冷蔵庫を動かす作業は、想像以上に慎重さが求められます。特に三菱冷蔵庫のような高性能モデルでは、誤った方法での移動が故障や水漏れ、家屋への損傷につながるリスクもあります。「三菱冷蔵庫 動かし方」と検索している方は、引越しや模様替えなどで冷蔵庫を安全に移動させたいと考えていることでしょう。

本記事では、移動前に行うべき中身の整理と保管方法から、脚カバーの正しい取り外し手順と注意点、少しだけ動かす場合の安全な方法、キャスターが動かないときの対処法といった実践的な手順をわかりやすく解説します。また、本体を水平にするための脚の調整方法や、家屋を傷つけないための保護対策も詳しくご紹介します。

さらに、三菱冷蔵庫特有の機能である製氷機能を停止するための設定操作やタッチパネルのロックを解除する方法、操作パネルの表示マークに関する理解といった、事前に知っておきたいポイントも網羅。最後には、移動時にやってはいけないNG行動とはについても触れ、リスクを回避するための注意点もお伝えします。

この記事を読めば、三菱冷蔵庫を安全・確実に動かすための知識と準備が整います。大切な家電を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。

  • 三菱冷蔵庫を安全に移動させるための準備手順
  • 冷蔵庫の構造に合った正しい動かし方のコツ
  • 家屋や冷蔵庫本体を傷つけないための対策
  • 機能停止やロック解除など操作面での注意点

三菱冷蔵庫 動かし方を知る前に確認したい準備

三菱冷蔵庫 動かし方を知る前に確認したい準備

おうち家電ラボ・イメージ

  • 移動前に行うべき中身の整理と保管方法
  • 脚カバーの正しい取り外し手順と注意点
  • 少しだけ動かす場合の安全な方法
  • キャスターが動かないときの対処法
  • 本体を水平にするための脚の調整方法

移動前に行うべき中身の整理と保管方法

移動前に行うべき中身の整理と保管方法

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冷蔵庫を安全に移動させるためには、庫内に入っている物をすべて取り出し、計画的に整理・保管することが欠かせません。特に三菱冷蔵庫のような多機能モデルでは、中に食品や水分が残っている状態で動かすと、水漏れや異物の混入による故障の原因になりかねません。

まず大切なのは、移動日の数日前から食材の消費を意識しておくことです。例えば、冷凍食品や調味料など長期保存が可能な物でも、移動直前になると保管場所に困る場合があります。計画的に使い切ることで、廃棄を減らし、移動当日の作業もスムーズになります。

次に、移動前日には冷蔵庫内を完全に空にします。このとき、取り出した食品や調味料の一部は新居や移動先で再利用したいと考える方も多いでしょう。そうした場合には、保冷剤を入れたクーラーボックスや発泡スチロールの箱などに一時的に保管するのが効果的です。特に夏場は、短時間の移動でも温度が上がりやすいため、傷みやすい食品は入れない、もしくは使い切っておくことが賢明です。

また、瓶詰めの調味料や液体類については、しっかり蓋を閉めたうえで新聞紙やタオルで包み、ビニール袋に入れてから収納すると安心です。これは移動中に万が一落下した際の破損リスクを軽減できるほか、液漏れによる他の荷物への影響も防げます。

このような事前準備を怠ると、冷蔵庫内部の汚損や、食品の破損・廃棄が発生する可能性が高まり、思わぬトラブルやコスト増加に繋がります。特に引越し業者に冷蔵庫を任せる場合は、庫内が空になっていないと運搬を断られることもあるため、注意が必要です。

以下は、冷蔵庫内の整理・保管の作業を漏れなく進めるためのチェック表です。作業の進行に合わせて確認しながら使うことで、抜け漏れを防げます。

作業項目内容・注意点タイミング
食材の使い切り賞味期限が近いもの、冷凍食品から優先的に消費移動1~2週間前
全ての食品を取り出す生鮮食品・冷凍食品・調味料・飲み物など移動前日~当日
製氷皿・給水タンクの処理残った氷・水を完全に捨てる。水抜き作業とあわせて行う移動前日~当日
調味料の梱包ビニール袋+新聞紙、瓶は緩衝材を使用移動当日
食品の一時保管クーラーボックスや保冷バッグを準備移動当日
整理後の冷蔵庫内の清掃棚を外して洗浄、庫内全体を拭き掃除食品取り出し後

