パナソニックの冷蔵庫を動かしたいと考えている方にとって、「どこを持てばよいのか」「どうすれば安全に動かせるのか」といった悩みは非常に多く見られます。特に「パナソニック 冷蔵庫 動かし方」と検索してこの記事にたどり着いた方は、掃除、模様替え、あるいは引っ越しなど、さまざまな理由で冷蔵庫を一時的に移動させる必要に迫られているはずです。

本記事ではまず、冷蔵庫の基本構造に触れ、キャスターと調整脚の仕組みを理解することから解説を始めます。そして、前に出したいときの正しい操作方法や、左右に動かす際に床を守る方法についても丁寧にご紹介します。

また、動かそうとしてもびくともしないときの対処法として、冷蔵庫が動かないときの原因と対策も具体的に解説しています。他メーカー製との違いが気になる方のために、三菱製との構造の違いを知っておくことも大切なポイントとして取り上げています。

電源をいつ切るべきか迷ったときのために、電源を切る最適なタイミングとは何かを解説し、さらにパナソニック特有の機能であるエコナビ機能の設定と注意点、説明書でエコナビの正しい使い方を確認する方法についても触れています。

移動前には、食品の整理と庫内の準備を進めることが不可欠ですし、搬出や通路通過時などに傾けて動かすときに気をつけるべきことも、事故やトラブルを防ぐために重要な知識です。

このように、この記事では冷蔵庫を安全に、そして効率よく動かすための情報を体系的にまとめています。どのようなケースでも対応できるよう、ぜひ参考にしてください。

  • キャスターと調整脚を使った正しい冷蔵庫の動かし方
  • 冷蔵庫移動時の床や本体へのダメージを防ぐ方法
  • エコナビ機能や電源の扱いに関する注意点
  • 移動前の準備やトラブル時の対処方法

パナソニック冷蔵庫の動かし方を徹底解説

パナソニック冷蔵庫の動かし方を徹底解説

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  • キャスターと調整脚の仕組みを理解する
  • 前に出したいときの正しい操作方法
  • 左右に動かす際に床を守る方法
  • 冷蔵庫が動かないときの原因と対策
  • 三菱製との構造の違いを知っておく

キャスターと調整脚の仕組みを理解する

キャスターと調整脚の仕組みを理解する

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パナソニック製の冷蔵庫を安全かつスムーズに移動させるには、キャスターと調整脚の役割を正確に理解しておく必要があります。冷蔵庫は見た目以上に重量があるため、正しい方法を知らずに無理に動かそうとすると、床を傷つけたり、本体を損傷させたりするリスクがあります。特に多機能な大型モデルほど、その影響が大きくなるため注意が必要です。

まず、キャスターは冷蔵庫の底部に取り付けられている小さな車輪で、前後に動かすための補助をしてくれます。ただし、キャスターは常に動いているわけではありません。冷蔵庫を固定し、水平を保つために「調整脚(アジャスター)」というパーツが左右に取り付けられており、通常はこの調整脚で本体を床にしっかり固定して使う仕組みになっています。

つまり、冷蔵庫が「動かない」と感じる原因の多くは、この調整脚が床に接地したままになっていることです。移動させるには、調整脚を緩めてキャスターが床に接地するようにする必要があります。手順としては、冷蔵庫の脚カバーを外し、調整脚を反時計回りに回してゆるめることで本体がわずかに浮き、キャスターに重さが乗る状態になります。この段階で初めて、冷蔵庫を前後に動かすことが可能になります。

以下の表で、キャスターと調整脚の役割や操作ポイントを整理しておきましょう。

項目役割・特徴操作ポイント
キャスター前後移動を助ける小さな車輪調整脚を浮かせた状態で使用する
調整脚(アジャスター)冷蔵庫を固定し、水平を保つ左右にあり、反時計回りに回すと緩んで浮かせられる
脚カバーキャスターと調整脚を隠すパネル手前に引いて簡単に取り外せることが多い

このように構造を把握し、正しい手順で調整脚を操作することが、安全な冷蔵庫の移動につながります。逆に、調整脚の緩め方が不十分だと、キャスターが十分に機能せず、動かそうとしてもびくともしないという状況に陥ります。これを避けるためにも、作業前に構造を確認し、慎重に進めることが大切です。

