三菱冷蔵庫の水抜きは、引っ越しや長期不在といった特別なタイミングで必要となる大切なメンテナンス作業です。しかし、「水抜きは本当に必要なのか?」「日常使用でもやるべきなのか?」と疑問に思う方も少なくありません。とくに三菱冷蔵庫のように高性能な製品は、自動で霜を取ってくれる機能が備わっているため、見落としやすいポイントも多くあります。

この記事では、三菱冷蔵庫の水抜きを正しく行うための情報を網羅的に解説しています。まずは、水抜きが必要な場面とその理由を整理し、反対に日常使用で水抜きが不要なケースについても触れていきます。そのうえで、冷蔵庫の電源を切る場所と正しい操作方法、作業前に揃えておきたい道具の紹介、さらには電源オフから水抜きまでの理想的な流れまで丁寧にご案内します。

また、作業時につまずきやすい蒸発皿の場所と見つけ方のコツ、蒸発皿が見当たらないときの対処法、水が溜まりやすい原因とその予防策にも触れています。水が抜けきらない場合のチェック項目や、仕上げとして欠かせない掃除と乾燥をしっかり行うための方法まで解説することで、冷蔵庫のトラブル予防にもつながるはずです。

三菱冷蔵庫の水抜きについて不安や疑問を感じている方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。必要な知識と正しい手順を知ることで、大切な冷蔵庫を長く安全に使い続けることができます。

  • 水抜きが必要な状況と不要なケースの違い
  • 正しい電源の切り方とそのタイミング
  • 蒸発皿や排水の仕組みと対応方法
  • 水抜き後の掃除と乾燥の重要性

三菱冷蔵庫の水抜きを始める前に知っておきたいこと

三菱冷蔵庫の水抜きを始める前に知っておきたいこと

おうち家電ラボ・イメージ

  • 水抜きが必要な場面とその理由
  • 日常使用で水抜きが不要なケース
  • 電源を切る場所とその正しい操作方法
  • 作業前に揃えておきたい道具
  • 電源オフから水抜きまでの理想的な流れ

水抜きが必要な場面とその理由

水抜きが必要な場面とその理由

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冷蔵庫を使っていると、「水抜きは本当に必要なのだろうか?」と疑問に感じる方もいるかもしれません。特に三菱のように高性能な冷蔵庫であれば、自動で霜を取ってくれる機能が付いていることが多いため、なおさらその必要性を見落としがちです。ですが、特定の状況下では、冷蔵庫の水抜きは欠かせない作業となります。

なぜなら、水抜きを怠ると、機械内部や周囲に水が漏れ出す危険性があるためです。例えば、引っ越しや長期の不在時に電源を切ったまま放置すると、庫内に残っていた霜や水分が溶け、蒸発する前に蒸発皿に水が溜まり過ぎてしまうことがあります。これが漏れ出すと、床や周囲の荷物を濡らすだけでなく、冷蔵庫の基板に水がかかることで、故障やショートを引き起こす可能性もあるのです。

また、水分が残ったまま放置すると、カビや雑菌が繁殖しやすくなります。特に夏場は湿度が高く、庫内に残った湿気が腐敗臭の原因になることも少なくありません。冷蔵庫の寿命や衛生面を守る意味でも、水抜きは非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

引っ越し業者によっては、水抜きが完了していない冷蔵庫の運搬を断ることさえあります。そのようなトラブルを避けるためにも、状況に応じて確実に水抜きしておくことが望ましいのです。

以下に、状況ごとに水抜きの必要性をまとめた表を示します。

状況水抜きの必要性主な理由
引っ越し必須水漏れや故障のリスクが高いため
長期不在推奨カビ・悪臭・劣化防止のため
通常使用時不要自動霜取りと蒸発機能で対応可能
掃除や軽度の移動条件付き冷蔵庫を大きく傾ける場合は、事前の水確認が必要
修理・部品交換のための解体状況次第一時的な水の取り扱いが必要なケースがある