このように、計画的かつ丁寧に準備を進めることで、冷蔵庫の中身を安全に整理し、安心して移動作業に入ることができます。冷蔵庫を動かすという作業は、単なる「家具の移動」ではなく、繊細な家電の扱いと密接に関わっているのです。

脚カバーの正しい取り外し手順と注意点

脚カバーの正しい取り外し手順と注意点

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三菱冷蔵庫を移動させる際に最初に行うべき作業の一つが、脚カバーの取り外しです。これは、キャスターや調整脚にアクセスするために必要な工程であり、安全かつ正確に行うことが求められます。

脚カバーは、冷蔵庫の前面下部に設置されているパネル状の部品で、冷蔵庫本体と床の間を隠す役割を果たしています。見た目をスッキリさせるだけでなく、ホコリの侵入を防ぐ機能も持っているため、普段は簡単には外れない構造になっています。

取り外し方法は機種によって多少異なりますが、一般的には左右にあるツメを内側に押しながら、脚カバー全体を手前に引くことで取り外せます。長年使用している冷蔵庫では、ホコリや油汚れが固着していることがあり、カバーが固くなっていることもあります。この場合、力任せに引っ張るのではなく、プラスチック製のヘラなどを使って隙間に差し込み、ツメの位置を確認しながら慎重に浮かせるように作業すると良いでしょう

一方で、注意しなければならない点もいくつかあります。特に、無理に力をかけすぎると、脚カバーのツメが折れてしまう恐れがあります。このツメが破損すると、再取り付けが困難になるだけでなく、脚カバーがしっかりと固定できず、ホコリが内部に入りやすくなるなどの問題が発生します。また、脚カバーの奥に手を入れるときは、配線や突起部分に指を引っかけないよう十分に注意が必要です。

さらに、冷蔵庫を購入したときに付属していた取扱説明書に脚カバーの取り外し方が記載されていることもありますので、必ず事前に確認しておくことをおすすめします。説明書が見つからない場合は、三菱電機の公式サイトから該当機種のマニュアルをダウンロードすることも可能です。

脚カバーの取り外しは、キャスターや調整脚の操作に直結する工程であるため、この作業を正しく行えるかどうかが、冷蔵庫の移動全体のスムーズさと安全性に大きく関わってきます。冷蔵庫の構造を理解し、適切な手順を踏むことで、リスクを避けながら確実な移動準備を進めることができるでしょう。

少しだけ動かす場合の安全な方法

少しだけ動かす場合の安全な方法

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冷蔵庫を数センチから数十センチだけ動かしたい場面は意外と多くあります。例えば、背面や下部の掃除をしたいとき、壁や床との隙間を調整したいときなどです。このような「少しだけ動かす」作業でも、適切な方法を取らなければ冷蔵庫や床、さらには自分自身に損傷を与えてしまう恐れがあります。

まず押さえておきたいのは、無理に力任せで押したり引いたりするのは避けるということです。多くの三菱冷蔵庫にはキャスターが搭載されていますが、これが前後移動を前提としている場合、真横に動かそうとするとキャスターが破損したり、床に深い傷をつけてしまうことがあります。動かしたい方向に応じて、正しい方法を選びましょう。

前後に少し動かすのであれば、まず冷蔵庫前面下部の脚カバーを外し、調整脚を反時計回りに回して床から浮かせます。キャスターが床に接地することで、比較的スムーズに動かすことが可能になります。このとき、冷蔵庫の左右が均等に上がっているかを確認しながら調整脚を緩めることが重要です。

一方、左右に動かす必要がある場合は、キャスターの構造上そのままでは難しいことが多いため、滑りやすい素材の上に冷蔵庫を乗せる工夫が求められます。具体的には、厚手の毛布やキルティングマット、または専用の滑りシートなどを冷蔵庫の下に敷いて、少しずつ引きずるように動かす方法が有効です。この際、冷蔵庫の脚がしっかり乗っていること、毛布がめくれていないことを都度確認しながら作業を進めてください。

以下の表は、動かす方向や状況に応じたおすすめの方法をまとめたものです。作業前に目を通しておくと、失敗を防ぎやすくなります。

移動の目的おすすめの方法注意点
前後に数十センチ動かしたい脚カバーを外し、調整脚を緩めてキャスターで動かす傾きすぎないように注意。設置後は必ず調整脚を戻すこと。
左右に少し移動させたい毛布やシートの上に乗せて、ゆっくり引きずるように動かす床や本体を傷つけないよう、慎重に操作すること。
掃除のため少し持ち上げたい家具用リフターなどを使って片側ずつ慎重に持ち上げる指を挟まないように注意し、安定した体勢で作業すること。

