冷蔵庫の表示パネルに突然「U10」と表示され、警告音が鳴り響いたとき、驚きや不安を感じた方も多いのではないでしょうか。特に「パナソニック 冷蔵庫 エラー u10」と検索してこのページにたどり着いた方は、今まさにその対処法を探している最中かもしれません。
U10エラーは、パナソニック冷蔵庫で比較的よく見られるエラー表示で、冷蔵庫のドアが一定時間以上開いている場合に発生します。とはいえ、単なる閉め忘れに限らず、さまざまな原因が絡んでいる可能性があるため、正確な知識が求められます。
この記事では、まず「エラーU10が発生する主な原因とは何か」を明らかにし、ユーザー自身がすぐに試せる「U10エラーが出たときの初期対応手順」について丁寧に解説します。また、「操作パネルでエラーを解除できるか確認」する方法や、「タンクの取り付けミスでU10になるケース」、「水位センサー異常によるU10表示の対処法」など、見落としがちなポイントにも触れていきます。
加えて、「エラーコード一覧で意味を確認する」重要性や、「エラーリセットの正しい手順とは」どういうものか、「H21リセットとの違いに注意して確認」すべき理由も取り上げます。さらに、「故障診断で原因を詳しく調べる方法」といった一歩進んだ対処法にも触れ、「エラー表示が消えた後も安心できない理由」についても忘れずに説明していきます。
このページを読めば、U10エラーの意味と対処法を体系的に理解し、再発防止のために何を見直せばよいのかまで把握できるはずです。冷蔵庫のトラブルに冷静に対応するために、ぜひ最後までご覧ください。

- U10エラーの主な発生原因と仕組み
- 自分でできる初期対応とリセット手順
- 関連部品や操作パネルとの関係性
- 再発時の対応や専門業者への相談の目安
パナソニック冷蔵庫「エラーu10」が出たときの原因と正しい対処法

おうち家電ラボ・イメージ
- エラーU10が発生する主な原因とは
- U10エラーが出たときの初期対応手順
- 操作パネルでエラーを解除できるか確認
- タンクの取り付けミスでU10になるケース
- 水位センサー異常によるU10表示の対処法
エラーU10が発生する主な原因とは

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エラーU10は、冷蔵庫の使用中に比較的よく見られる表示で、「ドアが開いている状態が一定時間以上続いている」ことを示す警告です。このエラーが表示された場合、単なる閉め忘れから機械的な不具合まで、さまざまな原因が考えられます。ここでは、代表的な原因を整理しながら、ユーザー自身で確認できるポイントも併せて紹介します。
まず最も多いのは、ドアがしっかり閉じていないケースです。食品の袋がドアパッキンに挟まっていたり、引き出しが少し出ていて完全に閉まらない状態が続くと、冷蔵庫はドアが開いたままだと判断します。また、冷蔵庫内の収納スペースを詰め込みすぎると、内部のトレーや容器がずれてドアの密閉を妨げる場合もあります。
次に注目すべきはドアスイッチ(センサー)です。これはドアの開閉を感知する小さな部品で、多くはドアの付け根や本体側に設置されています。このセンサーが汚れていたり、ホコリ・食品カスで動作が鈍くなると、ドアを閉じても「開いている」と誤認識されることがあります。さらに、センサー自体が故障している場合や、スイッチに接続された配線に不具合があると、正しい信号が送れずエラーU10が表示されることになります。
加えて、冷蔵庫本体の設置環境にも注意が必要です。床と水平になっていない状態で冷蔵庫が設置されていると、ドアが自然に閉まりにくくなったり、わずかに浮いて半開き状態になってしまう場合があります。
一方で、ユーザーからは「給水タンク」や「浄水フィルター」、「水位センサー」などとの関係を疑う声もありますが、基本的にU10エラーはこれらとは直接関係していません。これらは製氷機能に関するパーツであり、異常があれば別のエラーコード(H21など)が表示されるのが一般的です。
下記の表に、原因と確認ポイントを簡潔にまとめました。
原因の分類 | 主な確認ポイント | 対処のヒント |
---|---|---|
ドアの閉め忘れ・半開き | ドアに異物が挟まっていないか、完全に閉まっているか | 手でしっかり押して閉める、食品の位置を調整 |
ドアスイッチの汚れ・誤作動 | スイッチ周辺にホコリやカスがないか | 清掃する、スイッチを手で何度か押してみる |
スイッチや配線の故障 | センサーが反応しない、何度もU10が出る | 専門業者に点検を依頼する |
設置状態の傾き | 冷蔵庫が水平に設置されているか | 水準器などで傾き確認、必要なら位置を調整 |
庫内の収納過多 | 食品が引っかかっていないか | 冷蔵庫内を整理し、詰め込みを避ける |
このように、U10エラーは単なるうっかりミスから機械的なトラブルまで、さまざまな原因が考えられます。日常的な確認を怠らず、冷蔵庫の構造や動作の仕組みを理解しておくことが、スムーズな解決につながるでしょう。
U10エラーが出たときの初期対応手順

