸法や接続構造が異なります。したがって、型番が完全に一致していない商品は、取り付けに工夫が必要になったり、水漏れの原因になる可能性があります。レビューにも「カットして調整した」「タンクにはまらず返品した」という声が散見されるのが現状です。

また、フィルターの素材に関する情報も見逃せません。多くの代用品は「活性炭+不織布」や「ポリエステル+活性炭」といった組み合わせで構成されていますが、その品質には大きなばらつきがあります。特に安価な製品では、活性炭の粒度や量が明記されていないことも多く、浄水性能が純正品と同等である保証はほとんどありません。

もう一つの懸念点は、安全性に関する第三者認証の有無です。信頼できるフィルターであれば、NSF認証や食品衛生法準拠の表記があることが多いですが、格安の代用品にはそうした記載がない場合もあります。これにより、長期的な使用で水質に悪影響が出るリスクを完全には否定できません。

以下は、ネット通販でよく見かける代用品と純正品の特徴を比較した表です。

項目純正フィルター互換フィルター(高評価品)互換フィルター(格安品)
価格帯1,000〜1,500円500〜900円300〜500円以下
対応型番明確に記載対応型番明記あり曖昧な記載や非対応型番含む
素材情報明記あり、信頼性高表示されているが詳細不明素材不明、記載なしも多い
安全性認証あり(食品衛生法など)一部記載ありなし、または根拠不明
寸法・装着感高精度で安定合うが多少のズレあり合わない例が複数報告あり
ユーザーレビュー安定評価、信頼性重視コスパ良好だが当たり外れありサイズ不適合や性能不安の声多数

このように、ネット上には魅力的に見える代用品があふれていますが、性能や安全性、適合性を冷静に見極めることが重要です。価格だけで選んでしまうと、結果的にトラブルや再購入につながる可能性があるため、レビューだけでなく商品説明の細部まで確認することが欠かせません。

三菱冷蔵庫に代用品を使う前の注意点

  • 故障や不具合につながる恐れはないか
  • 性能や安全性は純正品と同じか
  • 保証が無効になるケースを確認しよう
  • サイズや素材が合っているか見極める
  • 長期間の使用で起こるかもしれない問題

故障や不具合につながる恐れはないか

故障や不具合につながる恐れはないか

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三菱冷蔵庫の製氷機に代用品フィルターを使うことで、故障や動作不良につながるケースは十分に考えられます。とくに冷蔵庫という家電製品は、細かい部品が連動して動作しており、一つのパーツが正常に機能しないだけでも不具合を引き起こす可能性があります。

最もよく見られるトラブルの一つが、給水経路での目詰まりです。安価な互換フィルターでは、ろ材の目が細かすぎて水の通りが悪くなり、結果として製氷スピードが極端に遅くなることがあります。また、内部の構造が粗雑な製品では、フィルター内の活性炭が流出し、細かい炭の粒が配管に詰まってしまうという事例も報告されています。

さらに、寸法の不一致による問題も無視できません。冷蔵庫のフィルター収納部に完全に収まらないフィルターを無理に押し込むと、接続部に圧力がかかり、パッキンがゆがんで水漏れを起こす可能性があります。こうした水漏れが基板などの電子部品に達してしまうと、冷蔵庫全体の動作不良や感電のリスクにもつながる恐れがあります。

また、センサーが水の流れを正しく感知できなくなり、「給水エラー」や「製氷エラー」といったエラー表示が出ることもあります。このようなエラーが頻発すると、自動製氷機能が停止するだけでなく、冷蔵庫のメインユニットに異常信号が送られてしまうことがあるため、結果的にメーカー修理が必要になるケースもあります。

問題なのは、こうしたトラブルが発生した場合、代用品を使用していたことが原因だと判断されると、保証対象外になるという点です。取扱説明書やメーカーの保証規定には、「指定部品以外の使用による不具合は保証外」と明記されていることが多く、修理費用が全額自己負担となることも珍しくありません。

製氷機は日々繰り返し動作するため、わずかな負荷や不具合でも長期的に見れば大きな損傷につながります。こう考えると、代用品の使用はコスト面では魅力があっても、冷蔵庫本体の故障リスクや修理費のリスクを伴う「見えにくいコスト」として捉える必要があると言えるでしょう。安さだけに惹かれて選ぶのではなく、信頼できる製品かどうかを慎重に見極めることが大切です。

性能や安全性は純正品と同じか

性能や安全性は純正品と同じか

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価格の安さや入手しやすさから、互換フィルターを検討する方は少なくありません。しかし、多くの人が気になるのが「純正品と同じように使えるのか?」という点でしょう。見た目が似ていても、性能や安全性は大きく異なることがあります。特に製氷機フィルターは、水道水に直接触れ、氷として口に入るため、性能と同じくらい安全性にも注意が必要です。