このように、短距離であっても冷蔵庫を安全に動かすためには、正しい準備と道具、そして慎重な手順が必要です。たとえ「ちょっとだけ」でも、大型家電を扱うという意識を持ち、無理のない作業計画を立てることが大切です。

キャスターが動かないときの対処法

キャスターが動かないときの対処法

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冷蔵庫を動かそうとしたときに「キャスターが動かない」と感じたら、原因を特定し、正しい手順で対処する必要があります。無理に押したり引いたりすると、キャスターの破損だけでなく、床の傷や冷蔵庫本体のゆがみといった深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。

まず考えられるのは、調整脚が下がったままになっているケースです。三菱冷蔵庫には、移動を防ぐために調整脚で本体をしっかり床に固定する仕組みがあります。移動させる際には、脚カバーを外して調整脚を反時計回りに回し、床から浮かせることでキャスターが有効になります。これを忘れていると、キャスターが床に接触せず、全体が動かないように固定された状態のままになってしまいます。

もう一つの原因としては、キャスターの下に小さな異物が挟まっている可能性もあります。長年の使用で、床との間に髪の毛やホコリ、細かなゴミが蓄積していることがあります。脚カバーを外した状態でライトなどを使ってよく観察し、必要であれば掃除機やピンセットなどで取り除いてください。

また、床材の影響も無視できません。柔らかいクッションフロアやカーペットの上では、冷蔵庫の重さでキャスターが沈み込んで動かなくなる場合があります。この場合は、家具用のリフターやてこの原理を使って冷蔵庫を少し持ち上げ、キャスターの下に薄いベニヤ板やプラスチック板を差し込むと動かしやすくなります。

一部のモデルには、安全のためにキャスターロック機構が備わっていることもあります。三菱冷蔵庫では一般的ではありませんが、他社製品や一部の業務用機器などでは見られる構造です。万一、手順通りに調整脚を上げたにもかかわらずまったく動かない場合は、念のため取扱説明書を確認するか、メーカーサポートに問い合わせることをおすすめします。

こうして対処すれば、キャスターが動かない原因を冷静に見つけ、適切な処理ができます。力任せに動かそうとする前に、一つひとつ丁寧に原因を潰していくことが、冷蔵庫本体とご自宅を守る最善策です。

本体を水平にするための脚の調整方法

本体を水平にするための脚の調整方法

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冷蔵庫を設置する際に忘れてはならない作業の一つが、脚の調整です。冷蔵庫は見た目だけでなく、機能面でもしっかりと水平を保って設置することが求められます。これを怠ると、扉が自然に開いたままになる、内部の冷却効率が下がる、異音が発生するといった不具合が起こりやすくなります。特に三菱冷蔵庫のような高性能な製品では、脚の調整が不十分だと本来の性能が十分に発揮されません。

まず調整の手順ですが、脚の位置は通常、冷蔵庫前面の左右下部にあります。多くの三菱冷蔵庫には「調整脚(アジャスター脚)」が付いており、これを時計回りまたは反時計回りに回すことで高さを調整できます。手で回せるタイプもありますが、固くて動かない場合は付属の専用工具やモンキーレンチなどを使うとよいでしょう。

冷蔵庫を完全に水平にするためには、水平器を使うのが理想的です。庫内の棚や天面に水平器を置き、傾きを確認しながら左右それぞれの脚を少しずつ調整します。この作業は二人で行うとより安全です。一人が冷蔵庫を軽く持ち上げ、もう一人が脚を回して調整するとスムーズに進みます。

なお、完全に水平にするだけでなく、冷蔵庫の前側をわずかに高くすると、ドアが自動で閉まりやすくなり、半ドアのリスクを軽減できます。これは三菱の取扱説明書でも推奨されている設置方法です。目安としては、前後の脚の高さに3~5ミリ程度の差をつけると良いでしょう。