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U10エラーが表示された場合でも、焦る必要はありません。多くのケースでは、簡単な確認と操作で問題を解消できます。ここでは、誰でも自宅で試せる初期対応の手順を、具体的にわかりやすく解説します。
最初に行うべきは、冷蔵庫にあるすべてのドアがしっかりと閉まっているかの確認です。冷蔵室、冷凍室、野菜室、製氷室など、どこか一か所でも半開きの状態であればU10エラーは発生します。特に見落としがちなのがドアポケットにある食品の袋や、冷蔵庫内の引き出しがきちんと奥まで収まっていない場合です。ドアのふちを軽く押して「カチッ」と音がするまで閉めると安心です。
次にチェックしたいのが、ドアパッキンです。ドアの縁にあるゴム部分に汚れが付着していたり、ゆがんでいると、ドアが密着せず隙間ができてしまうことがあります。パッキンに異常がないか、手でなぞって確認してください。汚れがある場合は、水で濡らして固く絞った布で拭き取ると良いでしょう。
それでもU10表示が消えない場合は、ドアスイッチ(センサー)を確認します。多くの冷蔵庫では、ドアの内側やフレーム部分に小さな突起やボタンのような部品があり、これがドアの開閉を検知しています。このスイッチを手で数回ゆっくり押してみて、スムーズに動くかどうか確認します。動きが悪い場合や、周辺にホコリがたまっている場合は、綿棒や乾いた布で優しく清掃してください。
ここまで試しても改善が見られない場合には、冷蔵庫本体をリセットする方法を試す価値があります。リセットは、冷蔵庫の電源プラグを一度コンセントから抜き、7分以上放置したあと、再度差し込むという方法です。この操作により、冷蔵庫内部のマイコン(制御装置)の誤作動がリセットされ、正常に戻ることがあります。
ただし、リセット後もU10エラーが継続する場合は、センサーや内部配線に故障がある可能性も否定できません。そうしたときは、無理に自己判断で分解せず、メーカーや専門業者に相談するのが安全です。
このように、U10エラーが出たときには段階的に確認することで、無駄な出費や時間をかけずに問題解決できるケースが多くあります。冷蔵庫を正しく扱う第一歩として、ぜひ覚えておきたい対応手順です。
操作パネルでエラーを解除できるか確認

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U10エラーが表示されたとき、操作パネルから直接エラーを解除できるかどうかは、冷蔵庫の機種によって異なります。一部の機種ではボタン操作によるリセット機能がありますが、U10エラーの場合は、基本的に「ドアが開いている」ことを知らせるものであるため、操作パネルだけではエラーを解除できない場合がほとんどです。
これは、U10が機械的なトラブルというより、使用環境やドアの状態に起因する注意喚起であるためです。つまり、根本的な原因を解消しない限り、表示を一時的に消したとしても再びU10が点滅する可能性が高いといえます。
その上で、操作パネルに搭載されている「お手入れ」や「リセット」機能がU04など他のエラーに有効であることはありますが、U10については機械的な異常ではないため、通常のリセット操作では対応できない場合が大多数です。
一方で、機種によっては、一定時間ドアが閉まったままであれば自動的にU10表示が消える仕様もあります。そのため、手動で操作パネルを使ってリセットしようと焦る前に、まずドアの閉まり具合を確認し、きちんと閉まった状態でしばらく様子を見ることが効果的です。
以下に、操作パネルのエラー解除に関する対応可否をまとめた一覧表を掲載します。これを参考に、ご家庭の冷蔵庫が該当するかどうか確認してみてください。
機能項目 | U10エラーに有効か | 備考 |
---|---|---|
「リセット」ボタン | 基本的には無効 | U10はリセットよりもドアの物理的確認が優先される |
「製氷」や「お手入れ」操作 | 無関係 | H21やU04などの製氷・メンテナンス関連に適用される |
電源ボタンによる再起動操作 | 一時的に改善する可能性あり | 電源プラグを抜いて再接続する操作と同様の効果がある |
ドアを閉めることでの自動解除 | 有効 | ドアが正しく閉まっていれば数分で自動消灯することが多い |
このように、U10エラーに対しては、操作パネルに頼るよりも、まずは基本に立ち返り、ドアの閉まりやセンサー周辺の確認を優先した方が効率的です。自動的に解除されない場合や、何度も表示されるようであれば、リセットより専門的な点検が必要となることもあります。
タンクの取り付けミスでU10になるケース