このように、使い方や環境によって水抜きの必要性は大きく異なります。日常の利用ではあまり意識しないかもしれませんが、冷蔵庫を停止・移動する可能性があるときは、必ず水抜きの有無を確認しておきましょう。

水抜きが必要な場面とその理由

水抜きが必要な場面とその理由

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三菱冷蔵庫に限らず、現在の家庭用冷蔵庫の多くには「自動霜取り機能」が搭載されています。これにより、日常的に使っている限り、冷蔵庫内部に溜まる霜は自動的に溶け、水分は本体下部の蒸発皿に流れ込み、そこで自然に蒸発する仕組みが整っています。そのため、特別な事情がなければ、自分で水抜きを行う必要は基本的にありません。

この理由は明確で、冷蔵庫が稼働している状態であれば、内部の水分管理は設計段階から自動で処理されるように作られているからです。霜が溶けると水になり、その水がドレンホースを通って蒸発皿に集まり、冷蔵庫本体の熱によって時間をかけて蒸発していきます。よって、通常の開閉や食材の出し入れによって発生する水分は、全て冷蔵庫内のシステムで処理されているのです。

一方で、こうした自動システムは電源が入っていることが前提です。つまり、冷蔵庫を使用中で、電源を切る予定がない場合に限り、手動での水抜きは不要となります。ここを誤解して、「日常的に水抜きしなければいけないのでは?」と心配になる必要はありません。

ただし、例外的な状況として、冷蔵庫の下から水が漏れている、異臭がする、あるいは庫内の温度が不安定な場合などは、システムが正常に働いていない可能性もあります。その場合は、ドレンホースの詰まりや蒸発皿の水溜まりなど、メンテナンスが必要なサインです。

このように、通常通りに使っていて何の異常もなければ、水抜きを意識する必要はありません。冷蔵庫本来の機能を信頼し、定期的な清掃や確認だけを心がけることで、長く安心して使用し続けることができます。

電源を切る場所とその正しい操作方法

電源を切る場所とその正しい操作方法

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冷蔵庫の水抜きを正しく行うためには、まず電源の切り方を正しく理解しておく必要があります。電源を切る手順は一見シンプルに思えますが、冷蔵庫の仕組みを知らずに誤った操作をすると、水抜き作業に支障が出たり、本体を傷めるリスクもあるため注意が必要です。

まず、三菱冷蔵庫の電源プラグは本体の背面にあります。一般的には床に近い位置に設置されており、コンセントから直接電源が供給されている形式です。そのため、作業前に冷蔵庫を少し前に引き出して、プラグとコンセントが安全に抜き差しできるスペースを確保してください。コンセントが家具の裏などにある場合は、無理に手を入れず、必ず冷蔵庫を安定した姿勢で移動させてから作業を行います。

操作方法としては、基本的に「プラグを抜く」だけで電源はオフになります。一部の三菱冷蔵庫には「冷却オフ」ボタンが搭載されている機種もありますが、これは一時的に冷却を停止するものであり、引っ越しや長期停止に向けた完全な電源オフとは異なります。したがって、水抜きを目的とした電源オフを行う場合は、必ずコンセントからプラグを抜くようにしましょう。

電源を切るタイミングについても重要なポイントがあります。冷蔵庫内に霜が残っていると、水抜きをしても意味がありません。霜が自然に溶けるまでには時間がかかるため、引っ越しなどで移動する予定がある場合は、最低でも10時間(冬場なら15時間)、可能であれば24時間前に電源を切っておくことが理想です。これにより、庫内の霜がしっかりと解け、蒸発皿や排水口からの排水がスムーズになります。

以下に、電源オフに関するポイントを一覧にまとめました。

項目内容
プラグの位置冷蔵庫背面の下部に設置されているのが一般的
電源オフの方法コンセントからプラグを抜く(冷却オフボタンでは不十分)
電源オフのタイミング夏場:10時間前以上、冬場:15時間前以上が目安
電源を切る目的霜を解かし、水分を完全に排出するため
注意点家具や壁の裏にある場合は冷蔵庫を安全に移動してから作業する