以下の表では、脚の調整に関する作業内容とポイントをまとめています。調整時に迷わないためのチェックリストとしても活用できます。

作業内容方法とポイント備考
脚の位置確認前面左右下部にある調整脚を探す脚カバーが付いている場合は外す
脚の回し方時計回り=脚が下がる/反時計回り=脚が上がる両側均等に調整する
水平器の使用天面や庫内に置いて水平を確認スマホアプリの水平器でも代用可
ドアの自動閉鎖を狙う傾斜調整前側を3~5ミリ高くする半ドア防止に有効
最終確認冷蔵庫がぐらつかないか、開閉に違和感がないかチェック異音や振動がないかも確認する

脚の調整は一度きちんと行っておけば、頻繁に見直す必要はありません。ただし、移動や引っ越しのたびに再確認することが大切です。冷蔵庫の安定は、食品の保存状態だけでなく、住まい全体の安全にも関わる要素です。

三菱冷蔵庫 動かし方の注意点と安全対策

  • 家屋を傷つけないための保護対策
  • 製氷機能を停止するための設定操作
  • タッチパネルのロックを解除する方法
  • 操作パネルの表示マークに関する理解
  • 移動時にやってはいけないNG行動とは

家屋を傷つけないための保護対策

家屋を傷つけないための保護対策

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冷蔵庫を動かす際には、本体だけでなく周囲の家屋にも注意を払わなければなりません。とくにフローリングや壁、ドア枠などは、ちょっとした接触や衝撃でも傷がつきやすい場所です。移動作業のあとに「床に深い傷ができていた」「壁紙が破れていた」といったトラブルに気づいて後悔するケースは少なくありません。これらを防ぐには、事前の養生(ようじょう)作業が不可欠です。

まず床を保護するためには、冷蔵庫の移動経路にあらかじめ段ボールやプラスチック段ボール(プラダン)、薄いベニヤ板などを敷いておくと安心です。これによりキャスターや調整脚の接触による床へのダメージを大幅に軽減できます。とくにクッションフロアや無垢材のフローリングでは、キャスターの重みでへこみや擦れが発生しやすいため、二重三重の対策が推奨されます。

また、冷蔵庫の側面やドアが壁に接触しないように、冷蔵庫本体を包む毛布や古いシーツ、キルティングマットを準備しましょう。角を曲がるときや狭い場所を通過するときに、この保護材がクッションの役割を果たしてくれます。加えて、冷蔵庫のドアが開かないように養生テープでしっかり固定しておくことも忘れてはなりません。移動中に不意にドアが開いてぶつかることで、壁や冷蔵庫のドア自体が破損してしまう危険があります。

加えて、作業者自身の身を守ることも大切です。軍手を着用し、滑りにくい靴を履いて、落下や手指の挟み込みといった事故を予防しましょう。作業はできるだけ二人以上で行い、声を掛け合いながら進めることで、操作ミスや衝突を防ぐことができます。

このように、冷蔵庫を動かす作業では、本体だけでなく周囲の環境すべてに配慮する姿勢が重要です。家屋の傷は修復に費用がかかるだけでなく、賃貸住宅の場合は原状回復費用を請求されるリスクもあります。事前の準備が不安を解消し、トラブルのない作業につながります。どんなに短時間の移動であっても、保護対策は必ず行うよう心がけましょう。

製氷機能を停止するための設定操作

製氷機能を停止するための設定操作

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冷蔵庫を移動させる際に見落とされがちなのが、製氷機能の停止です。三菱冷蔵庫のように自動製氷機能を備えたモデルでは、給水タンクに水が入っていたり、製氷動作が継続したままだと、移動中に水漏れが起こる恐れがあります。これは内部の機構に水が入り込んで故障するリスクだけでなく、床や周囲の荷物を濡らしてしまう原因にもなります。そのため、製氷機能の停止は移動準備の中でも非常に重要な作業です。

設定方法は冷蔵庫のモデルによって若干異なりますが、基本的にはタッチパネルで操作する形式が主流です。操作パネルの「メニュー」ボタンや「製氷室」ボタンを使って設定画面を開き、製氷機能の項目を選択したうえで「停止」または「OFF」に切り替えます。この操作を行う前に、タッチパネルがロックされていないかも確認しましょう(ロック解除については後述の見出しで説明します)。

中には、給水タンクを冷蔵庫本体から取り外すことで自動的に製氷機能が停止するモデルもあります。この場合、停止設定をせずともタンクが検知されないため製氷が止まりますが、誤作動の可能性を考えると、できるだけ操作パネルでの明示的な停止が安心です。