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U10エラーは基本的に「ドアの開放」を検知するエラーであり、給水タンクの状態と直接関係があるわけではありません。しかし、タンクの取り付けミスが間接的にU10エラーにつながるケースもあるため、注意が必要です。
どういうことかと言うと、給水タンクの設置位置がずれていたり、タンクの一部が冷蔵庫の内部構造やドアに干渉してしまうと、ドアがしっかり閉まらない場合があります。特に冷蔵庫の製氷室や給水タンク周辺にタンクの出っ張りがある機種では、このような干渉が起きやすくなります。
このとき、ユーザーはドアを閉めたつもりでも、実際にはわずかな隙間が残っていて、冷蔵庫側では「ドアが開いている」と判断されてしまうのです。結果として、U10エラーが表示されることになります。
さらにややこしいのは、タンクそのものの不具合と勘違いしてしまう点です。実際には、タンク自体に問題がなくても、「取り付けのズレ」によってエラーが発生しているケースもあります。これにより、「タンクを交換したのにエラーが消えない」というトラブルに発展しやすくなります。
このような状況を避けるには、給水タンクを設置した後に、必ずドアが正しく閉まっているかを目視と手の感触で確認することが大切です。また、タンクを取り付けたあとにエラーが出るようであれば、タンクの向きや奥行き、ストッパー部分の噛み合わせに問題がないかを慎重に見直す必要があります。
このように考えると、タンクの取り付けミスは単なる操作ミスと思われがちですが、結果的には冷蔵庫のセンサーに影響を与える「ドア開放状態」を作ってしまう可能性がある重要な要因です。特に初めてタンクを交換する方や、新しい部品を取り付けた後などは、念入りな確認が必要です。
水位センサー異常によるU10表示の対処法

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U10エラーは基本的に「ドアが一定時間以上開いている」というアラートですが、一部のユーザーからは「水位センサーの異常でU10が出ることがあるのでは?」という疑問の声が聞かれます。結論から言えば、水位センサーの異常そのものが直接U10エラーを引き起こす可能性は非常に低いです。しかし、まったく無関係とは言い切れない場合もあります。
というのも、給水タンクや製氷機構に関連するパーツ(たとえば浄水フィルターや水位センサー)が誤作動すると、それが間接的にドアの開閉に影響を及ぼすケースが考えられるからです。例えば、タンクの設置位置がずれていて水位センサーの誤作動を誘発し、ドアが完全に閉まらない状態を生むことがあります。このとき冷蔵庫本体は「ドアが開いている」と認識してU10を表示するのです。
また、まれにセンサー配線がドアを通る形で配置されているモデルもあり、配線に負荷がかかって断線しかけている場合には、ドアセンサーの信号と混線し、誤ってU10エラーが表示されるといった報告例もゼロではありません。ただし、こうした現象はごく稀で、一般的な使用状況では起きにくいとされています。
そのため、U10が出て水位センサーに原因があるかもしれないと思った場合は、まず以下のようなチェックリストを順に確認することが有効です。
チェックポイント | 確認方法・対処法 |
---|---|
ドアが完全に閉じているか | すべてのドアを強く押して「カチッ」と音がするか確認する |
タンク周辺に異物やズレがないか | タンクを取り外して再設置。突起物や干渉するものがないか確認 |
水位センサー付近に結露や汚れがないか | 乾いた布でセンサー周辺を清掃し、異常が見られないか観察する |
センサーや配線の損傷がないか | 見た目に傷や変色、ゆるみがないかを点検。素人作業が難しければ修理依頼を検討 |
ここでのポイントは、U10というエラーが本当に水位センサーの問題なのかを見極めることです。前述のように、通常U10エラーと水位センサーの関係性は直接的ではないため、ドア周りの確認を最優先に行い、それでも異常が続く場合に限って水位センサーやタンク関連のトラブルを疑うのが正しいアプローチと言えるでしょう。
万が一、水位センサーの異常や故障が疑われる場合には、専門業者に依頼して部品交換や回路の点検をしてもらうことが必要です。無理に自分で分解しようとすると、他の部分を傷めるリスクもあるため注意が必要です。
パナソニック冷蔵庫「エラーu10」が直らないときに見直すべきポイント
- エラーコード一覧で意味を確認する
- エラーリセットの正しい手順とは
- H21リセットとの違いに注意して確認
- 故障診断で原因を詳しく調べる方法
- エラー表示が消えた後も安心できない理由
エラーコード一覧で意味を確認する