このように、ただ電源を抜くだけと思われがちな作業にも、事前の準備と理解が必要です。適切な操作を行うことで、その後の水抜き作業が格段にスムーズになり、冷蔵庫本体にも余計な負担をかけずに済みます。

作業前に揃えておきたい道具

作業前に揃えておきたい道具

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水抜き作業を効率良く、安全に行うためには、あらかじめ必要な道具を揃えておくことが大切です。特に初めての方にとっては、どんな道具が必要なのかイメージしづらいかもしれませんが、実際に使用するものの多くは、家庭にある日用品で十分対応できます。

まず最優先で準備したいのはタオルや雑巾です。霜が溶けると大量の水が出てくるため、これをしっかりと吸収できるよう、使い古しのバスタオルなどを複数用意しておくと安心です。冷蔵庫の下や周囲に敷いておけば、床が濡れるのを防げます。

次に、蒸発皿や排水口から出てくる水を受けるための受け皿やバケツも必要です。冷蔵庫の下部は狭いため、できるだけ高さのない平たいトレイや洗面器を選ぶと作業しやすくなります。水を捨てる際にこぼさないよう、持ち運びしやすいサイズのものを選ぶのがポイントです。

また、場合によってはドライバーが必要になることもあります。三菱の冷蔵庫では、排水口のキャップや蒸発皿のカバーがネジで固定されている機種があり、それらを取り外すためにプラスドライバーを使う場面があります。ただし、これはすべての機種に当てはまるわけではないため、使用前に取扱説明書で確認しておくことをおすすめします。

さらに、衛生面を考慮してゴム手袋を着用するのも良い方法です。冷蔵庫の裏や下部にはホコリが溜まりやすく、水もぬめりやカビの原因になり得るため、手を汚さずに作業するためにも重宝します。

食品を一時的に保管するためのクーラーボックスや保冷剤も忘れずに準備しましょう。冷蔵庫内の食品をすぐに冷やせる環境を確保しておけば、水抜き作業に集中できます。

このように、特別な機材を揃える必要はありませんが、作業の流れを妨げないためには事前の準備が非常に重要です。少しの工夫で作業効率が大きく変わるため、必要な道具はあらかじめ余裕を持って用意しておきましょう。

電源オフから水抜きまでの理想的な流れ

電源オフから水抜きまでの理想的な流れ

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冷蔵庫の水抜きは、ただ水を捨てるだけでは不十分です。適切なタイミングで電源をオフにし、その後の工程を順を追って行うことで、冷蔵庫を安全かつ確実に処理できます。慌てて作業してしまうと、霜が十分に解けず水が残ったままになったり、内部に水分が溜まってカビの原因になったりする恐れがあるため、流れをしっかり理解しておくことが重要です。

まず最初のステップは「食材の整理」です。水抜きをするには庫内を空にする必要があるため、少なくとも1週間前から食材の消費を始めておきましょう。引っ越しや長期不在を予定している場合は、このタイミングから冷蔵庫の準備が始まります。

次に行うのが「製氷機の停止と給水タンクの排水」です。三菱の冷蔵庫には自動製氷機能が搭載されているモデルも多く、これを使っている場合は2~3日前には機能を停止し、給水タンクの水も抜いておきます。併せて氷や貯氷ケース内の残りもすべて取り除きましょう。

ここまでが事前準備ですが、最も大切なのは「電源オフのタイミング」です。霜をしっかり溶かすには、引っ越し前日、できれば24時間前には電源を切っておくのが理想です。これにより、霜が自然に溶けて蒸発皿へと流れ込み、効率よく水を抜くことができます。