また、製氷皿や貯氷ケースに残っている氷はすべて捨てておきましょう。庫内に残った氷が移動中に溶け出すと、水漏れやニオイの原因になります。給水タンクの水も完全に抜き、取り外した状態で乾燥させておくとさらに安全です。

以下の表に、製氷機能停止のチェック項目を整理しました。移動準備の最終確認に活用してください。

作業項目方法・操作内容注意点
製氷停止の設定操作操作パネルで「製氷停止」または「OFF」に設定タッチパネルがロックされていないか確認する
給水タンクの処理タンクを外して水をすべて捨てるタンク内に水が残らないようしっかり乾燥させる
製氷皿・貯氷ケースの確認中の氷をすべて捨てる残った氷は溶けて水漏れの原因になる
設定後の再確認表示が「製氷停止」になっていることを確認必要であれば再度設定し直す

このように、製氷機能の停止は「水漏れ防止」という観点からも極めて重要な作業です。見逃しやすいポイントでもあるため、冷蔵庫の移動準備においては優先的にチェックしておきたい工程の一つといえるでしょう。

タッチパネルのロックを解除する方法

タッチパネルのロックを解除する方法

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三菱冷蔵庫を操作しようとしたときに、タッチパネルが反応しないというケースは珍しくありません。多くの場合、これは故障ではなくチャイルドロック機能が有効になっている状態です。この機能は、小さな子どもによる誤操作や、掃除中の意図しないタッチを防ぐために設けられた安全装置です。そのため、冷蔵庫の設定変更や製氷機能の停止など、移動準備に必要な操作を行うには、まずロックを解除する必要があります。

操作方法は機種ごとに異なることがありますが、基本的には「MENU」や「節電」など、特定のボタンを長押しすることでロックを解除できる設計になっています。多くのモデルでは、鍵マークが点灯している場合にそのボタンを5秒以上押し続けると、ロックが解除されてマークが消え、タッチパネルが有効になります。

ただし、操作パネルの位置にも注意が必要です。ドア表面にタッチパネルがあるモデルでは、ドアが開いていると自動的に操作が制限されている場合があります。必ずドアをしっかり閉めた状態で操作を行ってください。逆に、庫内にパネルがあるモデルでは、ドアを開けてから一定時間が経過するとパネルが自動ロックされる仕様になっていることもあります。この場合、一度ドアを閉じてから再度開け直し、操作を試みると改善されることがあります。

また、ロック解除がうまくいかないと感じたときは、以下の点を確認してみましょう。まず操作しているのが正しいボタンか、長押しの時間が足りているか、指の位置がずれていないかといった基本的なポイントを一つずつ見直すことが大切です。マニュアルが手元にあれば、具体的な解除手順を確認するのが確実です。

このように、タッチパネルのロック解除は冷蔵庫の各種設定変更を可能にするための第一歩です。初めて操作する方でも、落ち着いて説明書どおりに進めれば難しい手順ではありません。移動準備やお手入れの際には、この機能をしっかり理解し、必要な操作を滞りなく進められるようにしておきましょう。

操作パネルの表示マークに関する理解

操作パネルの表示マークに関する理解

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三菱冷蔵庫の操作パネルには、さまざまな表示マークが点灯・点滅することがあります。これらのマークは故障やトラブルを知らせるものではなく、多くの場合は「お知らせ機能」や「節電サイン」としての役割を持っています。しかし、意味を知らないまま放置してしまうと、本来必要な操作やお手入れを見逃してしまう可能性もあるため、事前に理解しておくことが大切です。

中でもよく見られるのが、ハートマーク(♡)の表示です。これは冷蔵庫の状態に関するアドバイスを伝えるマークで、例えば「庫内の詰め込みすぎによる冷却効率の低下」「フィルター掃除のタイミング」「節電に関する使い方の見直し」など、ユーザーの使い方に対して改善提案をしてくれています。実際に冷蔵庫を賢く使うための“アシスト表示”として活用されているのです。

また、鍵マークが表示されている場合は、チャイルドロックが有効になっている状態です。これにより、意図しない操作や設定変更ができないよう保護されています。マークが表示されているときは、特定のボタンを長押しすることでロックを解除し、パネルの操作が可能になります。

さらに、氷マークや水滴のようなマークが点灯している場合、それは製氷や給水関連の状態を示していることがあります。製氷室の設定変更、給水タンクの水切れ、またはタンクの取り付け不良などが原因となるため、これらの表示を見逃さないようにしましょう。