性能面では、ろ過能力に大きな差が見られます。純正フィルターは、メーカーが指定した水質条件に基づき、カルキ(塩素)や微細な不純物を除去するよう設計されています。一方で、代用品や互換品の中には、こうした除去機能が十分でないものや、仕様が明確に表示されていないものもあります。その結果、氷にカルキ臭や苦味が残ったり、濁りが生じることもあります。

さらに、ろ材の質や構造によって、水の流れ方が変わるケースもあります。例えば、通水量が足りないと製氷に時間がかかる、逆に流れすぎると不十分なろ過になる、といった問題が起こる可能性があります。加えて、使用する素材の違いから、活性炭の粉末が漏れたり、ろ材が崩れるといった不具合が報告されることもあります。

安全性に関しては、純正品は食品衛生法に準拠した素材が使用され、衛生面でも高い管理基準を満たしています。対して、互換フィルターでは素材の出所や品質基準が不明な場合があり、長期間使用した際の安全性に疑問が残る製品も存在します。また、安価な代用品では第三者機関の認証(たとえばNSF認証など)がないケースが多く、安全性を裏付ける情報に乏しいことも問題です。

以下の表では、純正フィルターと互換品の主な違いをまとめています。

比較項目純正フィルター一般的な互換フィルター
ろ過性能カルキ・不純物の除去に最適化製品によって差が大きい
素材の安全性食品衛生法に準拠明記されていない場合がある
通水バランス製氷機に合わせた流量設計流量が不安定な製品も存在
活性炭の品質高品質な炭を使用質・量ともに不明な場合がある
認証の有無NSF等の第三者認証あり認証表示なし、または根拠が不明
使用期間の目安約1〜2年(1日2L使用時)製品によっては早期劣化も
安定性・信頼性高い製品によってばらつきが大きい

このように、代用品が一見便利そうに見えても、性能や安全性が純正品と同等であるとは限りません。見えない部分にこそ違いがあるため、長期的な安心や氷の品質を重視するなら、純正フィルターの使用を選ぶ方が結果的に満足度が高くなると言えるでしょう。

保証が無効になるケースを確認しよう

保証が無効になるケースを確認しよう

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製氷機フィルターに代用品を使うことにはコスト面のメリットがありますが、その選択が思わぬデメリットを招くこともあります。特に注意したいのが、メーカー保証が無効になるケースです。購入から数年以内であれば多くの冷蔵庫には保証が付いていますが、互換フィルターの使用はこの保証の適用外となる場合があります。

三菱電機をはじめとした多くの家電メーカーでは、製品に不具合が生じた際の無償修理の条件として、「指定部品の使用」を前提としています。つまり、メーカーが想定していない代用品を使って冷蔵庫に不具合が発生した場合、それが原因と見なされれば修理費用はすべて自己負担になる可能性があります。

特に、製氷機能にトラブルが出た場合には注意が必要です。代用品によって水漏れが起きた、製氷機内部のセンサーが誤作動を起こした、水の流れが正常でなくなった――このような症状が出た際、修理依頼をしても「互換部品が原因の可能性がある」と判断されれば、保証対象外として処理されてしまうリスクがあります。

また、代用品による影響はすぐには現れないこともあります。使用開始から数ヶ月後に発生した製氷不良や氷の変形、異臭などが実は互換フィルターによる目詰まりや部品の劣化によるものだったというケースもあり、これを証明するのはユーザー側では困難です。こうした曖昧な状況では、結果的に保証の恩恵を受けられず、高額な修理費を請求されることになりかねません。

さらに、製氷機が故障した場合、修理対象となる部品は給水タンク周辺だけにとどまらない可能性があります。センサー、ポンプ、製氷皿などの部品交換が必要になれば、1万円を超える修理費用が発生することもあります。こうした出費を避けるためにも、保証期間中は特に慎重に純正品を使い続けることが賢明です。

一見すると少しの節約に見える互換品の使用も、長期的には冷蔵庫の寿命や家計に影響を与える可能性があります。安心して保証を受けたいのであれば、メーカー推奨の部品を使用し、正しい使い方を守ることが何よりも大切です。

サイズや素材が合っているか見極める

サイズや素材が合っているか見極める

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製氷機フィルターの代用品を選ぶ際に最も重要なポイントのひとつが、「サイズ」と「素材」が本体と適合しているかどうかです。一見すると似たような形状のフィルターであっても、実際にはごくわずかな寸法の違いや、使われている素材の違いによって、不具合や故障の原因となることがあります。

まずサイズについてですが、フィルターの長さ・太さ・接続部分の構造が純正品と完全に一致していなければ、給水タンクにうまく収まらないことがあります。よくある例としては、「フィルターがわずかに大きくて収まらない」「少し小さくて隙間ができてしまう」といったものです。このような状態で無理に取り付けると、水漏れが発生したり、フィルターが正常に機能しなかったりすることがあります。レビューでも「削って調整した」「無理やり押し込んだ」という報告が見られますが、こうした加工は推奨できません。