電源をオフにしたら、冷蔵室・冷凍室のドアをすべて開けて霜取りを促進します。この際、庫内や冷蔵庫周囲にタオルを敷いておくと、水漏れによる床の汚れを防げます。霜取りが進んだら、背面や底面の蒸発皿から水を抜き、場合によっては排水口やドレンホースの確認も必要になります。

最後に「庫内の清掃と乾燥」を行い、すべての作業が完了します。水分が残っていると、カビや異臭の原因となるため、完全に拭き取り、可能であれば扇風機などで乾燥させると良いでしょう。

以下は、冷蔵庫の水抜き作業を効率よく行うための理想的な流れをまとめた表です。

タイミング作業内容注意点・ポイント
1週間前食材の整理・消費買い足しを控え、計画的に庫内を空にしていく
2~3日前製氷機能を停止・給水タンクの水を排水氷・水を完全に除去、パーツ清掃も行っておく
前日(約24時間前)冷蔵庫の電源をオフにするコンセントを抜き、ドアを開けて霜を自然に溶かす
電源オフ後霜取りと周囲の水受け準備庫内・床にタオルを敷いて水漏れ対策を忘れずに
引っ越し当日蒸発皿・排水口・ドレンホースから水を抜く水漏れチェックと最終確認。蒸発皿の戻し忘れに注意
水抜き後庫内を清掃し、十分に乾燥させるカビ・臭い防止のため、徹底的に乾燥させる

このように、時間をかけて段階的に準備を進めることで、冷蔵庫の水抜きは無理なく確実に行えます。特に霜取りと水抜きにはまとまった時間がかかるため、直前に慌てて対応するのではなく、早めのスケジュールを意識して進めることが成功の鍵です。

三菱冷蔵庫の水抜きで失敗しないための実践ポイント

  • 蒸発皿の場所と見つけ方のコツ
  • 蒸発皿が見当たらないときの対処法
  • 水が溜まりやすい原因とその予防策
  • 水が抜けきらない場合のチェック項目
  • 掃除と乾燥をしっかり行うための方法

蒸発皿の場所と見つけ方のコツ

蒸発皿の場所と見つけ方のコツ

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蒸発皿の位置を把握することは、水抜き作業において非常に重要です。しかし、実際には「どこにあるのかわからない」「蒸発皿が見つからない」という声が少なくありません。三菱冷蔵庫は機種ごとに構造が異なるため、まずはお使いのモデルの仕様を理解することが第一歩となります。

多くの三菱冷蔵庫では、蒸発皿は本体の背面下部に設置されています。この部分は壁に近接していることが多いため、冷蔵庫を少し手前に引き出さないと確認できません。また、蒸発皿はカバーやパネルの内側に隠れていることもあり、見た目には分かりにくい場合があります。

一部の機種では、冷蔵庫の底面、つまりキッチンの床近くにある前面のカバーを外すと、蒸発皿が見える構造になっています。このタイプの場合、蒸発皿は手前にスライドして引き出すことができ、比較的簡単に取り扱えます。

問題なのは、蒸発皿が「取り外せない」または「外から見えない」構造になっているモデルです。この場合、霜取りで溶けた水は内部に設けられた排水路を通って、密閉された蒸発皿に自動的に流れ込みます。こうしたタイプでは、冷蔵庫本体を傾けて背面下部の排水口から水を抜く作業が必要になることもあります。

そのため、まず行うべきは取扱説明書の確認です。「運搬の準備」や「お手入れ」の項目に、蒸発皿や排水の位置・方法について記載があるはずです。説明書が手元にない場合でも、三菱電機の公式サイトで機種名を入力すれば、PDF版の説明書が確認できるケースが多いです。

見つけ方のコツとしては、以下のような手順を意識するとスムーズです。

  1. 冷蔵庫を安全に少し前に引き出す
  2. 背面や底面にカバーがあれば、ネジやツメを確認しながら丁寧に外す
  3. 蒸発皿が見つかったら、水が溜まっていないか確認する
  4. 見つからない場合は排水口の有無や形状をチェックする