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冷蔵庫に何らかのエラーコードが表示されたとき、最も基本的でありながら重要なのが「そのコードが何を意味しているのかを正確に知ること」です。U10に限らず、冷蔵庫には複数のエラーコードがあり、それぞれが異なるトラブルを示しています。見慣れない表示が点滅した場合、まずは冷蔵庫の取扱説明書やメーカーの公式サイトで「エラーコード一覧」を確認することが解決への第一歩です。
なぜ一覧での確認が重要かというと、コードの種類によって対応が大きく異なるからです。たとえば「U」で始まるコードは、ユーザーが自分で対処できる内容が多く、比較的軽度の注意喚起であることが多いです。これに対し、「H」や「F」で始まるコードは内部部品の故障や制御系統の異常を示すことが多く、専門的な修理が必要になるケースもあります。
また、エラーコードの読み間違いや勘違いも少なくありません。例えば「U10」の「10」だけを見て「10というコードが出た」と思い込んで検索する人もいますが、これは「U」と「10」が交互に点滅している表示の一部です。こうした誤認を避けるためにも、コードの全体を正確に確認し、一覧と照らし合わせる習慣が重要です。
さらに、「00」というコードに関する問い合わせもありますが、これは特定の意味を持たないか、あるいは他のコード表示の一部である場合が多く、機種によってはテストモードや通信異常の表示に使われていることもあります。このようなケースでは取扱説明書だけで判断がつかない場合があるため、メーカーに問い合わせて確認するのが確実です。
一覧表の内容は、機種によって異なることがあるため、インターネットで検索する際には、冷蔵庫の型番を併せて調べるのがおすすめです。型番は通常、ドアの内側や本体の側面にラベルで貼られているため、まずはそこを確認しましょう。
このように、エラーコード一覧を活用することで、現在表示されているエラーがどういったトラブルを示しているのかを的確に把握し、不要な不安や誤対応を避けることができます。初動の判断を誤らないためにも、エラーが出たらまずは「一覧を調べる」習慣を身につけることが大切です。
エラーリセットの正しい手順とは

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冷蔵庫のエラー表示が出たときに、最も手軽に行える対応方法の一つが「エラーリセット」です。中でもU10のようなドア開放に関するエラーは、一時的な誤作動やセンサーの反応遅れで表示されることもあり、正しいリセット手順を踏むことで改善されるケースが少なくありません。ただし、リセット操作を間違えると逆に動作が不安定になることもあるため、正しい方法を理解しておくことが大切です。
まず、操作パネルに専用のリセットボタンがある機種も一部存在しますが、U10エラーの場合、多くのモデルではパネル操作だけでは解除できません。そのため、最も基本的で汎用性の高い方法は「電源プラグを使った手動リセット」です。
手順は非常にシンプルですが、いくつか注意点があります。下の表にまとめた通り、リセットは単に「抜いてすぐ差す」ではなく、一定の時間を置くことが重要です。
手順番号 | 操作内容 | ポイント・注意点 |
---|---|---|
1 | 冷蔵庫の電源プラグをコンセントから抜く | 引き抜いたあとはすぐ差し戻さず、冷蔵庫の電源を完全に切る |
2 | 7分以上待つ | 内部のマイコン(制御装置)を完全にリセットするために必要な時間 |
3 | 再び電源プラグをコンセントに差し込む | しっかりと奥まで差し込み、電源が正常に入るか確認 |
4 | エラー表示が消えたかを確認する | 数分待ってもU10が表示される場合は、別の原因を疑うこと |
この操作によって、冷蔵庫内部の電子制御回路が初期化され、一時的なセンサーミスや過去のエラー履歴がクリアされます。ただし、リセット後もすぐにU10が再発する場合は、ドアが完全に閉まっていない、ドアスイッチに問題がある、またはセンサー配線のトラブルが発生している可能性があります。その場合は、リセットでは根本解決にはならないため、個別の部品の確認や修理が必要です。
また、リセット操作中に食品が傷んでしまうリスクもあるため、庫内温度に気を配りながら短時間で手順を完了させることが望ましいです。冷蔵庫の使用歴が長い場合や、同じエラーが何度も出るようであれば、リセットはあくまで「一時的な応急処置」であることを理解し、根本的な点検を検討することが重要です。
H21リセットとの違いに注意して確認