前に出したいときの正しい操作方法

前に出したいときの正しい操作方法

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冷蔵庫を少し前に引き出したい場面は、掃除や点検、模様替えなど、家庭内で意外と多くあります。しかし、大型で重たい冷蔵庫を無理に動かそうとすると、床を傷つけたり、バランスを崩して冷蔵庫本体にダメージを与える危険性もあるため、正しい操作方法を理解しておく必要があります。

冷蔵庫を前に出す際の基本動作は「まっすぐ、ゆっくり、慎重に」です。キャスターが正常に接地している状態であれば、冷蔵庫の前面下部に手をかけて、手前に引くことでスムーズに動かすことができます。このとき、左右にねじるような力を加えたり、急に強い力をかけたりすると、キャスターがうまく機能しなかったり、床を擦ってしまう原因になります。

特に注意したいのは、冷蔵庫のどこを持つかという点です。ドアの取っ手部分を持って動かすのは避けましょう。取っ手は開閉のためのパーツであり、力をかけて引っ張るためには設計されていません。冷蔵庫の安定した下部、特にフレーム部分に手をかけて、身体全体を使ってゆっくりと引き出すようにすると安全です。

また、冷蔵庫の種類によっては、動かしやすくするための「前面ローラー」などが備わっているものもあります。その場合は説明書を事前に確認し、補助機能を活用するのも良いでしょう。

可能であれば、二人以上での作業が望ましく、一人が前から引き、一人が後ろから支えることで、より安全で確実に動かせます。特に電源コードや周辺の障害物がないか事前にチェックしておくことで、スムーズに作業を進めることができます。

一方で、フローリングなどの柔らかい床材の場合、冷蔵庫の重みで床に跡が残ることもあります。このリスクを避けたい場合は、移動の前に古い毛布や保護シートなどを床に敷くと安心です。

このように、前に出す操作はシンプルに見えて、いくつかの重要なポイントがあります。手順を守って慎重に作業を行うことで、冷蔵庫にも床にも負担をかけず、安全に移動させることが可能です。

左右に動かす際に床を守る方法

左右に動かす際に床を守る方法

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冷蔵庫を左右に動かしたい場面は、家具の配置替えや壁の補修作業などで意外と多くあります。しかし、冷蔵庫のキャスターは前後の直線移動に特化した構造であり、左右への移動には対応していないことがほとんどです。そのため、左右に動かそうとすると「床を傷つける」「冷蔵庫が動かない」「変な音がする」といった問題が起きやすくなります。こうしたリスクを避けるためには、あらかじめ正しい方法と準備を理解しておくことが重要です。

まず前提として、冷蔵庫のキャスターは一般的に前後方向のみに回転する構造になっています。つまり、左右へ直接動かすとキャスターがスムーズに動かず、冷蔵庫が床材を擦ってしまうことがあります。特にフローリングやクッションフロアなどの柔らかい床材では、ひとたびキズがつくと修復が難しくなることもあるため注意が必要です。

左右に移動させるには、保護材を使って「滑らせる」方法が効果的です。古い毛布、大きめのバスタオル、ダンボールなどを活用し、冷蔵庫の下に敷き込むことで、摩擦を減らしながら床を守ることができます。このとき、冷蔵庫の片側を少しだけ持ち上げて保護材を滑り込ませるとスムーズに載せられます。重い冷蔵庫を一人で持ち上げようとするのは危険なので、必ず二人以上で作業することをおすすめします。

以下に、床を傷つけずに左右移動させる方法とポイントを表でまとめました。

方法内容・ポイント
保護材を敷く毛布やダンボールを冷蔵庫の下に敷いて滑らせる
冷蔵庫を少し浮かせる一人が傾けて、もう一人が保護材を滑り込ませる
キャスターに負荷をかけないキャスターの回転方向に逆らわず、なるべく滑らせて移動する
フローリングへのダメージを防ぐフロアが柔らかい場合は、特にしっかりと保護する必要がある
事前準備を怠らない移動経路の障害物や電源コードも確認しておくとトラブル防止になる

このように、左右への移動は正しい方法と適切な準備があって初めて安全に行えます。無理に動かそうとする前に、保護材や手順を確認するだけでも大きなトラブルを防ぐことができます。冷蔵庫の重量や構造を理解し、床を守る工夫をしながら作業することが、長く快適に暮らすための基本です。