以下の表に、代表的な表示マークとその意味、対処方法をまとめました。冷蔵庫を移動する前に、これらのサインを正しく把握しておくことで、設定の見直しや不要な不安を防ぐことができます。

表示マークの種類表示される主な意味ユーザーが行うべき対応
ハートマーク(♡)お手入れの提案、節電アドバイス、使い方の通知該当の部屋の整理やフィルター掃除を行う
鍵マークチャイルドロックが作動中対象ボタンを5秒以上長押しして解除
氷マーク製氷中または製氷設定が有効になっている状態必要に応じて製氷停止設定を行う
水滴マーク給水タンクが空、または取り付け不備の可能性タンクに水を補充、しっかり取り付け直す

これらのマークは、冷蔵庫が自らの状態を「言葉ではなく視覚で」教えてくれているサインです。移動前後の確認作業の一環として、表示マークの意味を一つひとつ理解し、必要に応じて対応できるようにしておくことで、安心して移動作業を進めることができます。

移動時にやってはいけないNG行動とは

移動時にやってはいけないNG行動とは

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冷蔵庫の移動作業には、必ず守るべきルールと、絶対に避けるべき「NG行動」が存在します。これらを誤って実行してしまうと、冷蔵庫本体の故障だけでなく、床や壁を傷つけたり、作業中の怪我に繋がる危険性すらあります。移動自体は短時間の作業であっても、手順を誤ると後戻りできないダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。

最も代表的なNG行動は、冷蔵庫を横倒しにして運ぶことです。これは冷却システムの構造上、非常に危険な行為とされています。冷蔵庫のコンプレッサーには潤滑オイルが使用されており、横倒しにするとオイルが冷却回路の中へ流れ込んでしまうことがあります。この状態で電源を入れてしまうと、オイル詰まりや潤滑不足が原因でコンプレッサーが焼き付き、致命的な故障を引き起こすこともあります。

また、庫内に食品や飲料が入ったままの状態で移動するのもNGです。中身があると重心が不安定になり、持ち上げたときや台車で運んでいる最中にバランスを崩しやすくなります。さらに、容器が破損して中身が漏れると冷蔵庫内部や床が汚れるだけでなく、電気系統に影響を与えるリスクも考えられます。

このほか、調整脚を床に接地させたまま無理に引きずる行為もやめましょう。キャスターが動かない状態での力任せな移動は、冷蔵庫本体のゆがみやフレーム損傷、さらには床材のえぐれなど、重大な被害につながります。動かす前には必ず脚カバーを外し、調整脚を緩めてキャスターが機能する状態にしておくことが必須です。

さらに、電源コードを持って引っ張るような抜き方をするのも大きな危険を伴います。コードの中で配線が断線し、見た目には異常がないのに電源が入らないといったトラブルが後から発生することがあります。コンセントから電源を抜く際は、必ずプラグ部分を持ってまっすぐ引き抜くようにしてください。

こうしたNG行動を事前に把握しておけば、「やってしまった」では済まない損害を未然に防ぐことができます。冷蔵庫は高価で繊細な家電です。安全かつ確実に移動させるためには、「少しくらいなら大丈夫」という油断を捨てて、正しい手順と知識を身につけておくことが大切です。

三菱冷蔵庫を動かす際に知っておきたい重要ポイントを総括

記事をまとめました。

  • 移動前には庫内の食品を計画的に使い切る
  • 調味料は緩衝材で包んで液漏れ対策をする
  • 食品は保冷バッグなどで一時保管する
  • 冷蔵庫内を空にした後は清掃も忘れずに行う
  • 脚カバーは無理に外さず丁寧に作業する
  • 固定されている場合は調整脚を緩める必要がある
  • 少しだけ動かすときも毛布やシートで床を保護する
  • キャスターが動かないときは異物や調整脚を確認する
  • 脚の高さを調整して冷蔵庫本体を水平に保つ
  • 設置時は前側をやや高くするとドアが閉まりやすい
  • 床や壁は段ボールや毛布で事前に養生しておく
  • 移動前に製氷機能を停止し、タンクと氷を処理する
  • タッチパネルのロックは長押し操作で解除可能
  • 表示マークは冷蔵庫の状態を示すサインとして重要
  • 横倒しで運ぶ・中身を入れたまま動かすのは厳禁