冷蔵庫の背面や下部はホコリがたまりやすく、滑りやすい環境でもあるため、作業の際はゴム手袋や滑り止めシートを使うなど、安全対策も忘れずに行いましょう。

蒸発皿の位置を正しく把握できれば、水抜きだけでなく今後のメンテナンスや掃除の際にも非常に役立ちます。迷ったときは自己判断せず、説明書や公式情報を頼りに確実な作業を心がけてください。

蒸発皿が見当たらないときの対処法

蒸発皿が見当たらないときの対処法

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三菱冷蔵庫で水抜きをしようとしたとき、「蒸発皿が見当たらない」「どこを探しても見えない」と困る方は少なくありません。実際に、最近の機種では蒸発皿が外から見えない構造になっているケースもあり、従来のように簡単に取り外せないタイプも多く存在します。まず慌てず、冷蔵庫の構造を理解することから始めましょう。

多くの場合、蒸発皿が見当たらないのは、冷蔵庫の内部に埋め込まれているタイプのためです。三菱の一部機種では、冷却装置の近くに蒸発皿が密閉された形で設置されており、ユーザーが直接取り外すことを想定していない設計になっています。このようなモデルでは、蒸発皿の存在そのものが外から確認できないため、「ないのでは?」と誤解されることがあります。

このようなときに取るべき行動は、まず取扱説明書を確認することです。多くの説明書では、「蒸発皿」や「排水」「お手入れ」の項目に具体的な構造や排水手順が記載されています。特に「背面下部の排水口から水を抜く」という記述がある場合は、その部分から水を排出する構造になっていると考えて良いでしょう。

蒸発皿が取り出せない構造でも、排水口が設けられている機種であれば、冷蔵庫を後方に傾けることで内部の水を排出できます。ただし、冷蔵庫は非常に重いため、傾ける作業は必ず2人以上で行い、床の保護や安全確保にも配慮してください。

また、他メーカーのように「排水口の膜を破る」という手法は、三菱冷蔵庫では推奨されていないケースが多いため、自己判断で行うのは避けましょう。無理に操作すると、内部部品を損傷してしまう恐れがあります。

以下の表に、蒸発皿が見えないときのチェック項目と対処方法をまとめました。

状況・チェック項目対処方法
蒸発皿が見つからない取扱説明書を確認。型番から蒸発皿の構造を把握
外から確認できない密閉構造の可能性背面下部の排水口の有無をチェックし、排水手順を確認
排水口がある場合冷蔵庫を30度以上後ろに傾けて、排水容器で受ける(2人以上で作業)
蒸発皿が取り外せないと説明書に記載されている原則として清掃不要。ただし排水口周辺のホコリは定期的に除去
排水に不安がある三菱電機のサポートまたは販売店に問い合わせ

このように、見当たらない蒸発皿も冷蔵庫内には確実に存在し、しかるべき方法で水が処理される仕組みが整っています。むやみに分解したり、無理な作業をするのではなく、機種に応じた正しい方法を選ぶことが大切です。

水が溜まりやすい原因とその予防策

水が溜まりやすい原因とその予防策

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冷蔵庫の下や背面に水が溜まりやすいという現象は、必ずしも故障によるものとは限りません。むしろ、使用環境や手入れの頻度によって自然に起こるケースもあります。ここでは、特に三菱冷蔵庫において水が溜まりやすくなる原因と、その予防策について詳しく解説します。

主な原因のひとつは、ドレンホースや排水口の詰まりです。霜取りによって発生した水分は、通常ドレンホースを通じて蒸発皿に流れ込み、自然に蒸発します。しかし、この排水経路に食品カスやホコリ、カビなどが詰まると、スムーズに排水されず、水が逆流してしまうことがあります。これにより、冷蔵庫の下や内部に水が滞留し、漏れやすくなるのです。