冷蔵庫が動かないときの原因と対策

冷蔵庫が動かないときの原因と対策

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冷蔵庫を動かそうとしたのに「まったくびくともしない」という経験をされた方は少なくありません。特にパナソニックの冷蔵庫は、安定性や振動の少なさを重視した設計になっているため、固定がしっかりしていて動きづらい場合があります。このようなとき、焦って力任せに動かそうとすると、故障や床の損傷につながる恐れがあります。まずは落ち着いて、動かない原因を一つずつ確認していきましょう。

最も多い原因の一つは「調整脚が床に接地している状態であること」です。調整脚は冷蔵庫を固定して水平を保つためのパーツで、キャスターの代わりに本体を床に密着させています。この調整脚を緩めずに動かそうとしても、冷蔵庫はまったく動きません。脚カバーを外して、左右の調整脚を反時計回りに回し、冷蔵庫の重量をキャスターに移す必要があります。

また、長年動かしていない場合は、調整脚のねじ部が固着していることもあります。この場合、いきなり緩めようとするのではなく、一度軽く締める方向(時計回り)に回してから、再度緩めるとスムーズに動くことがあります。それでも回らない場合は、適切な工具(レンチやプライヤー)を使うのも一つの手段です。ただし、無理に回すと調整脚や周囲のパーツを傷つけるおそれがあるため、布などを挟んで保護しながら行いましょう。

さらに、床材が柔らかくて調整脚が沈み込んでいることもあります。クッションフロアなどの床では冷蔵庫の重みで調整脚が食い込んでしまい、動かしづらくなるのです。このような場合は、片側を少し持ち上げて荷重を逃がしながら調整脚を回すと効果的です。

加えて、キャスター自体の破損やゴミの詰まりが原因になっている可能性もあります。掃除機でキャスター周辺のゴミを取り除くだけでも、意外とスムーズに動くようになることがあります。

このように、冷蔵庫が動かないと感じたときには、いくつかのチェックポイントを冷静に確認することが重要です。力任せに引っ張るのではなく、構造上の原因を見極めて対処すれば、多くの場合は問題なく移動できるようになります。パナソニックの冷蔵庫も例外ではありません。安全かつ確実に動かすためには、正しい知識と手順が不可欠です。

三菱製との構造の違いを知っておく

三菱製との構造の違いを知っておく

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パナソニック冷蔵庫を安全に移動させるためには、まずその構造を理解することが重要です。特に、同じ国内メーカーである三菱製冷蔵庫との違いを知っておくことで、取扱い時の戸惑いやミスを防げます。両者は基本的な構造に共通点があるものの、細かな設計思想や操作方法に違いがあります。その差を理解することで、移動作業をよりスムーズに進めることが可能になります。

両メーカーの冷蔵庫には、調整脚とキャスターが搭載されている点は共通しています。どちらも通常は調整脚によって冷蔵庫を固定し、動かないようにしてあります。そして、動かすときには調整脚を緩め、キャスターを接地させることで前後方向に移動できるようにするという仕組みです。

しかし、操作性や設計面においていくつかの違いが見られます。たとえば、パナソニック冷蔵庫では調整脚の緩め方が比較的シンプルで、脚カバーを外したあと手回しで調整できる設計が多いのに対し、三菱製では専用の工具が必要な機種もあります。また、三菱冷蔵庫では調整脚がドアの傾き調整にも関わっている場合があり、単に移動のために回すだけではなく、設置後に水平を再調整する手間がかかることもあります。

もう一つの違いとして、三菱製冷蔵庫にはチャイルドロック機能が搭載されているモデルもありますが、これは操作パネルの誤動作を防ぐためのものであり、キャスターを物理的にロックする仕組みではありません。冷蔵庫の移動性とは直接関係ないため、混同しないよう注意が必要です。

以下の表に、パナソニックと三菱の冷蔵庫構造における主な違いをまとめました。

比較項目パナソニック冷蔵庫三菱製冷蔵庫
調整脚の緩め方手動で緩めるタイプが多く簡単専用工具が必要な機種がある
キャスター構造前後移動が前提で、比較的スムーズに動く同様に前後移動が基本だが、やや重めな感触もあり
ドア傾きとの関連性調整脚は主に固定と水平維持のため傾き調整機能と兼用の機種が存在
チャイルドロック機能基本的に操作パネルに関係操作パネル誤作動防止だがキャスターとは無関係

このように、基本構造は似ていても運用や設置のアプローチには差があります。どちらの冷蔵庫であっても、取扱説明書に目を通し、設計に沿った方法で操作することが故障防止につながります。特に三菱冷蔵庫を使用していた方がパナソニックに買い替えた場合、慣れたつもりで作業を進めると意外な部分でつまずくことがあるため注意が必要です。