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U10とH21、どちらも冷蔵庫に表示されるエラーコードですが、表示される原因も、対応方法も大きく異なります。U10は主に「ドアの開放」を知らせる注意表示であるのに対し、H21は「製氷機能の異常」を示すシステムエラーに分類されます。この違いを正しく理解していないと、誤った対応をしてしまい、かえって症状を悪化させる可能性もあります。
H21エラーは、製氷皿が正しく回転しなかったり、霜が大量に付着してセンサーが誤作動を起こしている場合に表示されることが多くあります。また、給水経路に問題があるときや、内部の温度センサーが正しく機能していないときにもこのエラーが出ることがあります。このようなH21エラーは、単にリセットするだけでは根本的な改善にはつながりにくく、原因を突き止めた上で対処する必要があります。
一方でU10の場合は、前述のとおり、リセット操作やドア周りの確認で改善できるケースが多いため、原因の特定や修理に至る前にユーザー自身で完結できる可能性が高いです。この違いにより、H21エラーではパネル操作や部品点検、さらには霜取り作業まで必要となることもあります。
ここで特に注意したいのは、リセット操作が共通であることに惑わされないことです。両者とも電源プラグを抜いて数分待って再接続することで一時的にエラー表示が消えることがありますが、H21は再発する可能性が高く、しかも放置すると製氷機能が完全に停止することもあり得ます。
このように、U10は「使用環境に起因するエラー」、H21は「機能そのものの異常」と覚えておくと、対応に迷ったときに役立ちます。また、H21に関しては製氷皿の位置や給水の状態など目視で確認できる部分が限られるため、判断に迷った場合はメーカーの修理相談窓口に早めに連絡するのが安全です。
似たような操作で対応できそうに見えても、エラーコードの性質には大きな違いがあります。表面的な表示だけにとらわれず、そのコードが何を示しているのか、対応範囲はどこまでなのかを冷静に見極めることが、トラブルを早く解決するカギになります。
故障診断で原因を詳しく調べる方法

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U10エラーが何度も再発したり、電源リセットや簡単な清掃でも改善しない場合は、冷蔵庫内部で何らかの故障が進行している可能性があります。そうしたときには、目に見える部分の確認だけでなく、専門的な「故障診断」が重要になります。冷蔵庫は精密なセンサーや電子部品で制御されており、一見正常に見えても内部で不具合が発生していることがあるからです。
このような診断を行う際、最初にユーザー自身でチェックできるポイントもいくつか存在します。例えば、ドアスイッチがきちんと動作しているかを調べるには、スイッチを指で押してみてスムーズに戻るかどうかを確認するのが有効です。もしスイッチが固着していたり、押したまま戻らないような感触がある場合は、部品の摩耗や汚れが原因と考えられます。
さらに、センサーに繋がる配線に断線や接触不良があると、冷蔵庫は誤った情報を受け取り、エラーを表示することがあります。ドアの開閉に連動してスイッチが頻繁に動くため、この部分の配線は劣化しやすい傾向があります。ただし、配線の状態を詳しく調べるには、本体のカバーを開けたり電子基板にアクセスする必要があるため、これは専門業者でなければ対応が難しいです。
そのほかにも、冷蔵庫の傾きがセンサーの誤動作を引き起こしている場合もあります。設置面に問題があると、ドアが自然に半開きになるなどしてエラーが発生することがありますので、水準器などを使って冷蔵庫が水平になっているかも確認しておきましょう。
こうした確認ポイントを整理すると、以下のような診断の流れになります。
診断項目 | チェック内容 | 自分でできるか | 専門業者に依頼すべきケース |
---|---|---|---|
ドアスイッチの動作 | 手で押してスムーズに戻るか | 〇 | 押しても戻らない、反応しない場合 |
パッキンの密着状態 | ゴムが浮いていないか、破れていないか | 〇 | パッキンが変形・破損している場合 |
冷蔵庫の水平設置 | 水準器やスマホアプリで水平か確認 | 〇 | 明らかに傾いていて設置環境の修正が必要な場合 |
センサー・配線の異常 | 開閉に関係する配線のゆるみや断線がないか | ✕ | 内部配線の点検や交換が必要な場合 |
マイコンの誤作動 | リセット操作で回復するか | 〇 | リセットしても改善しない場合 |
このように、ユーザーが自力で診断できる部分と、専門的な知識が必要な部分を分けて考えることが、無駄な作業を避ける上で重要です。無理に分解を試みると、かえって他の部品を傷めたり、保証対象外になるリスクもあるため、判断に迷ったら無理をせず、メーカーサポートや修理業者に相談することをおすすめします。
エラー表示が消えた後も安心できない理由