また、蒸発皿自体の汚れも水たまりの原因になります。蒸発皿にホコリやゴミが溜まっていると、水の蒸発がうまく進まず、常に水が溜まった状態になります。この状態が続くと、気温の上昇や湿度の変化によってあふれ出す可能性があり、床を濡らしたり臭いが発生したりすることもあります。

さらに、冷蔵庫の設置環境も大きく影響します。背面の通気が悪かったり、冷蔵庫が水平でなく傾いていたりすると、水の流れが乱れやすくなります。とくに水平が取れていないと、蒸発皿に水が正しく流れ込まず、あちこちに水が残ってしまうのです。

これらの問題を防ぐためには、まず定期的な清掃を心がけることが第一です。ドレンホースの出口や排水口周辺にホコリが溜まりやすいので、月に一度は確認しておくと安心です。また、蒸発皿が取り外せるタイプであれば、年に1~2回程度は水洗いして清掃しておきましょう。こびりついた水アカは、古い歯ブラシや柔らかい布を使って優しく取り除きます。

加えて、冷蔵庫を設置する際には水平を確認し、壁との距離にも余裕を持たせましょう。通気性が確保されていれば、蒸発効率も良くなり、水たまりのリスクは下がります。

このように、冷蔵庫に水が溜まる原因には複数の要素が関係していますが、日常のちょっとした点検と手入れで予防できるケースがほとんどです。水漏れが続くと内部パーツの劣化にもつながるため、早めの対応が肝心です。

水が抜けきらない場合のチェック項目

水が抜けきらない場合のチェック項目

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冷蔵庫の水抜きを行ったにもかかわらず、水が残っていると感じたことはないでしょうか。しっかり作業したつもりでも、床が濡れていたり、蒸発皿に水が残っていたりする場合は、見落としがある可能性があります。特に三菱冷蔵庫の場合、構造や機能によって排水経路が見えにくいこともあり、慎重な確認が必要です。

水が抜けきらない主な原因は、霜の溶け残り・排水ルートの詰まり・傾斜不足・時間不足など、いくつかの要素が絡み合っていることが多いです。まずはどの段階で水が止まっているのかを特定するところから始めましょう。

初めに確認しておきたいのは、霜取りが完全に終わっているかどうかです。冷凍室や冷蔵室の奥に薄く氷が残っていると、それが時間差で溶けて水が発生し、後になって蒸発皿へ流れ込むことがあります。霜は思った以上に時間がかかって溶けるため、目に見えて水が出なくなっても、油断せずしばらくドアを開けて放置しておくのが安全です。

次に、排水口やドレンホースに詰まりがないか確認します。ドレンホースは庫内から霜取り水を蒸発皿まで導く細い管で、ここにホコリや小さな食品カスが詰まると、水がスムーズに流れなくなります。もし詰まりが疑われる場合は、細めのチューブで空気を送り込むか、ぬるま湯を少量流してみると改善されることがあります。ただし、無理に異物を押し込むのは禁物です。

また、排水タイプによっては冷蔵庫を後方に傾ける必要があります。傾斜が足りないと排水口の位置まで水が届かず、内部に溜まったままになるケースもあります。特に三菱の一部機種では、説明書に「30度以上傾けて排水する」といった記載がある場合もあるため、操作の前に必ず確認しましょう。

以下に、水が抜けきらないときの主なチェック項目を表にまとめました。

チェックポイント内容・確認方法
霜が完全に溶けているか冷凍室の奥やコーナーに氷が残っていないか目視で確認する
排水口やドレンホースが詰まっていないかホコリやカスが詰まっていないか。軽く空気や水を通して確認
蒸発皿にアクセスできているか背面・底面を確認し、蒸発皿の水を直接捨てたかチェックする
冷蔵庫が十分に傾いているか必要に応じて後方に30度以上傾けて排水する(2人以上で実施)
排水に十分な時間を確保したか霜が解けきるまで時間をかけて待機。短時間で作業しなかったか確認