パナソニック冷蔵庫を安全に動かす準備と注意点

  • 電源を切る最適なタイミングとは
  • エコナビ機能の設定と注意点
  • 説明書でエコナビの正しい使い方を確認
  • 食品の整理と庫内の準備を進める
  • 傾けて動かすときに気をつけるべきこと

電源を切る最適なタイミングとは

電源を切る最適なタイミングとは

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冷蔵庫を動かす際、忘れてはならないのが「電源をいつ切るべきか」という点です。これを適切なタイミングで行わないと、移動中に水漏れが起きたり、内部の霜が溶けて床を濡らしてしまったり、さらには冷蔵庫自体の不具合につながることがあります。特に引っ越しなどで長時間移動させる場合は、電源の扱いが移動の成功を左右すると言っても過言ではありません。

冷蔵庫の電源を切る目安は、移動の目的によって異なります。掃除などで少し前に出すだけであれば、必ずしも長時間電源を切る必要はありません。ただし、電源が入ったままでも、短時間かつ慎重に動かすことが前提です。冷蔵庫内部の霜が溶ける可能性があるため、あらかじめタオルや防水シートを用意しておくと安心です。

一方で、引っ越しなど長距離・長時間の移動を行う場合は、電源を切るタイミングが非常に重要になります。目安としては「移動の15〜24時間前」にコンセントから電源プラグを抜いておくのが適切です。これは、霜取りや水抜きを確実に行うために必要な時間でもあります。とくに古い機種では、霜が厚くなっていることが多く、解凍に時間がかかるケースがあるため、できるだけ早めの対応が望ましいです。

また、自動製氷機能が付いているパナソニック冷蔵庫では、製氷機能を停止し、給水タンクと貯氷ケースの中身を処理しておくことも忘れないようにしましょう。見落としがちなポイントですが、水が残ったまま移動させると、冷蔵庫内や床が濡れてしまう原因になります。

作業を始める前には、必ず取扱説明書で電源プラグの抜き方や注意事項を確認しましょう。多くのパナソニック機種では、電源スイッチはなく、コンセントから直接プラグを抜くことで電源オフとなる仕組みです。ただし、薬用など特殊用途の冷蔵庫にはスイッチがあるケースもあるため、確認を怠らないようにしましょう。

このように、冷蔵庫の電源を切るタイミングは作業の前提条件の一つです。適切な時間を見極めて準備を整えることで、安全かつ清潔に冷蔵庫を移動できるようになります。急ぎすぎて直前に切ったり、長時間通電させたまま移動したりすることのないよう、計画的に進めていきましょう。

エコナビ機能の設定と注意点

エコナビ機能の設定と注意点

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パナソニックの冷蔵庫に搭載されている「エコナビ機能」は、省エネ性能を高めるための独自システムです。これは、使用環境やドアの開閉頻度、庫内の温度変化などをセンサーで感知し、自動で最適な運転を行うというものです。つまり、日々の使い方に合わせて冷却の強さを調整し、ムダな電力消費を抑えてくれます。

ただし、この便利なエコナビ機能も、正しく設定しなければその効果を十分に発揮できません。機種によっては自動で設定されている場合もありますが、意図せずエコナビが無効化されてしまっているケースもあるため、設定内容の確認が必要です。たとえば、冷蔵室や冷凍室の温度設定が「強」になっていたり、急速冷凍や急速製氷などの特別モードを使っている間は、エコナビが一時的に停止することがあります。

また、長期間電源を切っていたり、冷蔵庫を移動したあとなどは、エコナビのセンサーが再学習を始めるまでに時間がかかることがあります。移動直後にエコナビランプが点灯しなくても、故障とは限りません。設置場所の環境や使用状況に応じて、エコナビが再び学習を始め、数日〜数週間で本来の運転モードに戻る場合があります。

さらに、機種によっては操作パネル上に「エコナビランプ」があり、エコナビが作動していることを目視で確認できます。このランプが点灯しないと「機能していないのでは?」と不安になるかもしれませんが、実際には設定によってランプを消灯させることも可能です。そのため、設定変更や表示内容については事前に確認することが大切です。