次に素材についてです。純正フィルターは、食品衛生法に準拠した安全な素材を使用しているのに対し、互換フィルターでは材質が明記されていない、あるいは不明確な製品もあります。プラスチック部分の質が低いと変形しやすくなり、活性炭やろ過材の質が劣ると、十分な浄水効果が得られない可能性があります。また、劣化しやすい素材を使用している場合、短期間でヌメリやカビの原因となるケースもあります。

以下の表は、純正品と互換フィルターを選ぶ際に注目すべきサイズ・素材の比較ポイントをまとめたものです。

チェック項目純正フィルター互換フィルター(注意点あり)
長さ・太さ完全に適合する微妙に異なる製品がある
装着のしやすさスムーズに取り付け可無理な加工が必要な場合もある
接続部分の形状給水タンクと完全一致隙間やズレが生じる製品もある
外装素材食品衛生基準クリア素材不明・耐久性に不安のある製品あり
ろ過材の品質高品質活性炭使用活性炭量が少ない製品も存在
安全性表示表記あり(認証あり)記載なし、確認できないことが多い

このように、サイズや素材の見極めは単に“使えるかどうか”の問題ではなく、“安全かつ正しく使えるかどうか”に直結します。購入前には必ず型番の適合情報、寸法の詳細、使用されている素材、レビュー内容などをしっかり確認しましょう。少しでも不明点がある場合は、安易な購入を避けるのが賢明です。

長期間の使用で起こるかもしれない問題

長期間の使用で起こるかもしれない問題

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代用品のフィルターを長期間使い続けた場合、初期の使用では問題がなかったとしても、徐々に不具合や劣化が進行してトラブルに繋がるケースがあります。こうした問題は、使用開始直後には現れにくく、数ヶ月後にじわじわと症状が出てくるため、気付きにくい点が厄介です。

まず考えられるのは、ろ材の劣化です。特に安価な代用品では、活性炭の質やろ過層の構造が不十分なものもあり、時間が経つにつれて浄水能力が著しく低下することがあります。初めのうちはカルキ臭や不純物が取れていたように感じても、使用から数ヶ月経つと氷に臭いが戻ってきたり、見た目が濁ってきたりすることがあります。

また、ろ過能力が落ちた状態で使用を続けると、フィルター内部に溜まった不純物がフィルターの出口から流れ出し、製氷機の内部に蓄積してしまうこともあります。この蓄積が進むと、給水経路が狭まり、目詰まりを起こして製氷スピードが遅くなったり、氷がうまく形成されなかったりする問題が発生することがあります。

さらに、素材そのものの耐久性も重要です。たとえば、外装のプラスチック部分が経年劣化でひび割れたり、フィルター内部のろ材が崩れてフィルターから漏れ出すようなトラブルも報告されています。これにより、氷に異物が混入するなど、衛生面での不安が生じます。

加えて、フィルターにヌメリやカビが発生するケースもあります。長期間の使用によって湿気がこもり、フィルター表面や内部で雑菌が繁殖しやすくなるためです。見た目にはわかりにくくても、氷に異臭がついたり、体調不良の原因になる可能性もあります。

このように、代用品は短期的には問題がなくても、長期使用によって思わぬリスクを抱えることになります。少なくとも、定期的な目視チェックと、水の味や氷の状態を確認する習慣を持ち、異常を感じたらすぐに交換を検討するべきです。できるだけ安全性の高い製品を選び、使用期間にも注意しながら管理していくことが、トラブルを未然に防ぐためのポイントです。

三菱冷蔵庫 製氷機 フィルター 代用に関するポイントを総括

記事をまとめました。

  • フィルターなしでは氷にカルキ臭や苦味が出やすい
  • 見た目には透明でも味や臭いに明確な違いが出る
  • 非純正品の浄水性能は製品ごとに大きく異なる
  • フィルターの劣化は氷の品質低下につながる
  • フィルター未使用時は氷に浮遊物が混じる可能性がある
  • 雑菌やカビの混入リスクが高まり衛生面に不安が残る
  • 水漏れや目詰まりによる故障リスクがある
  • 安価な製品はサイズが合わず加工が必要なケースがある
  • 活性炭やろ材の品質が不明な製品は使用に注意が必要
  • 食品衛生法に準拠していない製品も存在する
  • 浄水器のパーツは製氷機用として適合しない
  • ネット通販の互換品はレビュー確認と情報精査が必要
  • メーカー保証は代用品使用で無効となる場合がある
  • 長期使用で素材の劣化や衛生トラブルが発生しやすい
  • 適合型番・サイズ・素材を事前に十分に確認する必要がある