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U10エラーの表示が突然消えると、多くの人は「もう直った」と思いがちです。たしかに、ドアをきちんと閉め直したり、電源リセットを行ったあとに表示が消えるケースは多く、それ自体は一つの正常化のサインです。しかし、表示が消えたことが必ずしも「根本的な問題の解消」を意味しているとは限らず、安心するにはまだ早い場合があります。
その理由の一つは、U10が「ドア開放時間の長さ」に基づいて表示されるエラーであるためです。つまり、ドアが一時的に閉じられたことで表示が解除されても、その背後にある原因――例えば、ドアパッキンの劣化やドアスイッチの不調といった構造的な問題が残っている可能性があるのです。
また、ドアが閉まっているかのように見えても、わずかな隙間ができているだけで内部の温度が上がりやすくなり、結果的に食品の鮮度低下や冷却効率の低下を招くことになります。このような状態が続けば、U10が再び表示される可能性が高くなり、場合によっては他のエラー(例えばH30など)に発展することもあります。
さらに、エラーが消えた直後の冷蔵庫は、エラー中に上昇した庫内温度を取り戻すためにフル稼働していることが多く、モーター音が大きくなったり、通常より多くの電力を消費することもあります。こうした状態が長引くと、電気代の増加や本体寿命への影響が懸念されます。
このように、エラーが一度消えたからといって「もう大丈夫」と決めつけるのではなく、数日間は冷蔵庫の様子をしっかり観察することが大切です。特に次のような兆候が見られる場合は、再度の点検や相談を検討しましょう。
- 再びU10エラーが表示される
- 冷蔵庫の冷えが明らかに悪い
- 異常な運転音や振動が続いている
- 食品が傷みやすくなった
日常的なチェックを怠らず、定期的に冷蔵庫のドアや庫内の状態を見直すことで、U10エラーの再発や重大なトラブルの予防につながります。安心して使い続けるためには、「表示が消えた=完全復旧」とは考えず、原因の根本解消を目指す視点が欠かせません。
ドア警告表示パナソニック冷蔵庫「エラー u10」を総括
記事をまとめました。
- U10エラーはドアの開放を知らせる警告である
- ドアの閉め忘れや障害物が主な原因となる
- ドアスイッチの汚れや故障でも誤検知が起きる
- 冷蔵庫が傾いて設置されているとエラーの一因になる
- 給水タンクの設置ミスがドアの閉まりを妨げることがある
- 浄水フィルターや水位センサーは直接の原因にはなりにくい
- 操作パネルのリセットではU10は解除できない機種が多い
- ドアをしっかり閉めればU10表示は自動で消える場合がある
- 電源プラグを使ったリセット操作が有効なこともある
- エラー解除後もドア周辺の再確認が重要である
- H21は製氷機能の異常でありU10とは原因が異なる
- U10が頻発する場合は配線やセンサーの故障も疑われる
- 冷蔵庫が冷えない、音が大きい場合は注意が必要
- エラーコードの意味は取扱説明書や公式サイトで確認可能
- 表示が消えても油断せず数日間は様子を見るべきである