以下に、エコナビ機能を使う際に押さえておくべき主なポイントを表にまとめました。

確認項目内容・注意点
温度設定の確認冷蔵室・冷凍室の設定が「中」でないとエコナビが作動しないことがある
特別モードとの併用急速冷凍・急速製氷モード中はエコナビが一時停止する
ランプ表示の設定機種によってはエコナビランプが非表示に設定されている可能性がある
移動後の再学習引っ越しや長期保管後は、数日かけて再び家庭の使用パターンを学習し直す
エコナビの作動条件センサーが生活リズム(開閉、温度変化、明るさ)を認識して省エネ運転に切り替える仕組み

このように、エコナビ機能を活用するには、設定状態や使用環境を理解しておくことが不可欠です。単に省エネだから便利、という認識だけでなく、どういうときに働き、どういうときに停止するのかを知っておくことで、日々の生活でより効率的に機能を使いこなせます。節電効果を最大限に活かしたいのであれば、これらのポイントは必ず押さえておきましょう。

説明書でエコナビの正しい使い方を確認

説明書でエコナビの正しい使い方を確認

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パナソニックの冷蔵庫に搭載されているエコナビ機能を有効に活用するには、取扱説明書の内容をよく理解しておく必要があります。というのも、エコナビは自動で動作するとはいえ、その仕組みや作動条件には細かい規定があり、すべてを直感だけで把握するのは難しいからです。

特にエコナビがうまく働いていないと感じる場合、多くの原因は「設定ミス」や「作動条件の誤解」にあります。説明書には、エコナビが機能するための具体的な条件や注意点が明記されています。たとえば、温度設定が「強」や「弱」になっているとエコナビが作動しない、特定のモード中(急速冷凍や製氷など)は一時的に停止する、などの情報が詳しく記載されています。これらを知らずに使用していると、エコナビが働いていないように見えても、実は正常に制御されているだけということもあります。

また、説明書には機種ごとのランプ表示の意味も書かれており、点灯・点滅・消灯それぞれの状態が何を示しているのかを判断する助けになります。モデルによってはエコナビランプ自体を非表示に設定できる場合もあるため、見た目だけで判断するのは危険です。

こうした情報は、取扱説明書を読むことで正しく理解できます。特に新しいモデルやハイグレード機種では、エコナビ以外にも複数の省エネ機能が組み合わさっていることがあり、それぞれの関係性を知っておくことも大切です。説明書には、エコナビと他の機能との干渉や、適切な使用法に関する情報も網羅されています。

エコナビの誤作動ではなく、仕様上の動作であることを理解するには、まず自分の使っている機種の特性を知ることが第一歩です。そのためにも、説明書は引っ越しや移動時に一度見直しておくと良いでしょう。設定ミスを防ぎ、冷蔵庫本来の性能を最大限に引き出すための重要な手がかりが、そこに書かれています。

食品の整理と庫内の準備を進める

食品の整理と庫内の準備を進める

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冷蔵庫を移動する際に最初に考えるべきことの一つが、庫内の食品をどうするかという点です。中身が入ったままの状態で動かそうとすると、重量が増して移動が困難になるだけでなく、食品の傷みや水漏れ、さらには機器の破損リスクも高まります。安全かつ衛生的に作業を進めるためには、食品の整理と庫内の準備を計画的に行うことが大切です。

特に引っ越しなどで長時間の移動を予定している場合は、1~2週間前から食品を計画的に消費していくことが理想です。この期間はできるだけ新しい食品の買い足しを控え、冷蔵庫の中にあるものを中心にメニューを組み立てていくと効率よく整理が進みます。どうしても残ってしまう食品や調味料などは、保冷バッグやクーラーボックスに保冷剤と一緒に一時保存しておくと、品質を保ったまま新居に持ち運ぶことができます。

また、製氷機能付きの冷蔵庫をお使いの場合は、製氷機の停止と給水タンク・氷ケースの中身の処理も忘れてはいけません。移動の24時間前には製氷を止め、タンクの水を捨てると同時に、貯氷ケースの中身も空にしておきましょう。これを怠ると、移動中に氷が溶けて水漏れを起こし、床や冷蔵庫内部を濡らしてしまう可能性があります。

整理と並行して、棚やポケットなどの可動パーツを固定しておく準備も必要です。移動中の揺れによってパーツが外れたり破損したりしないよう、養生テープなどでしっかりと留めておくと安心です。可動部分が多い機種ほど、固定忘れが破損リスクに直結するため、チェックリストなどを使って確認するとよいでしょう。