このように、1つ1つのステップを丁寧に確認していけば、ほとんどの排水不良は解決できます。作業中は焦らず、少しでも異常を感じたら無理をせず、説明書を見直したり、メーカーに問い合わせるのも安心につながる手段のひとつです。

掃除と乾燥をしっかり行うための方法

掃除と乾燥をしっかり行うための方法

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水抜き作業が終わったあとは、冷蔵庫内部の掃除と乾燥を忘れずに行う必要があります。この工程を丁寧に行うことで、カビや臭いの発生を予防し、次に使い始めたときも衛生的に保つことができます。特に長期保管や引っ越し後に再使用する場合は、庫内を清潔かつ乾燥した状態で保つことが非常に重要です。

まずは清掃から始めましょう。庫内の棚やケース、ドアポケットなど取り外せるパーツはすべて外し、台所用中性洗剤を使って水洗いします。ぬめりやニオイが気になる場合は、スポンジで軽くこすりながら洗浄し、しっかりとすすいでから乾かします。アルカリ性や酸性の強い洗剤、漂白剤の使用は、素材を傷める可能性があるため避けた方が良いです。

本体内部は、洗剤を含ませた布やキッチンペーパーで優しく拭き取ります。奥の方やパッキンの隙間には、綿棒や歯ブラシを使うと細かい部分まできれいにできます。特にゴムパッキンは水分が残りやすく、カビの温床になりやすいため念入りに拭き取りましょう。

拭き掃除が終わったら、次に行うのが乾燥です。ドアをすべて開け放ち、通気性を確保した状態で1日〜2日ほど放置します。このとき、可能であれば庫内に扇風機の風を当てるなどして乾燥を早めるのも効果的です。時間が足りず完全に乾かない場合でも、せめて内部に水滴が残らないよう、乾いた布でしっかり拭き取っておくことが大切です。

乾燥が不十分なまま冷蔵庫を閉め切って保管してしまうと、カビや異臭だけでなく、庫内部品の腐食にもつながります。とくに、熱交換器などの見えない部分に湿気が残ると、冷却機能の低下や故障の原因にもなるため、しっかりと時間をかけて乾燥させましょう。

最後に、長期保管する場合はドアを少し開けたままにしておくと、内部の空気がこもらず通気が保たれ、湿気が溜まりにくくなります。小さなゴムやタオルなどをドアの隙間に挟んでおくと、安全かつ効果的に開放状態を維持できます。

水抜きが終わって安心してしまいがちですが、この掃除と乾燥の工程を丁寧に行うことで、冷蔵庫の状態をより長く、より清潔に保つことができます。たとえ短期間の保管でも、湿気を残さない工夫は冷蔵庫にとって大きなプラスになります。

三菱冷蔵庫の水抜きに必要な準備と正しい手順を総括

記事をまとめました。

  • 水抜きは引っ越しや長期不在時に必須の作業
  • 通常使用時は自動機能により水抜きは不要
  • 電源プラグは冷蔵庫背面下部に設置されていることが多い
  • 電源オフはコンセントを抜く方法が確実
  • 霜取りには最低10〜24時間前の電源オフが理想
  • 作業前にはタオルや受け皿などを準備しておくと安全
  • 製氷機付きモデルは給水タンクと氷の処理が必要
  • 蒸発皿は背面や底面にあり、機種により見つけ方が異なる
  • 蒸発皿が見えない機種は取扱説明書を確認するのが確実
  • 排水には冷蔵庫を傾ける必要がある場合もある
  • 水が抜けきらない原因には霜の残りやドレン詰まりがある
  • 蒸発皿や排水口の詰まりは定期清掃で予防できる
  • 作業後は庫内を清掃し、水分を完全に乾燥させる必要がある
  • カビや臭いを防ぐにはドアを開けて通気を保つことが重要
  • 水抜きの工程は段階的に行い、焦らず準備することが成功の鍵