以下に、食品整理と庫内準備における作業内容とタイミングを整理した表を掲載します。

作業内容実施タイミングポイント
食品の計画的な消費移動の1~2週間前から新規購入は控え、今あるものを優先的に使う
クーラーボックスの準備移動の前日~当日保冷剤とともに、傷みやすい食品を一時保存
製氷機の停止と水抜き移動の24時間前製氷を止め、給水タンクと貯氷ケースの中身を処理
庫内パーツの固定移動直前棚やポケットを養生テープなどでしっかり固定する
庫内の拭き掃除水抜き完了後食品カスや水分を拭き取り、衛生状態を整えておく

このように、冷蔵庫の中身を整理するだけでなく、移動の影響を最小限に抑えるための事前準備も含めて計画的に進めることが、安全で効率的な冷蔵庫移動につながります。作業は一度にすべて行うのではなく、段階的に行うことで負担も軽減され、失敗のリスクも減らすことができます。

傾けて動かすときに気をつけるべきこと

傾けて動かすときに気をつけるべきこと

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冷蔵庫を移動する場面では、狭い通路や段差を通過するために、一時的に本体を傾けなければならないことがあります。見た目には大きな問題がなさそうに見えても、冷蔵庫は非常にデリケートな家電であり、傾け方を誤ると内部のコンプレッサーや冷却システムに悪影響を与える恐れがあります。このため、「傾ける」という動作を行う際には、いくつかの注意点をしっかりと把握しておくことが大切です。

まず理解しておきたいのは、冷蔵庫は「基本的に立てたまま移動することを前提に設計されている」ということです。なかでも横倒しにすることは極力避けるべき行為で、場合によっては故障や冷却不良につながるリスクがあります。これは、冷蔵庫内部にあるコンプレッサーの潤滑オイルが冷却経路に流れ込んでしまい、再起動後に異常が発生する可能性があるためです。

一方で、やむを得ず本体を少し傾けて動かす必要がある場合、できるだけ短時間かつ少ない角度で行うようにしましょう。特に搬出入時や段差越えの際には、一人が傾け、もう一人が支える形で慎重に行うことで、バランスを保ちつつ安全に作業できます。

また、もし移動中にやむを得ず冷蔵庫を横に寝かせてしまった場合は、すぐに電源を入れてはいけません。最低でも数時間、可能であれば半日から1日ほど立てた状態で放置し、内部のオイルが元の位置に戻るのを待つ必要があります。これは内部構造を安定させるために必要な処置であり、知らずにすぐに電源を入れると、正常に冷えなかったり異音がしたりといった不具合の原因になることがあります。

さらに、冷蔵庫を傾ける作業中は、電源コードや給水パーツが床や壁に引っかかっていないかも注意が必要です。無理に引っ張ってしまうと、断線や破損を引き起こすこともあるため、事前に周辺の状態を確認しながら進めることが重要です。

冷蔵庫を傾ける場面は避けられないこともありますが、その影響を最小限に抑えるためには、「時間をかけずに」「角度を抑えて」「再起動前にしっかり待つ」ことが基本になります。こうした点を押さえておくことで、大切な冷蔵庫を長く安心して使い続けることができるでしょう。

パナソニック 冷蔵庫 動かし方の基本と注意点を総括

記事をまとめました。

  • キャスターは前後移動用で、調整脚を緩めないと動かせない
  • 調整脚は反時計回りに回して浮かせる構造
  • 冷蔵庫を動かす前に脚カバーを取り外す必要がある
  • 前に出すときはドア取っ手ではなく下部を持つ
  • 前後に動かすときはゆっくりまっすぐ引くのが基本
  • 左右に動かすには保護材を敷いて滑らせる方法が有効
  • キャスターの構造上、左右の移動には床保護が必須
  • 冷蔵庫が動かない場合は調整脚の固着や床の沈み込みが原因
  • 固着している脚は一度締めてから再度緩めるとよい
  • 三菱製冷蔵庫は専用工具が必要な機種もあるため操作性が異なる
  • 電源は移動の15~24時間前に切るのが適切
  • 製氷機付きの場合は水抜き・製氷停止の事前準備が必要
  • エコナビは温度設定や特殊モードによって一時停止することがある
  • 引越し後はエコナビの再学習が始まるため様子を見るべき
  • 冷蔵庫を傾ける場合は短時間・少角度に留めて再起動は数時間待つ